キノコの顔ぶれ増えてきて

深山、里山もふくめ、きのうまでに写しておいた森の精たちを、少し長くなりますがならべてみます。

まず一番目は、ミャゴ(マイタケ)。昨年とちがい、今年はどちらかといえば豊作とは言いがたいと思われるのですがどうでしょうか。ただ、「一本のミズナラで30㎏ほど採った」という集落の方もおりますから、もう少し時を経てみないと結果はわからないのか。こちらは、わずか4本のミズナラでの収穫だけに今年は止まっています。

2つめは、ワゲ(ヒラタケ・ウスヒラタケ)。これはひろく親しまれている誰もがご存知のおいしいキノコ。

3つめは、度々登場するオオワライタケ。黄色い株はまことにおいしそうで、東北のどこかでは「塩蔵して食べる」という土地もあるようです。しかしこれはれっきとした毒キノコ。

4つ目は、最強猛毒のニガクリタケ。国内では、死に至る悲惨な事故も数々おきている恐ろしいキノコです。晩秋、初冬まで、食茸のクリタケやナラタケと同じ場所に出ていることもあり、色も黄緑から褐色まで濃淡様々できわめて注意を要するキノコです。

5つめは、ベニナギナタタケでしょう。食べられるキノコの仲間ですが、私は口にしたことがなく、色鮮やかなので眺めを楽しんでいます。

6つ目は、ブナやイタヤカエデの幹に張りつくように生えるノギウヂ(エゾハリタケ)。今年は発生条件が良いらしく、あちこちでよく見られます。このキノコ、たいていは幹の中ほどに出るのですが、これはめずらしく根元(ブナ)に発生していました。村では好んで食されるキノコです。

7つ目は、シトリテデ(ウラベニホテイシメジ)。よく毒キノコのイッポンシメジやクサウラベニタケと間違われますが、こちらウラベニは大型で食べ応えのある食茸。我が家では主に塩蔵して冬にいただきます。今年はアガキノゴ(サクラシメジ)と同じで、集落里山での発生は極端に少ないようです。

8つ目は、チョレイマイタケ。この株は大きいのでついマイタケと勘違いしてしまうほどです。これほど大きなチョレイマイタケはなかなかお目にかかれないもの。ミズナラとは関係ないところに生えます。今年は偶然の出会いでした。ただし、老菌ですからうれしさはほとんどありません。でも、記録としての価値はあるので写しておきました。

9つ目は、スミゾメシメジ。茎が中空でなく全体として充実しているのでホンシメジかなと一瞬思いましたが、ちがいます。擦れたところや傷ついたところが黒変するという特徴がよく出て、根元に白い毛が見られるのでスミゾメシメジでしょう。ここでは採れる量はそんなに多くないキノコです。

10番目は、毒種としておいた方がよいでしょうシロオニタケらしい仲間。こちらは美的要素はあるので、やはり姿を眺めるキノコとしておきます。 

11番目は、アミッコ(アミタケ)。湯がくと紫色になり、イグチ科特有の粘りがあります。採取も村ではアカマツの樹下で簡単にでき、収穫量もあり、いろんな調理に向くので多くの方々に親しみがもたれているキノコです。今年はいつもより出遅れて発生でした。

12番目は、採取量も多く、村では最も多くの人々に食べられているサモダシ(ナラタケ)。写真はわが集落ではネスゲモダシと呼ぶヤチナラタケでしょう。サモダシもいよいよ本格的な採取シーズン入りです。きのう登った焼石登山道沿いでも随所に見られました。ナラタケの仲間は出汁がよく出るおいしいキノコ。そのなかでもこのネスゲモダシは最も出汁味の濃いおいしい種です。

13番目は、アシグロタケ。繊維を断つように切って、噛みごたえを楽しむキノコです。乾燥してうどんなどの出汁にも使います。

14番目はタヌキノチャブクロ。薄皮をむいて、真っ白な球体を味噌汁の具にします。キノコは軽いのでお椀の中に浮かびます。同じホコリタケの仲間のキツネノチャブクロと同じでシコシコの食感を楽しむキノコです。ほんわりとした感じの良い甘さもあります。

15番目はおそらくドクツルタケでしょう。キノコ界最強の毒をもつ恐ろしい存在です。

16番目は私は初めて見るキノコ。サナギタケの仲間でしょうか。おかしな姿を見せてくれるキノコもあるものです。

最後は、キノコとしては姿も味も最高級で、それに収穫量も多いハタケシメジです。マイタケ、シシタケ、ホンシメジ、クリフウセンタケとならべて、最も価値の高いキノコの仲間に私は含めるキノコです。