赤滝神社が遷座

去る17日、成瀬ダム建設にともない水没する赤滝神社の遷座式が、赤滝神社を保存する会によって行われました。

遷座にともない、神社のご神体(能恵姫像?)は近くにある草ノ台集落の山神社に間借りして鎮座。新しい社に移るまでしばらくの間、伝説のご神体はここで過ごすことになります。

写真の初めがご神体がなくなった後の19日の旧赤滝神社の建物、2枚目がご神体が一時の鎮座となった草ノ台の山神社です。

赤滝神社は、赤滝の方角を向いて建てられ、鳥居も当然ながら滝側に配置されています。よく通う参詣者や、旧桧山台集落などで暮らした土地の人々は「神社を拝み、そして滝をも拝む」ということ。なるほど、鳥居のそば、滝壺頭の平らな土の上の境内にも、ロウソクを灯し御神酒を献げた痕が常に見られたのはそういうことだったからなのです。

草ノ台の人々は「昔は、草ノ台がらも赤滝神社まで向かい、おさめおの(納めもの・奉納)したもんだと、オヤジ達から聞いだごどある」と言います。

赤滝のそばでは、ダム建設用のプラント工事や堤体掘削工事、原石山採取の関連工事が盛んです。プラント工事のクレーンでしょうか、滝やご神体のなくなった旧神社の背景にそそり立って見えます。その光景が妙に心に焼きつきましたのでカメラを向けました。

滝を象徴する赤い岩のそばには、たった一輪のリンドウが咲き始めています。