シロヤシオツツジをながめに須川高原へ(その1)

妻と二人の時間がとれたので、きのうはシロヤシオツツジをながめに向かいました。行き先は須川高原。

昨年の記録をみたら、ちょうど同じ22日にやはりツツジ観賞に向かっています。

ゴヨウツツジとも呼ばれるこのシロヤシオ。奥羽山脈の自生地北限は焼石山麓(岩手側)といわれますが、大群生となれば奥羽山脈の北限はおそらく須川高原(岩手側)でしょう。同じ山脈なのに、山の東西で異なる植生がいくつかあります。シロヤシオツツジもそのひとつ。緯度がほとんど同じでも、日本海側の村の山麓ではこのツツジを私は見たことがありません。

同じ須川高原の豪雪の山に分布する樹木ですが、土か風か何かの条件が、植生の適地を決めるカギとなっているのでしょう。どうして栗駒山系でも焼石山系でも、秋田側には自生しなかったのか、私にとっては不思議さを思わせられる植物です。

さて花観賞です。国定公園地域の高原の国道沿いも、ブナの林内も、遠くの山々も、「この時期に、こんなに雪が多く残っているのは久しぶりのこと」と思うほど。今年の雪解けの遅さはこでもはっきりとわかります。

目当てのシロヤシオツツジは、花そのものは真っ盛りというところ。でも、花芽の着きは昨年より格段に少なかったらしく、木が大きいだけに花数が少なく、なんだか寂しげです。

このツツジは、年によって咲く花数が極端にちがうので、現地にゆくまで「今年は、どうかな」と期待を抱きながらいつも向かいます。昨年、久しぶりにすばらしい花姿を見せていただいたので、それが記憶に濃く刻まれ過ぎていてか、今年は「ちょっと、残念」が正直な気持ち。

それでも、なんとか花を拝めたし、残雪の多い中で芽吹いたブナの若葉や遠くに焼石連峰をのぞめました。チドリ花(ノビネチドリ?)、ネズモヂ(アカミノイヌツゲ?)の赤い実、残雪に押さえられながら花咲くマンサク、ムラサキヤシオツツジやタムシバ、ミズバショウもたっぷりと観賞でき、満足の高原行きでした。