約半世紀前のソリ仕事を思う雪の沢

明日7日、議会常任委員会による雪状況調査が行われます。

そのためもあって、きのうは村全体の雪の様子を事前に視てまわりました。すでに議会として昨年夏に視察している地区要望箇所も雪と関わる課題がいくつかあり、それらの箇所も再び視察予定です。豪雪時の現場をみれば要望内容がさらによく理解できますから。

菌床しいたけのハウスも、村内では写真のように一部で雪による損壊が発生しています。

豪雪の地では、菌床しいたけハウス、トマトハウス、水稲育苗ハウスなどを雪の重圧からまもる作業はまさに「雪との格闘」です。ビニールをはずした骨組みだけのハウスでも、2㍍50㌢前後をすでに記録した大柳谷地地区では、骨組みの損壊を防ぐための懸命の除雪が行われていることは先にお知らせしたとおりです。

▼きのうは自宅裏手の沢にも少し入りました。雪消し用に引いている生活用水の取水口にゴミが詰まるので、時々取り除きに向かうためです。

沢の取水口までは1㎞ほどあるでしょうか。カンジキで踏み歩くこの沢の雪道は、昔の女たちと混じって雪の上をソリ(鉄じょり・カナジョリと呼ぶ、滑り面に薄い鉄を打ったソリ)で杉の丸太引きをした道。それはこちらが20歳前の頃です。

この沢とは別に雪上の仕事で忘れないのは、バヂゾリというソリ引きでの「ユギ(薪材を運ぶバヂゾリに使う長さ4㍍ほどの長木2本)担ぎ」という作業の難儀でした。滑り下りて薪をおろした後に、薪を積むそのユギを担いで上るのはなんともきつい作業でした。

ユギ担ぎはバヂゾリ作業の助手の仕事ですが、それとは違いバヂゾリに乗ってソリを操るバヂ乗り(勾配が緩いと時には引きもある)仕事はその難儀に「危険」がつきまといます。助手ではなく「乗り」の方は、定時制高校に学んでいた頃、沼又オドリ山国有林でのわずかの操作体験しか私にはありませんが、おそらくそれは、山林労働のなかでは最も危険「怖い仕事」といってよいでしょう。村内ではこのバヂゾリで命を奪われた方もおります。私もそのオドリ山でブナ材を搬出したバヂ乗りの時、難に遭い、怖い目に遭っています。運良く命も助かりケガもしませんでしたが。

 

バヂゾリ作業は、材を運んで滑り下りる時は「怖々」、材をおろしての上りは重いバヂゾリ全体を肩に乗せてのバヂ担ぎですから、「ユギ担ぎ」と同じで「苦役」以外にふさわしい言葉はみつかりません。「恐怖と苦役」それほどにバヂゾリ作業はきつい労働でした。

おかしいもので、難儀をしたことは記憶のひだに細やかに刻まれていて、毎年、春が近くなれば50年ほど前のカナジョリとバヂゾリ、2つのソリでの木引き(丸太搬出)の当時を思いだします。(写真は、40年ほど前の胆沢川国有林内、バヂゾリのブナ材搬出作業)