美味さ増す晩秋・初冬の木の実

今年は実の着きがよくないシラグヂ(サルナシ)。我が家裏手すぐの沢筋にある大きな蔦にもわずかの実がついただけ。鳥やテンの食べ残しがそれでも少し見られます。

こちらがガキの頃の今の季節、草木の葉っぱが落ちた後の野山歩きは、見通しがすっきりしてブドウの実にたどり着くのも楽。時々痛い目に遭ったカネバヂ(スズメバチ)やアシナガバチたちも越冬に入りましたからそちらへの心配もご無用。時にはキノコも見つかり、イワナの産卵の群れにも出会えましたから、雪降る前の我が家まわりの野山は、ガキたちの天国のようなものでした。その喜び、楽しみは67歳になった今も体に染みついていておなじです。

写真は、ニシキギの実といっしょのサナズラブドウ(エビヅル)の実です。背丈の低い柴木のニシキギに蔦を絡ませて実を結んだ様子で、集落の民家庭先に実ったエビヅルです。

エビヅルは、ヤマブドウのように高木にからみつかず、日当たりのよい道路の法面や川原の石場など低所で採れ、それにヤマブドウよりも酸っぱ味のない特有の甘さがあります。半ば欠食児童のような当時のガキたちには、採りやすくておいしくて、とっても好まれた野の果実でした。ヤマブドウほど多くの植生がみられませんから、野の木の実のなかでは希少種といってもよいほどのエビヅルです。

一方のヤマブドウ。この季節まで蔦に残っている実はごくわずかですが、そういう蔦にめぐりあえたらこれもガキの頃はうれしいものでした。それは、この時期まで残っている実は完熟で、やはり独特の甘みをもつヤマブドウの最高の味が楽しめるからです。

最後の写真は、その遅くまでまだ実をつけている我が家そばのヤマブドウです。100㍍四方そこそこの範囲に野のサルナシもあればヤマブドウもある。ここはやっぱり昔も今も私にとって小楽園のようなところです。

▼成瀬ダム堤体打設工事を受注した鹿島・前田・竹中土木のJV工事事務所の事務所開きがきのう夕方行われました。安全祈願と餅まきなどへのご案内をいただき出席。

原石山工事を受注した共同企業体とあわせれば、宿舎もふくめ数百人の方々がはたらく事業です。今回開所した事務所はその拠点のひとつとなります。人口およそ2,500人の村にこれだけの人々が新しく入り暮らします。当然、平成35年夏まで、今後ほぼ5年の工事期間を通じて人と人との様々な新しい出会い、縁もうまれるでしょう。

それらが村の発展と末永くおおいに結びつくことを願いながら、事務所が事業の円滑な進捗のための拠点となることをお祈りし、お祝いのごあいさつを申し上げました。