小集落に雅やかな社ふたつ

早朝にめずらしい帯状の赤雲を見た去る9日。週末の所用で村内を駆け回る途中、肴沢の山神社と八坂神社の境内が「晩秋」のたたずまいで目をひきました。以前から「冬囲いされないうちにながめてみよう」と思っていたので立ち寄りました。(暦では立冬を過ぎましたが、今年はまだ「初冬」の言葉がふさわしくないので、今日は晩秋と記しておきます)

昨年もお知らせしたようにいずれの神社も歴史が古く立派な彫り物がほどこされています。最盛期には600人もの鉱山労働者がいた肴沢の往時をしのびながら社と境内を眺め階段をのぼりました。

 

 

 

 

 

 

 

八坂神社の立派な石階段は77段、私が知る限りでは村の神社のなかでは最も段数の多い参道です。苔むした石段を踏みながら古に思いを馳せつつ、「高齢の方のお参りは、これは大変。お酒が効いた後の祭典時の恵比寿俵担ぎの奉納も大変だったろう、帰り道もおっかなかっただろう」などと、余計な思案をして時々現実に戻ったりしながらの素敵な社ながめでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼所用駆け回りでは、大橋場方面から滝ノ沢と山内の武道、三又地区の郡境となる大日向山も車を止めて眺めました。自治会入会林のブナはすでに落葉を終えています。写真の範囲内には私が知るだけでもクマの越冬穴がいくつかありますが、まだ彼らはドングリなどを旺盛に食す活動中のはず。冬眠前の姿をながめてみたいものだと思っているので、つい車を止めて山をながめてしまいます。

▼その9日昼近く自宅まわりの林に入ったら、晩秋から初冬に顔を見せるユギノシタキノゴ(雪の下きのこ・エノキタケ)やヤマドリモダシ(クリタケ)が、「あなたの来るのを待っていたのよ」というような採り頃の姿であっちにもこっちにもいっぱい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キノコ大好きの童たちが、おいしそうに食べる顔を思い浮かべながらカメラに切り撮り、
後に枯れ木からゆっくりと摘み取りました。そばにはシーズン最後のハタケシメジも。さらにお隣の枯れ木にはジェンコシナダゲ(オツネンタケモドキ)が見られました。深山などではそんなに手をかけないキノコですが、すぐ家まわりに出ていて「うどんの出汁にはもってこい」なのでこれも手にしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

これまたすぐそばの枯れ木にはおいしいトヂナメラコ(ヌメリスギタケ)が、地面にはおなじ仲間のツチスギタケとハイイロシメジが列や輪をつくって大量に発生しています。

 

 

 

 

このツチスギタケとハイイロシメジ(キノコ写真の終わりから5枚)は、食べられるキノコとされているガイドブックもあれば、毒種扱いをするガイドブックもあります。私は、樹上に発生するヌメリスギタケの仲間は食べますが、地上に大量発生するツチスギタケは、「もったいないなァ」と思いながらも食しません。ハイイロシメジも毒とされ、あるいは「体質によっては毒に注意」とされていながらも食べられているところがあるようですし、おいしそうな香りとかたちをしています。しかしこれも私は食べたことはありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼11日は地元部落総出の越冬支度作業へ。水路、公園、神社と降雪前最後の役務です。
家々の冬囲いもほぼ終わり、部落がまもりつづける施設・設備も冬を越す準備をこれですべて終え、里はいつ初雪が下りてきてもだいじょうぶです。