忘れられない出来事の多かった1週間

CIMG0413-1CIMG0411-1▼先週末からきのうまでは、秋の連休中とも重なりいろいろな出来事や出会いが重なった一週間でした。

まず17日には、息子夫婦に待望の第一子が誕生。すこぶる安産で母も子(男子)もともに健康で退院、とにかく、なによりもホッとしました。

DSC_0001-1▼19日には、娘の長女の保育園最後の運動会へ。心配した雨もなんとか降らずに屋外での日程をすべておえることができました。これまでなかなか足をむけることができないでいましたが、卒園前にようやく参観できて、これも「ホッ」です。

CIMG0047-1CIMG0068-1CIMG0187-1CIMG0202-1CIMG0093-1CIMG0103-1▼20日、久しぶりにブナとミズナラの深山へ。お目当てはもちろんミャゴ(マイタケ)。でも、すでにみなさんが先行されていて、めぼしいミズナラ大木の根元は人々の踏み跡ばかりでマイタケの姿はほんのチョッピリだけ。写真のカオになるような一株だけにやっと出会えて、マイタケらしい姿をどうにか写すことができました。

この週には、深山や里山、人里近くで様々なキノコとの出会いがほかにもありました。なかには、「こんなに大量発生はみたことがない」というキノコ(食毒判定に自信のない方が多く、村ではあまり取られないハタケシメジや、わが地区の古老はクリカラモダシと呼んだクリフウセンタケ)もありました。それらは後に少しずつご紹介いたします。

▼21日は岩井川地区の敬老会へ。今年は、戦後70年にあたる年。人生70年~90年の年月を刻む参加の方々ですので、みなさん濃淡は別にしてすべて戦中と戦後すぐの体験を記憶にのこす方々でしょう。人類の世界史、日本史において稀な時代の体験を「どうか、なんらかのかたちで語りついでほしい、書きのこしてほしい。できれば文集(聞き取り書きも含む)の編纂をお願いしたい」という思いを込めながら、お祝いを申し上げました。

敬老会を終えての夕方、「キノコ採り遭難への捜索出動」の連絡が入り、夜8時頃まで活動に加わり、その日の捜索活動終了間際に遭難の方を無事発見という出来事もありました。

▼連休中は絶好の稲刈り日和がつづきました。沿岸や内陸の平場地方で刈り取りまっ盛りという報道がされ、村でもハサ架け農家の始末の早い方は先週に刈り取りが始まりました。田子内地区や岩井川地区の一部では、連休中にコンバイン刈りも本格的に始動しました。

わが家も、できれば手助け人手を考えて連休中にかかりたかったのですが、モミの稔実がもう一歩というところで青く、作業に入れないでいます。昨年、ムリして早くかかり、作業を途中で止めた体験を教えとしています。村より田植えが15日~10日ほど早く、積算の気温や日照が多い沿岸や平場でようやく刈り取りまっ盛りですから、冷涼で生育の遅いわが稲がそんなに進むわけはないのでしょう。刈り取りは、行事も諸々あるので月末になる見込み。これも見込みで、お天気、台風21号次第ではどうなるかわかりません。

カネバヂ(スズメバチ)退治

9月定例会議はきのう終わり、通年議会なので「閉会」ではなく「休会」となりました。

この先、敬老会出席がふたつあり、保育園運動会、お隣岩手県奥州市の国道397号と一関市の国道342号間を結ぶ二つの市道(村の観光とも密接なつながりをもつ山域道路)の開通記念式典、広域市町村圏組合臨時議会、産業祭実行委員会、来月初めには朱沼神社祭、横手市制執行10周年記念式典などが当面の予定としてあります。

そして収穫の秋本番のとき。それら催しの合間を縫い、お天気ともにらみあいをしながら、稲刈りと乾燥・調整作業に励むシーズン入りへといよいよ向かいます。

CIMG0622-1CIMG0628-1CIMG0629-1CIMG0633-1ところで先週、身内の住宅にスズメバチが巣をかけていてその撤去作業を手伝いました。

場所は大通り裏、しかも高所の軒にある巣でそのままにしておいても住人への危害はあまり心配ありませんでしたが、すぐそばに小高い墓地があり、いちばん近いお墓は巣から目と鼻の先。まもなく彼岸の入り。お墓参りの時に、この墓所に来られる方々がハチに襲われたら大変、「彼岸までには巣の撤去を」と急いでのハチ退治に繰り出したわけです。

ここでのハチの巣退治はおととしに次いでこれが二度目。スズメバチはこの軒が気にいっている様子です。村ではスズメバチをカネバヂと呼び、このハチが巣をつくるとカネに縁起をかけてでしょうか「そんなに悪い気はしない」とよくいわれたものです。しかし、下手すれば命を奪われるほどのハチですから、縁起などと悠長なことは言っておられません。

ここの巣は高所にあるため撤去退治もなかなか苦労がつきもの。それでも、県内の自治体にさきがけて村が備品として用意し、無料貸し出しをしてきた完全防護服(2揃え)と殺虫剤があるので、素人でも気をつけてむかえば退治はできます。(巣のある場所とハチの被害の及ぶ範囲についての「公」か「私」かの線引き判断はなかなかむずかしいのですが、公的な被害が大きく想定される場所の巣撤去には、内容によっては個人対応で済ませられない場合もありうると思われます。巣の撤去対応についてあと少し「ごく稀の場合」への公としての課題解決が残されているようにも感じます。)

巣に近づけばハチは執拗に攻撃をしかけてきますが、完全防護と殺虫スプレーには彼らも勝てません。落とした巣の中には幼虫がいっぱいでしたから、巣はこれからまだまだ成長したでしょう。今のうちに撤去できて、正直ホッとしています。なにしろ相手は日本最強の毒虫、人間にとって人命を奪われる被害は、公的機関やマスコミがあげてとりあげ対応するクマなどをはるかに上回る、国内でもっとも恐るべき生きものなのですから。

CIMG0642-1CIMG0645-1CIMG0646-1▼彼岸入り前ですが、アケビが熟れ盛りに近づきつつあります。秋を告げるカオ役たちの登場が、やっぱり1週間ほどいつもの年より早くきているのでしょうか。今年はアケビもヤマブドウもブナグリも大がつく豊作の様子。野のいきものたちは大喜びの秋でしょう。

決算特別委員会の審査を終えて

議会事務局提供
議会事務局提供

決算特別委員会の審査が終わり、すべての議案が委員会で認定されました。

議会はこの決算審査にどのような心がけでのぞめばいいのか、我々はたとえば「地方議員必携(全国町村議会議長会編集・学陽書房発行)」をひとつの参考にします。

この「必携」は審査の着眼点を概ね次のようにのべます。まず歳入。歳入審査にあたっては、1.税の徴収がよくなされているか。2.補助金や地方債が予算通り確保されているか。3.その他、財産、諸収入、使用料など収入全般の確保の努力が充分であったか。

つづいて歳出では、1.支出が議決や手続きなどで適法適正になされているか。2.不要額は妥当なものであるかどうか。3.予算流用は適正になされているか。4.予備費の充用は適正か。5.補助金の効果はあがっているか。6.その他の留意事項として(1)予算執行の計画性。(2).必要以上の支出、不要不急の支出の有無。(3).公共施設整備は計画的か。(4).公の施設が十分に活用されているか、管理は適正か。(5).福祉対策は効果を十分にあげているか。(6).経常一般財源に占める人件費割合や伸びはどうなっているか。(7).類似町村と比較した人件費はどうか。高いとすればその理由は何か、対応策はあるか。(8).物件費の増加はどうか。節減措置が的確にたてられ努力されているか。(9).事務の機械化、電算化の成果が上がっているか。(10).財源として見込んだ補助金や起債が減少した場合の調整措置が妥当か。(11).投資的経費の占める比率の伸びはどうか。(12).地方債の現在高はどうなっているか、などがあげられています。

さらに歳出では、7に主要成果説明書の活用をあげ、この成果説明書を「予算執行の単なる実績、データではなくて、施策の実現を目指して措置された予算執行によって成し遂げた効果であることに着目して、決算審査のしめくくりにこの説明書を大いに活用したいものである。」としています。これは、決算書そのものではない、活用されるために提出される書類なのだという意味でもあるのでしょう。私が議員に就いた当初、本来あるべきこういう充実した独立の「成果説明書」がないもとで審査に臨んだ当時を思いおこします。

まだ着眼点は続き、8として財産調書の検討、9に定額資金運用基金の状況調査、10に財政運営の適否の判断、11に住民のためにどのような仕事をしたか、仕事の出来高と出来具合をあげます。加えて、審議に必要で求める資料として10項目をかかげてもいます。

ほかにも各自治体固有の着眼点も当然必要な場合がままあります。いずれ、たとえばこういう角度から、議員は決算審査に臨むことになっていて、当然、質疑は時に白熱を帯びることが過去にもたくさんありました。なにしろ、村の今後がかかる審査だからです。

二日間の審査を通じ、質疑、答弁、それぞれの側に今年の審査ならではの感想や思いがあったと思います。それを今後の村政の発展にお互い結びつけ、また教訓としたいものです。

シャカという名をもらったキノコ

CIMG0582-1CIMG0584-1CIMG0591-1CIMG0597-1CIMG0613-1CIMG0620-1CIMG0621-1CIMG0600-1CIMG0604-1CIMG0607-1「今年は、アガキノゴ(サクラシメジ)、豊作」ということで、村の直売所にも早くから顔をみせていたサクラシメジ。わたしのむかう車道すぐそばのナラ林にも、先週末、見事な列がならんでいました。

いつもの年なら15日頃からまっ盛りとなるのに、今年はもう過ぎてしまうほどですから、やはり今年の秋は少し早くきているのでしょう。

過ぎた休日のナラ林には、これぞ自然がつくる「芸術作品」とでも呼びたくなるようなフジミャゴ(シャカシメジ・センボンシメジ)も。こちらも今年の発生環境はよいようで、そばにはマスタケや、ボリュウムあるシトリテデ(ウラベニホテイシメジ)も3本見られました。

キノコにシャカという名をつけたり、ホテイという名をつけたり、地方ではフジミャゴやシトリ(シトリは一人、テデは中年男性という意味がふさわしいのか)などという名をつけたり、それぞれ体を連想させるような名をみなさんよくつけたものです。

▼きのう午後は、雄勝中央病院の運営委員会へ。JA秋田厚生連傘下の雄勝中央病院は、県内9つある厚生連病院として、他県でいえば地域ごとに所在する県立病院と同じ役割を秋田県内で果たしているといってよい病院群のうちのひとつです。

こういう社会ですから、経営の土台をしっかりと固める運営が病院にもとめられることは当然です。必要な効率化や利用者の期待にこたえられる医療施設として常に自己改革がもとめられ、それにむかって懸命な努力をしている結果が毎回の運営委員会で報告されます。
湯沢雄勝地域になくてはならない中核病院としての役割を必死に果たしている姿です。

会議のなかでいつも行き着く大きな課題は、診療科目全体に安定した配置をできるようにするための「医師確保」のこと。これは、個々の努力の範囲を今はこえて国の医療政策全体にわたる課題といえます。

資本の原則や経営という側面からだけみたら、地方の人口過疎地はイコール医療過疎地になってしまいます。これを是正するのが国の医療政策の根本であるはずですが、わが国はそういう大課題を国策としてなしえていないようです。

経営の数字や効率化だけに目をうばわれ過ぎれば医療の本質を私たちは忘れがちになります。県立病院と同じような役割を果たしている厚生連の各病院は、それぞれが「地域になくてはならない県民のための病院」なのだという視点で、常に、国政、県政の医療課題として結びつけ「だとすれば、何が必要なのか」「他県の都道府県立病院体制と比して歴年比較でみてどこがちがうのか」などをよくみることも忘れたくないと私は思います。くりかえしますが、「県立病院」といってもよい病院配置群なのですから。

決算特別委員会はじまる

議会事務局提供
議会事務局提供

議会の決算特別委員会の審査がきのうはじまりました。

議員それぞれが、自分の持ち味を発揮し個性ある視点をもって審査にのぞんでいました。決算審査の議論内容は、それが審査の本質をついた議論になればなるほど、今後の村の行政が住民にとってより効果的におこなわれるための予算編成と大事なつながりをもつようになります。

決算審査は、議員にとっても、執行当局側にとっても、それぞれの仕事の内容がすべてにわたって問われる時です。その審査のために決算書類を手にした議員が、時間と内容のうえで検討・分析をどれほど加えられたかで審査全体の目的達成度が決まるといってもいいほどですから、地方議員はそういう覚悟で審査にのぞむことになっています。

初日の審査で、みなさんはそれぞれどんな手応えや感想をもたれたか、2日目審査では、1日目を経てどんな準備や心がけでのぞまれるか、明日の議論にも注目です。

▼あの大雨の前日の10日に、須川高原にキノコ採りで入山されたらしい隣町の方が行方不明となっていて(確かな情報はおととい13日の報道で知る)、きのう残念な結果で捜索ヘリに発見されました。

入山箇所と遺体が発見されたという場所との間において、キノコ採り中と推察される遭難された方の移動の背景にどんな要因があったのか、あそこの地形や入山の目的を又聞きした限りでは「なぜ?」の多い、すぐにははかりかねる結果です。

山で迷ったり、遭難すると「沈着冷静を失い考えられない行動になってしまう」のが常ですが、今回も、そういう心理状態におかれてのことだったのでしょうか、なんとも無念でいたましい限りです。心からご冥福をお祈りし、お悔やみを申し上げます。

秋の訪れ、ちょっぴり早し

11日、宮城にも大雨特別警報がだされるほどの雨雲は、奥羽山脈をはさんで秋田県南のわが村にも及び、土砂災害警報と大雨警報が発令されました。

ただ、最も雨と洪水の激しかったのは10日~11日にかけての深夜で、役場のみなさんはその深夜に庁舎に集まり警戒と巡視体制をとっていました。住民の多くは深夜の警戒情報メール着信音で起こされたでしょうが、朝の目覚めの時は雨もほとんど止み、増水していた川も水かさがぐんと下がっていました。

その時点で確認されたところでは大きな被害は村ではほとんどなしというところで、「よかった」と一安心しました。それに比べ、茨城、栃木、宮城の人的被害の大きさ、浸水被害規模の大きさには驚くばかりです。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、行方不明の方の一刻も早い発見をお祈りします。

11日は、午前に村の農業委員会の9月総会があり、午後には県南地区の農業委員会会長、職務代理、事務局長の会議などが大仙市で開かれました。

CIMG0552-1CIMG0553-1CIMG0555-1大仙市では、市内の一部河川が氾濫するなどで警戒態勢にあり、日程の一部を中止することとなりました。行く途中の雄物川(花火会場の上流部・写真)は、県南地区の各河川が増水したために川幅というより河川敷いっぱいに濁流を満たし、おそろしいほどの勢いでその流れは北西にむかっていました。

それでも雄物川そのものの氾濫による被害報道はありませんでしたから、洪水としては中規模程度のものだったのでしょう。支流のわが成瀬川も、やはり中規模程度の洪水でしたし、秋田の大雨は岩手・宮城に隣接する湯沢雄勝地区にかたよっていたのでこの程度でおさまったといえます。それにしても、増水した雄物川を見て、「下流の河川そばに住み、堤防にまもられて生活する人々は、常に危険と隣り合わせ」とつくづく思わせられました。

今回の茨城や宮城のように決壊の可能性ある堤防箇所は国管理の河川だけで全国に2159箇所。ほかにある県管理を含め、そのうちさらに「ここは危ない」という破堤特定箇所の判定を国や都道府県はあげてとりくむべきでしょう。前例にとらわれない対策工事がやられていたら、今回のようないたましい被害は防げただろうと悔やまれるからです。

CIMG0566-1CIMG0568-1CIMG0569-1CIMG0573-1CIMG0574-1CIMG0577-1CIMG0564-1▼倒伏した稲を起こしていたら、農の大先輩から「まんだ、ほただ、ごどしてらぁ。むがしの百姓だなぁ」と言われてしまいました。ゲンダイの最新型コンバインは、倒伏した稲などものともせずに刈り取ってしまいますから、少々倒れてもだいじょうぶのようです。

久しぶりに童とたんぼにむかい、トカゲやカマキリに遊んでもらいました。草むらでは超美味のハタケシメジも手に。わが家の背戸には、金いろに実ったヤマグリが金曜日には落ち始めました。今年はやっぱり「秋の訪れがちょっぴり早い」ということになるようです。

大雪も大変ですが、大雨、大風はもっと怖い

議会本会議の2日目は3議員による一般質問と陳情・請願の審議がおこなわれ、次いで予算特別委員会や広報対策特別委員会が開催されました。

CIMG0545-1CIMG0548-1CIMG0549-1台風から変わった低気圧と秋雨前線などの影響により、栃木、茨城に大雨特別警報が出され続け、茨城での鬼怒川氾濫による堤防決壊など被害の拡大がすすむなかでの議会でした。

被災地の多くの自治体も今は9月議会の真っ最中だったでしょうが、おそらく避難や防災活動のために議会を一時中断したところもあったでしょう。被災された方々へ心からのお見舞いと被害の拡大なきことを朝に申し上げましたが、後に人命が奪われ行方不明者のいることを知り、新たな災害史として刻まれるほどに甚大な被害の様子が報道されました。

こういう災害をみれば、「いざ」の時に自分たちの議会はどうするかに思案が及びます。わが議会は、そういう「いざ」の時に瞬時に議会としても機能を発揮できるよう4年間いつでもうごける「災害対策特別委員会」を任期始めの初議会で常設しています。わが村の場合、大雨による規模の大きな災害ということで最も可能性の大きいのは山地の土砂崩落や河川の土石流など土砂による被害でしょう。

かって経験したことのない大雨や台風に見舞われる可能性は年々大きくなっています。四季の美しいくには、一方で災害多発列島でもあることを常に覚悟して、ぬかりのない防災活動に心がけねばと、あの堤防決壊(未整備の旧い堤防箇所らしい)をみて思いました。

それと、津波被害の時も思いましたが、空からの救助しか方法がないとき、ヘリでの救助活動が行われますが、ヘリでの吊り上げ救助は一人ずつしかできないようです。寸刻を争って多くの救助を求める方々がいるときに、一機のヘリで一度に複数の人間を吊り上げることのできる機種の開発や手段がないものなのかといつも思います。

おそらく、いろいろとむずかしい課題があってできていないのだと思いますが、あらゆる最先端機器が開発されているこの世界です。多人数被災者の早期救助と救助隊員の安全確保というふたつの側面をとらえて、むずかしい課題を克服できるときが早くくることを願っています。

もうひとつこういう災害で頭からはなれないのは「災害弱者」と呼ばれる方々のこと。子ども、高齢者、病気や介護の必要な方、乳幼児や身重な女性のいる家庭の大変さです。自然災害のみならず、最大の人災といわれる戦争や紛争(最近ではシリア難民の方々)でも、今回のような自然災害でも、そういう「弱者」の方々に心が及びます。あの浸水孤立した住宅のなかにも、不安をかかえながら一夜を過ごされた「弱者」の方々がいるのでしょう。

夜中の1時13分、役場から「土砂災害警戒情報発令」のメールがとどきました。宮城県も大雨特別警報地域となり被害が拡大。村も同じ雨雲の帯中にあり、警戒が必要です。

ウスムラサキホウキタケの頃に9月議会

※議会事務局提供
※議会事務局提供

議会の9月定例会議が始まりました。今日は一般質問、14、16日には、例年たっぷりの時間のもとで議論が熱く交わされる決算特別委員会も行われます。

役所はまだいわゆるクールビズのなかにありますが、9月議会の頃の村となれば冷やしはそろそろおしまいにしたい頃。議会への各位のいでたちも、ネクタイを締めての姿が多くなりつつあります。

わが役場はそうではありませんが、ホテル、病院、新幹線、会議場、どこにむかってもクールビズ、半袖シャツというのに「寒過ぎる」ほど冷やされ上着をまとわなければならないのはどうしてなのでしょうか。とにかくこの国は冷房の過ぎる施設が多すぎます。あれがちょうどよい気温にされたら電力の消費もそうとうおさえられるはずですが、なぜ低い設定温度が基準となっているのか不思議です。

お年寄り風だととられるかもしれませんが、こちらもシャツは長袖がよくなりました。もう64歳、体は冷えにだんだん耐えられないようになっていますから。

CIMG0523-1CIMG0532-1CIMG0540-1CIMG0543-1▼そういう涼しき季節入りで、毎日紹介できる自然のうごき、きのこ紹介が増えています。今日は、わが集落では「ネズミハギモダシ」と呼ぶ「ウスムラサキホウキタケ」の登場です。

キノコそのものだけではそんなに美味な食材ではありませんが、アワビのように肉厚。しかもくせがなくどんな料理にもむくことから、焼いて、炒めて、煮て、一夜漬けで、刺身風で、炊き込みご飯になどなどと、通にとっては様々な楽しみ方が紹介されるきのこです。

今年の村は、いつもの年よりやや発生量が多いようです。

本命キノコのはしりが

農産物、山菜、キノコなどを売りとする村の直売所に妻がはたらいている(半常勤)ので、キノコ採り帰りにお店に立ち寄るお客さんのことが時々話題になります。

過ぎた日曜には「ミャゴ(マイタケ)採ってきたぞ」とか、「ラグヨウ盛りだ」とか、「ノギウヂ(エゾハリタケ)採ってきた」とかで、村の方ではない、町の平場に住む馴染みの方々が立ち寄ったそうです。足し算をしたならば、村の方よりも、山菜やキノコをめざして足繁く山に通われる町場の方々のほうがおそらく多いのでは。

本命の秋キノコのはしりが、9月にはいれば顔をだしますから、自分の「とりぱ・採り場(つぼ)」をお持ちの方は、もう足がうずうずして落ち着いていられなくなるのでしょう。

むかしから「増田の祭り前の朝市には、早生ミャゴ出る」が、村の人々が語ってきた季節を知らせることば。15日がお祭りですからなるほどです。

CIMG0493-1CIMG0498-1CIMG0501-1CIMG0510-1CIMG0514-1CIMG0519-1今顔を見せるマイタケは、ミズナラが完全に枯れきった立ち木や倒木の根元などに多く、シロフと呼ばれる早生ものや、クロフでもそんなにかたちの充実しない個体が多いようです。もちろん、どんなことにでもみられるように例外もありますが。

こちらが気軽にひょいとでかける渓谷の早生ミャゴも、なんとか食べられそうなほどの大きさでほんの少々見られました。豪雪の地のブナとミズナラ、イタヤカエデなどの落葉広葉樹の森はキノコの宝庫。村のキノコ通たちにとって垂涎の的といってもいい値うちの大きなノギウヂ(エゾハリタケ)が、いい大きさと形でブナの幹に張り付いていました。地面にはアカヤマドリ(甘みがあって私は刺身風が好物)も。

▼村議会9月定例会議が今日から17日までの日程で開かれます。明日は一般質問がおこなわれます。ぜひ傍聴を。

ねばねば、つるつる、さくさく、のキノコ

いつ、どこで、だれが、なんのために、なにをしたのか、これは新聞記事のみならず、ほかにつたえるという目的のある文章には書かせぬこと。が、貴重なキノコや絶滅危惧種の動植物などを紹介するときには、それがなぜかはおわかりでしょうが、その「どこで」だけがあいまいな表現となります。

先日、あるあつまりで、幾人かの方々から、そのあいまいさが酒の肴として話題になり、笑いとなりました。申し訳ないながら、今後もしばらくは、それらの菌類、動植物については、場所が特定されるような書き表しは控えますので、ご承知のほどを。ひんぱんにあいまいな表現にならざるをえない季節が、また今年もやってきたからです。

「貴重なキノコのあり場所は家族身内にも知らせない」とよく言われます。それほどではないにしろ、山人は、自分が開拓した山の宝物、秘密のありかをいくつかは持っているものです。なので、しばらくは、その宝のありかを大事にしたいという心がはたらくことが山人にはよくあること。その「開拓地」は、小さな、自分だけの誇りみたいなものなのでしょう。ちょうど海の漁師さんが、自分だけが知る漁場を持つように。昔の山の猟師が、自分しか知らないと思っていた獲物のいる場所をもっていたように。

CIMG0443-1CIMG0450-1CIMG0469-1CIMG0476-1CIMG0480-1CIMG0486-1ということで、家のすぐそば、うーん家から3分、およそ500㍍の円内にはいるほどの範囲でしょうか、そんな里山でマヅシタキノゴ(ラクヨウとも呼ぶハナイグチ)が顔をだしはじめました。早生ものはどこでも盛りといってよい発生の様子で、いつもより足早のシーズン到来です。

CIMG0489-1このキノコは、ごく近くの里山で採れ、しかもカラマツの樹下に発生するのでどなたでも見つけやすく、村ではそんなに貴重扱いはされていませんが、キノコとしての品格も美的要素も、味も、そろってこの上なしのハナイグチ。おそらく都会などの飲食店で、これの刺身風料理や、うどんなどに具として添えられたら、値が少々張ってもお客さんは「これは美味い」と満足の笑みをうかべるでしょう。ねばねば、つるつる、さくさく、酒の肴になら、もってこいのハナイグチですから。

CIMG0487-1CIMG0457-1地面には、スギヒラタケやホコリタケの仲間も顔を出していました。