部落も家々も豪雪の冬へ備えて

6日、県南地区農業委員会会長会で大仙市へ。

農業委員会法が改正となり来年4月から都道府県農業会議が「都道府県農業委員会ネットワーク機構」へ移行、非営利型の一般社団法人組織へと衣替えする。この日の会議は、そのための一部体制案を準備するもの。

秋田県のネットワーク機構には、これまでの構成員に加えて団体会員に25市町村が入り、他に金融関連の団体もひとつ新たに加わることが新組織の(案)として計画されています。他に、組織機構としてはこれまでにない「理事会」や「常設審議委員会」なども設置されます。

TPPへの的確な判断対応もある、組織の改変もあるということで、全国農業会議所、都道府県県農業会議は、かってない重要課題を背負いながらの活動がつづきます。

▼7日は自宅のエドカギ(井戸掻き・池の泥上げ)。主に雪消し用につかう二つある池に1年間溜まった泥を掻き上げる作業で、冬を越すには欠かせぬしごと。

毎年、童がこの日を楽しみにしています。今年は入学しているので、なるべくなら休日を待とうということで、土曜日に決行。

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CIMG0100-1童の目的は毎度のことながらエド(池)に棲む鯉などの魚。童の力ではもちあげられないほどに目方のかかる鯉が、網の中で銀鱗を光らせて暴れると、「重~い」と網を地に下ろすほど。池ではイワナ、カジカ、ドジョウもよく育ち、今年は、おまけに冬眠遅れのカエルまでおでましで童は大喜び。

こちらが子どもの頃も、ほかの手伝い仕事は難儀だった記憶だけが強いのですが、「エドカギ」だけは同じ手伝いでも心が躍る楽しい日でした。童も「今度は何が出てくるか」と目をキラキラです。

CIMG0118-1CIMG0157-1CIMG0153-1CIMG0167-1この日もどうにか小春ぎみのおだやかさ。頭上でクォークォーの音がするので見上げたら、奥羽の脊梁を越えて宮城・蕪栗沼か伊豆沼あたりをめざす雁でしょう、50ほどの群れが成瀬川筋に南東へむかいました。作業を終えて川岸へむかい、流木の大きなブナでナメコをいただいたり、早くもユギノシタキノゴ(エノキタケ)と出会ったり、渕遊びをしたりと、あとわずかしか間がない積雪前の川原散策を楽しみました。

CIMG0185-1CIMG0186-1▼8日は部落全体の秋作業。4つの地区に大きくわかれるわが部落。わが東村集落は、遠藤堰・用水路沿いの草を刈ったり、城下公園の花木や遊具を囲い、伸びた草を刈ったり、泥を上げたり落ち葉などの掃除と、やることはあれもこれもといっぱい。郷社などの冬囲いも済み、部落は、冬を越す支度をこれで整えました。

ふたたび地区要望にこたえる会議

おととい、そしてきのうと、ポカポカのうれしい日和が続きました。積雪前の11月にこういうお天気がおとずれてくれると、雪国人は「今のうちに、ありったけの陽射しを浴びておこう」という気になってきます。

議会事務局提供
議会事務局提供

きのうは部落・自治会長に集まっていただく村主催の会議が行われ、議会として同席しました。春に村と議会でおこなう13地区から要望を寄せていただく会議が開かれています。その会議に続いて秋までの検討状況や変化などをそれぞれの地区代表に伝えるのが秋の会議の主な目的です。

当日集まった11人の地区の責任者の方々へ、ひとつひとつていねいに対応策や考えがしめされ、意見交換がひとりひとりと交わされます。小回りがきき目配りが細かく行き届く村の政治、つまり地方自治のひとつの典型的な姿は、たとえば村と議会と住民によって長年積み重ねられているこういう要望とりまとめ活動と会議などにもみることができます。

こちらも当事者のうちの一人ですから、全国や県内の地方自治のそれぞれの姿にふれる機会が多くあり、他をみて村の到達を時々比較します。こういうしくみを村と議会がつづけてきていますから、あらゆる雪対策、村道や水路改良整備の推進、簡易水道設備の統合更新をはじめとする水対策、最近では全集落の街灯LED化切り替え推進をめざすなどの生活環境整備の徹底、加えて教育、医療・福祉政策、農業、商工業むけなどの産業振興支援策などが前進。「東成瀬はよくやっている」といわれるように、おそらく県内各市町村に遅れをとらない到達に村の自治はあるはずです。

市町村は住民の自治の力によってうごかされますから、小さいわが村はわが村なりの特徴をいかして独自の自治の道を走り続けます。どこの市町村とも同じように「より暮らしやすい地域づくりをめざし」てです。

CIMG0083-1▼今冬に焚く薪入れ作業をようやく終えました。これからは池の泥上げ、家屋や作業小屋、農機具格納庫の冬囲いと、合間合間をみて、ひとつずつ、少しずつ、冬を越す支度をととのえる日が雪の降る時まで続きます。

CIMG0082-1作業中、「あっ、きれいだごど」と妻の声。名は知りませんがある野草の穂をみてのこと。雪が下りてくる前の晩秋、初冬の野は、深山から里まで、来年にのぞみをつなぐ草木が今年最後のわびしげな美を一隅一隅で見せる時でもあります。

成瀬ダムで行政懇談会と現場視察

CIMG0023-1CIMG0029-1きのうは村議会の行政懇談会がおこなわれました。懇談会は毎年開催しているもの。成瀬ダム事業について、小松所長さんをはじめとする成瀬ダム工事事務所幹部職員のみなさんをお招きしての村議会恒例の研修です。

懇談会は、あらかじめ準備した全体の研修課題(事業概要、今後の事業工程、工事事務所の建設計画等)についての質問や、個別質問(赤滝神社関連、成瀬川の流量等、伐採木の処分等、原石採取候補地、コア倉庫新築等)へもふくめて説明をうけ、質疑応答が交わされました。

会議後はダム事業現場を視察。昨年までは北ノ俣沢方面や成瀬川の右岸(東側)からながめる工事現場でしたが、今年ははじめて赤川を越えてつくられた工事用道路に入り、対岸の西側から事業範囲全体をながめました。多忙のなか、長い時間を割いていただきました工事事務所の所長をはじめみなさんには心から感謝です。

あらためて、ダムの堤体積が1200万㎥に及ぶロックフィルダムの規模の大きさを実感しました。世の中、たいがいのことにいえることかもしれませんが、立つ位置をかえることによって思考も一定の変化をみせるものです。

規模も質もちがいますが、地図上で、日本からアジア大陸やアメリカ大陸側をながめるのと、反対に大陸側から日本を眺めるのとでは、日本へのとらえ方がかなりちがう感覚、思考になるのと少し似ています。存在は人の意識をある程度決定するともいわれます。それほど大仰ぎみたことではないにしろ、「それは、どの位置、立場からみた考えか」ということには大事なことが含まれているものです。

TPP対応へ緊急決議の県農業委員大会

2日~3日、県農業委員大会などがあり、種苗交換会が行われている鹿角市にいた。

59回目を数える大会は、来年4月1日に施行される改正農業委員会等に関する法律制定後の会議であり、また10月5日のTPP交渉の大筋合意直後の大会でもあった。それだけに、農業者の利益代表機関として活動する農業委員が集う全県の大会は、すばやくこれに対応、「TPP合意に対する緊急要請」を他議案と独立させ緊急決議した。

決議内容を一部抜き出しお知らせしたい。決議は『国会決議で関税撤廃の例外を求めた「重要5品目」においても関税が撤廃撤廃されることが判明した。』とし、『今後の農業経営に悪影響が生じることは不可避であり、農業者の不安と苛立ちは募るばかりである。』とのべ、『TPPの合意内容は日本経済はもちろん、農村を始め地域社会の在り方まで左右しかねないことから、国会において、国会決議に沿うものかどうかを徹底的に議論・検証するとともに、国内農産物価格や需要への悪影響を生じさせない国内農業対策が構築されるよう、政府・国会に対して強く要請する。』などを主な柱としている。

質疑のなかでもTPPへの言及があった。二田会長は、緊急決議の上程にいたった経緯をあらためて重視し答え、いつもの剛直闊達な語り口で、県と全国農業会議会長としての見解をまっすぐにのべた。

大会では、恒例の県農業会議会長表彰がおこなわれた。永年勤続農業委員会会長表彰を私も受けることとなり、受賞者を代表して謝辞を申し上げた。謝辞をお受けいただいた二田会長や壇上の県内市長村農業委員会の会長さんたち、それにわが村も含む管内や県南の農業委員のみなさんと長く活動を共にできたことは貴重な体験である。二田会長やみなさんから学んだことは、農業だけにとどまらず人生の糧としての多くがある。

謝辞そのものは、よくつかわれる言葉を並べた短いものだが、申しのべながら対面する二田会長と幾度か目を合わせた。会長には、これまでのご指導、学びを体験させて頂いたことへの感謝の心をそのままにお伝えしたいと念じながらお礼の言葉を読み終えた。

CIMG9997-1CIMG9995-1CIMG0001-1CIMG0006-1CIMG0005-1CIMG0002-1▼種苗交換会では、村の母ちゃんたちの農事組合法人「なるせ加工研究会」の手作り「あめこうじ比内地鶏トマトだれセット」が全国農協中央会会長賞に輝いたほか、村農業委員のトマトやイチゴをはじめ入賞した村の特産物が展示されていた。

CIMG0015-1CIMG0016-1農機具ショーや植木市、物産販売会場は、隣県からも含めていっぱいの人、人、人。花輪の郊外にまだほんの一角だが刈り取られない稲がめずらしく残る市内は、あっちでもこっちでもと、人のうごきのにぎやかな晩秋であった。

CIMG0008-1CIMG0014-1CIMG0010-1CIMG0009-1CIMG0019-1▼鹿角の朝市風景、帰路、車中からの岩手山も載せておきます。

晩秋の林はモミジが映えます

寒気次第では、里への雪がいつ降っても不思議でない11月はじめ。まずはと、車の一台はスノータイヤに履き替えておきました。少々ある花木も、簡単な冬囲いを済ませました。

部落(自治会)の役員会が30日に開かれ、冬にむけた用水路の草刈りや公園などの清掃冬囲い作業を8日に行うことを決めました。11月は、みんな、冬へ冬へと心も体が動きます。

31日は村猟友会の総会へ。カラスやクマの有害駆除、事前調整捕獲、生息調査などの活動に加え、山岳遭難の捜索救助では消防団や捜索隊の一員としてとくに頼りにされているのが山をよく知る会員たち。1日からカモ猟が解禁となっていますが、はたしておいしいカモ鍋はごちそうになれたのでしょうか。

ブナの森深山は木の葉のすべてを落としもう冬山。里が雨なら奥羽の脊梁はいつも雪景色という季節。集落の東、合居川渓谷奥にドーンと座する焼石連峰・三界山も白装束の日が多くなっています。

CIMG9994-1CIMG9998-1CIMG9999-1CIMG0002-1CIMG0007-1CIMG0014-1CIMG0016-1CIMG0017-1人里の林も落葉がだいぶすすみました。こうなると映えるのが比較的遅く色づくモミジやイタヤカエデたち。わが家裏山、車道脇の林は低木が落葉したので見通しが次第によくなり、童と散策するにはちょうどよし。

歩いていたら「あっ、キノコ」と童の声。里山も、深山も、今の林を歩いたらよく出会うのは枯れ木に出るムキタケ。

里は里でも、宅地脇の草むらには、晩生のハタケシメジもモコッモコッと最後のカオを見せています。こんなに遅くなってもいい形で発生をつづけていますから、今年はハタケシメジにとってずいぶん発生条件のよい環境だったようです。童はムキタケは苦手のようですが、ハタケシメジは大好き。自分で採ったキノコを食べられるのですから、山村の童は幸せということでしょうか。

CIMG0019-1CIMG0023-1CIMG0021-1CIMG0026-1CIMG0028-1CIMG0029-1CIMG0034-1CIMG0041-1CIMG0043-1CIMG0046-1CIMG0047-1CIMG0048-1CIMG0051-1CIMG0053-1CIMG0049-1▼1日午前の赤滝です。滝つぼ脇の黄色のモミジがまだ観られるかなと足をむけましたが、もう葉っぱはなし。天気が比較的よかったからでしょうか、本格的な構えのカメラマンさんが二人、滝景色をしばらく写し撮っていました。今年の私の赤滝通いはこれでおしまいです。

 

今年の村のゲンジボタル

東成瀬村ホタルの会は、村内における今年のゲンジボタル発生状況調査を経ての検討会をきのうおこなった。

当方、名前だけの会員登録をしている団体がいくつかあり、ホタルの会も例にもれないうちのひとつ。が、きのうは会にだけは出席した。

調査結果の報告が会長の佐々木克郎先生(前村教育長)からおこなわれた。村のホタル研究や生息環境づくりへの目配り、生息数維持や繁殖に長い間とりくんでこられた方で、「ゲンジボタルの村」を発信するうえでも大きな役割をはたされている。

今年のゲンジボタル発生は、「昨年に比べて初見日(6月2日、田子内巌渓道沿い)、最盛期が早かった。これは春の温暖な気候が影響したと思われる。調査地点15箇所の今年の調査では、昨年より発生確認数が増えたのは3地点、同じが2地点、減が9地点。幼虫を放流した4地点でも確認数が減」という会員による調査内容のまとめが確認された。

あくまでも限られた会員による限られた地点での確認数ではあるが、村内の主なる発生地点をとらえた調査であるので、村のゲンジボタル棲息全体の動向をほぼあらわしているといえるだろう。

日本で最も美しい村連合加盟村のひとつの象徴でもあるゲンジボタル。棲息環境は年々狭められてきている。ホタルの棲息維持には、いまの状況をよくみた新たな人の手と力と考えのきりかえがまちがいなく必要となっている。

「ゲンジボタルは昆虫の一種にすぎないが、その棲息環境そのものを人のくらしと調和させ、まもりつづけるのが美しい村の根本命題」ともいえる。ホタルはすべての環境保護に連なる一つの灯りとなる生きもの。そのための努力が村としても特別の力を入れてとりくまれ、「会」という限られた枠のなかでも地道につづけられてきた。今後も、村民ひとりひとり、美しい村を発信する村全体が、新たな視点でホタル保護にとりくみたいものである。

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CIMG9989-1▼写真は今朝の村。イタヤカエデの黄葉。不動滝、となりあわせる神社の晩秋の一風景です。

ゆたかな条件をいっぱいもつ町へ

27日~28日は、県町村議会議長会の視察研修で宮城県蔵王町に滞在していました。

CIMG9947-1CIMG9966-1CIMG9967-1視察の目的は、通年議会をはじめとする議会活性化や子ども子育て支援事業などのとりくみ等を議長会全体として学ぶこと。

わが議会はすでに通年議会を実施していますが、その際、先行するとりくみを学びにおとずれたのがここ蔵王町でした。ここには後に村当局側もほぼ同じ目的で視察にお世話になっており、当時のお礼をのべながら、重ねてのていねいなご説明と受け入れご対応に感謝しました。

今回の視察では、これまで足を運んだことのなかった土地の観察もできました。それは、蔵王町は、蔵王山地の宮城側にひらけた広大な裾野をもっているということで、ここでは酪農を中心にしてでしょう、観光と畜産、加工品を結びつけた産業が根強く展開されている町でもあるのです。

CIMG9961-1温泉とこけしではひろく名の通った遠刈田という土地でも有名な町ですが、「東北の軽井沢」を連想するような別荘の町、それにふさわしい広葉樹の森が人里すぐからエコーライン方面の山麓中腹までひろがる町でもありました。そんなに遠くない距離で大都市仙台があり、広大な農地がひらけ林野ももつ町なので、豊かな産物がつくられています。農業と観光面をより深く結びつけた新たな発展可能性がとても大きくある自治体だと感じてきました。東北には、自然と社会の両側面で、こういう豊かな条件をもつ地方が所々にあるのですね。

町の図書館も訪れました。年間の図書関連購入予算が約400万円ということで、こういう方面にも意識的に目をむけている政策は、視察一行の関心を集めました。

佐藤長成議長さんや前議長の村山一夫議員さん、松崎良一副議長さん、議会運営委員の馬場勝彦議員さんをはじめ、二日間お世話になりました村上議会事務局長さん、役場職員のみなさんに心からの感謝を申し上げます。

晩秋~初冬は木の実の映えるとき

25日、わが奥羽の脊梁山脈は晩秋2度目の冠雪をみたようで、須川高原の温泉付近の国道も一時通行止めとなるほどでした。

その後わが集落の入道に所用でうかがったら、「おらほでも、雨さ、白いな混ざったけ」と。みぞれがほんの一時降ったことを土地の方からお聞きしました。

CIMG1695-1翌26日、時折お日様が見え隠れするお天気で脊梁に横たわっていた厚い雲が消え、はっきりと雪化粧した三界山が姿を見せました。

深山のブナ帯は落葉をすべて終え完全に初冬の装い。冬眠前のクマたちは、何十年ぶりというブナグリ(ブナの実)の大豊作に恵まれ、そんなに移動しなくても同じ樹下で実をたっぷりと食べつづけているでしょう。

初夏に交尾・受精し、子宮内を漂っていたクマの受精卵は、ブナの実で良質の栄養をとれたおかげで11月には効率よく子宮に着床し、2月頃には、これまでにないほど多くの子グマが誕生する年となるかもしれません。そうなれば、春のタケノコシーズンはもちろんですが、再来年の夏に母グマから離された子グマたちの独り立ちの時は、クマとの出会いが多くなる可能性もありです。

CIMG1688-1CIMG1691-1CIMG1704-1CIMG1699-1CIMG1707-1▼里では、落葉とともに、木の実の美しさを楽しめる季節ともなっています。

わが家のまわりでいま目につくのは、ウメボドゲ(ツルウメモドキ)、サナズラブンド(エビヅルの仲間)、ハギノギ(ニシキギ?)ムラサキシキブ、ノブドウ、ガマズミなどです。

失ったり、あたったり

目的はどんなことであれ、山入りをするとよく山中に落とし物や忘れ物をしてしまうとんまな当方。この間、人里近くの林に入ったときは、宝物のようにしているナタが鞘から抜け落ちたのを気づかず歩き、紛失したことを車に乗る時になってはじめて知りました。

ナタはナタでも、そのナタは阿仁の鍛冶屋さんがうったやや値の張るマタギ鉈。山歩きや遭難救助をふくめ私があらゆる山入り道具の中で、一番大事な次の次あたりに大事にしている宝の道具。それを紛失したことはしばらく妻にも伏せていて、どうも、心穏やかでない日々がしばらく続いていました。

歩いたコースはほぼわかるものの、広い林の中ですからどこで落としたかはわからず、それに地面に横たわったナタの上には落ち葉も重なっているはず。発見はおそらくむずかしいだろうが「雪の降る前に一度さがしに行く」と決めていて、過ぎた週末にナタさがしの山入りをしました。

ナタはありました。車から下りて3分ほど、あきらめていたナタは落ち葉を少しかむりながらもすぐに発見でき、自作自演ながら、よろこびにこちらはしばらくひたりました。

CIMG1608-1CIMG1610-1CIMG1617-1CIMG1620-1CIMG1621-1CIMG1670-1CIMG1676-1CIMG1681-1CIMG1686-1それからです。「ついでに少し林を歩いて見よう」とすぐそばの国道を車がブーンブーンと通る里山のナラ林を歩いたら、まずムラサキシメジが見え、その直後に、里山ですからそんなに太くないミズナラの根元に大きなマイタケが。

これにはこちらもびっくり。食べ物はなんでも晩生種がおいしいし品質も高いといわれますが、きのこのマイタケも同じ。霜の降りる今の時期に稀に採れるマイタケをわが集落では「霜降りミャゴ」と呼び、「最高級の味と質のマイタケ」としてあつかってきました。

しかも、それが、車から降りてすぐの里山の林ですから、驚くやらうれしいやらで、思わず声をあげてしまいました。あげた声音の中身は省きますが、半ばあきらめていたナタが簡単に見つかり、つづいて今度は最高級マイタケ2個を里山の林で手にできたのですから、その時の様子はご想像できると思います。「山の女神様のお導きだな。このミャゴ(マイタケ)をオレに採らせたかったのだろう、女神様は」などと、勝手な筋書きを思わずつくってみたりもするほどに、これはうれしかったです。

ほかにこの日はサクラの枯れ木で里山のナメコも。「山を歩けば何かにあたる」と時々記してきましたが、失ったり、あたったり、仕事と同じで、動くということにはいろんな出来事が待ち受けているものです。

ムキタケ、シモフリシメジ、めずらしくカラマツの倒木に出ていたクリタケ、それに極晩生のサモダシと、この間出会った晩秋のキノコたちも加えておきます。

これぞ村だからこその出来秋のよろこび

48回目を数える村産業祭の授賞式が24日におこなわれました。

CIMG1642-1CIMG1641-1CIMG1640-1CIMG1643-1CIMG1644-1CIMG1645-1CIMG1646-1CIMG1647-1CIMG1649-1CIMG1650-1CIMG1651-1CIMG1652-1CIMG1653-1CIMG1654-1CIMG1655-1CIMG1659-1CIMG1660-1CIMG1658-1CIMG1669-1CIMG1665-1CIMG1666-1村の産業祭は、まず一番に収穫の秋をよろこびあうもの。それだけに出品される産物がとにかく多くないと祭りらしい雰囲気が出ません。出品物は厳正な審査を経ての等級定め授賞もあるので、品数多ければ賞もより輝くというものです。

そうしたことへの眼差しが深くなっているからでしょう、村の産業祭には今年も392点の出品物があり、野菜は39作目、注目される食品加工品も伝統の漬け物から新たな産品と18品目も並びました。同じ村内でも、地区によって出品物に大きなひらきがあることに私は関心をもちました。すばらしい産物をつくりあげた皆さんへ心からの感謝とお祝いを申し上げます。

農山村で生きる私たちは、可能な限りその土地でつくられ採られた食べ物を口にし、採算のとれる適地適産の条件にあったものをつくり市場に出し、生活を成り立たせるというのがいつの時代にあっても理想の姿だと思います。

そういう点で村は、お米、畜産、そして野菜、きのこ、花などと、地産地消でも、適地適産でも、いまの時代によくあった軸となる産物をひろくもっています。

お米も、特Aで安住されない食味の高い米づくりももとめられ、「玄米で食味値75以上を基準の米づくり」が村では当然のこととしての努力がすでにはじまっています。畜産も赤べご・短角牛の復活や食肉加工への新しい方向の土台づくりがはじまっています。

CIMG1663-1受賞されたみなさんとご指導にあたられた関係機関のみなさんのさらなる努力で、村の土地条件、自然によくそなわった「村だからこそできる」農林・加工業の発展がはかられることにさらなる期待をこめながら、お祝いのあいさつをのべました。