緑と小花の仲間が増えて

野草の新芽と、春一番の小花たちが方々で見かけられるようになりました。

野草の芽出しでもっとも早い仲間に入るウドザグ(ハナウドの仲間)はとっくに紹介していますが、それに続いて芽を出し、いま緑を濃くしているのはヘリザグ(シャク)。我々は「セリ」のことを「ヘリ・ヒェリ)」と呼び、シャクはそのセリの葉っぱに似ているので、「ヘリザグ」というわけです。

シャクもオオイタドリも、地方によってよく利用される山菜のようですが、わが村ではサシドリ(オオイタドリ)とシャクを食べる方は少なく、好き嫌いの差が大きい山菜でもあります。嫌いな方がいるということは、一方に「大好き」という方がいるということ。山菜やキノコなど自然の食には種によって好き嫌いの多様性があり、おもしろいものです。

集落の昔人は、シシウドやエゾニュウたちの仲間をすべてまとめて「サグ」と呼び、ハナウドの仲間も「ウドザグ」、シャクも「ヘリザグ」と、ずいぶん野草の名に「サク」の言葉をつかっています。何かの意味があるのだと思われますが、私にくわしいことはわかりません。

土手には、春二番手の花チャワンバナコ(キクザクイチゲ)もいっせいに咲き始めました。もう少し経てば、三番手の小花カダゴ(カタクリ)も同じ土手に見られるようになり、野の緑化と小花たちのバトンリレーがしばらく続きます。