童と「生きもの探し」

新型コロナウィルス禍、学校が突然のいっせい休校となった童とともに、雪上歩きと生きもの探しで少しの時間を共に過ごしました。

異常といえる降雪量、積雪量の少なかった寒中に加え、立春以降も2月、3月と温暖な日が続き、雪解けはいつもの年よりはるかに早い速度で進んでいます。

雪解けの進み具合がそうなので、カンジキ履きでめざしたのは清水の湧き出るいつもの場所。毎年春先に2人でここを決まって訪れます。目的は、まだ冬ごもりから目覚めていないカエル(アカガエルの仲間でしょうか)やサワガニ、それに小さなサンショウウオと出会うこと。

例年2㍍以上の積雪がまわりにある真冬でも、ここは清水の湧口ですから雪が積もらず。ミズバショウも自宅の周囲では最も早く芽生えを見せる所です。生きものたちが隠れていそうな石を起こすと、サンショウウオやサワガニが次々と姿を見せ、稀にカエルとの出会いも。

昔、私らが童の頃は、食べる目的でこのサワガニを捕りに向かい、サンショウウオは「薬になる」などと、遊び心もあわせて生きたそのままを(いわばサンショウウオの踊り呑み)2匹も3匹も呑み込んだりしたもの。こういう清水の湧口にくると、雪解け始まりの3月の季節に自然と溶け込み戯れた童の頃に私の想いは返ります。

小沢の流れそばにはバッケ(フキノトウ)もいっぱい出ています。「これは、みんなへのお土産に」と、2人でおいしそうな若芽をたっぷりと摘みました。

歩きの途中、杉林の雪上にリスの巣が落ちていました。杉の皮を薄く剥がしてフワフワふとんのような巣をリスはよくつくります。見上げたら、木の途中にも巣材のかけらが垂れ下がっていました。

今使っている巣なのか、使い捨ての巣なのか、はてまたどんなはずみで樹上から落ちてきたのか(天敵に襲われたのか、風か雪の影響か)はわかりませんが、雪の上では時々見かけること。こういう様子を童ははじめて目にしたようです。