山菜の仲間が少しずつ増えて

早すぎる雪解けの季節をむかえた村なので、湧水そばや沢の岸辺では山菜の新芽が見られるようになっています。

村でいち早く摘める山菜はもちろんバッケで、今年はもうとっくに食べ盛りを迎えていました。これは軒下から田んぼの土手もふくめあまりにもごく普通に見られる野草です。ですから、ほとんどの村人は「山菜」と聞いても、その仲間にバッケはあまり思い浮かべられないかもしれません。

そのバッケに続いていま顔を見せているのがアザミやヒロッコ。アザミは、新芽ならほとんどの種類が手軽に利用でき、味噌汁の具にもあつらえむき。なので、村では昔から多くの人々に愛されている山菜です。ヒロッコも同じように人気の高い野の菜(これも山菜と呼ぶより、どちらかというと耕作されない畑や原野の菜)です。

きのうは、春休みの童とともに生きもの探し(サンショウウオ、カエル、サワガニ)に1時間ほど出かけ、清水の流れる岸辺でそのアザミを摘み取りました。ワサビも蕾をだいぶふくらませていますから、まもなく花が咲くでしょう。ハナウドもだいぶ草丈が伸びてきました。

もう少し経てば、やはりいろんな料理につかわれるコゴミも、今年はいつもの年よりはるかに早く顔を見せるはずです。摘んだアザミは、細かく切って味噌汁にパッと入れました。新芽のやわらかな緑がお椀に浮かび、ほのかな春の香りが楽しめました。今朝は、父の月命日。お膳に供える味噌汁にも、妻はアザミの新芽を少し浮かばせました。