真白き嶺が目立つ季節

所用で湯沢へ向かったきのう午後。吉野でまた田んぼの土がほとんど出ていました。

例年、高校の卒業式がはじまる3月1日には、早い年であれば「真人へぐり」にまんさくの花が見られます。それで「今年なら、もう咲き始めたかな?」と車窓からながめましたが、走る車の中からは花の確認はできませんでした。開花はまだなのかな。

日向斜面では、岩井川集落の里山でさえ雪のない箇所が広がっています。増田、十文字地区の田んぼには北帰行途中の白鳥たちが舞い下り、2月なのにモミなどを食べているほど。

白鳥たちは「秋田市方面まで行かなくても、増田、十文字あたりで2月に田んぼで食事ができるのは初めて」と助かっているでしょう。今冬の渡り鳥たちは、中継地で餌のとれる範囲があまりにも多くありますから、秋田県南の食味特A級のお米「あきたこまち」のたっぷりの栄養をとって大陸へ帰れるはず。

村も平野部も土肌の占める黒い範囲がそれだけ多くなっているので、西の鳥海山や東の焼石連峰の真白き山容がひときわ目立ちます。こちらがながめた昨日午後は残念ながら曇り空を背景の山体でした。これが午前のような晴れ空に浮き立つなら、白雪を抱く見事な美の景観となります。その景観は横手盆地に春が来たことを感ずるひとつの季節指標ともなります。