今冬2度目の冬らしい空

今年に入ってからは、厳しい寒さも大雪もないままひと月が過ぎていたので、50㌢ほど新たに積もったきのうのドカ雪で「ほんとうは、村の冬って、こうだったんだよな」と思わせられたところです。

村らしい大雪降りは、雪下ろしをした12月初めに次いでこれが今冬2度目。雪不足を嘆いていた小正月行事のみなさんは、平野部でも50㌢ほどの新しい積雪をいっきに記録して、まずは一安心というところでしょう。役場庁舎のつららも今冬最大の長さとなり、立春を過ぎて真冬をはじめて感じたような2月です。

雪のことでは、いつもの年より雪と関わる稼働時間が少なくて見込んだ収入より少ない業者さんも県内に多いようです。そういうことも想定して「最低の補償」となる救済対策を各自治体が委託業者に対してとっているところが多いようです。それはわが村も同じです。ただし、村の場合、雪が極端に少なかった今シーズンであってもその「補償」が適用されることはないようです。つまりこれほど異常な雪の少なさの今年でも、豪雪の村では「補償」のラインを越えて稼働がなされているというわけです。

ところで、除雪は朝早くからの仕事です。村の場合は、業者さんに対して、朝の作業開始時間を特別な大雪の日は別にして通常は3時半から始めるよう告げられているようです。3時半開始というのには理由があり、村民の睡眠を大きく妨げる時間帯はなるべく避けることと、朝の車の通行に支障のない時間までに終えるという、除雪に最も効率よい時間帯を考慮してそういう時間設定がされたようです。

朝早い除雪は、直営であれ、委託であれ、携わるご本人にとっても、それをささえるご家族にとっても苦労の多い大変な仕事と思われます。無理のない時間設定で作業ができるよう、常に考慮しての作業委託の発注や路線の編成を村は心がけているようですので、村民のみなさんにそういう実情を私からもお知らせしておきます。

▼きのうは、年に二回開かれている厚生連雄勝中央病院の運営委員会へ。

中央病院スタッフのみなさんの努力が毎回のことながらよく理解できる会議です。

先に、全国の公立・公的病院の再編・統合について病院名をいきなり公表した国に対して、全国から批判の声があがりました。わが議会も「国の基準に基づく一方的な再編・統合は行うべきでない」という旨の意見書を過ぎた12月議会で国に提出しています。

国がとるべき政策は、人口が少ない地域でも必要な医療が安心してうけられる体制です。民間であれ公であれ総合病院はその中核であり、医療スタッフ不足や医師の不足、偏在を解消する制度創設こそが求められます。効率論と市場経済の論理を優先するなら、我々の社会は、どこまでも一極集中にならざるをえないでしょう。

人口減少を一定数に止めようとする地方創生を本気で考えるなら、安心して暮らせるカナメとなる医療の充実、医師の絶対数不足(経済開発協力機構の2016年調査で、人口1000人当たりの医師数がOECD平均3.3人に対し、日本は2.4人。これはOECD35カ国中30位。OECD平均と比べ11万5000人医師の絶対数が少ないとされます)の解消が必要であり、さらに医師を主にした医療スタッフの偏在もなくす制度が必要でしょう。これらについて、世界の医療先進国に学び、日本に適合した制度をつくることに我々はもっと執念をもたなければと痛感します。