寒中に野の菜を摘んで

伏流水が湧き出る我が家前の河川敷。その湧水の流れ筋には所々に上流から運ばれ堆積した栄養豊富な泥溜まりがあります。いわばそこは自然がつくった小さなセリ田、クレソン田みたいなもの。泥溜まりですからそこにはノゼリやクレソンがよく育ちます。

小さな池を見るような所々の淵には川ザッコ(ウグイ)やニガッペ(アブラハヤ)もいて、寒中なのに彼らの群れがよく見えます。カワセミやヤマセミに狙われ易い淵ですが、群れは夏も冬もよく生き残っています。

きのうは久しぶりにその河川敷を散策し、まるで春4月のような雪の少ないなかでノゼリとクレソンを摘みました。

暖冬の村。集落のいずこにも、地面の多く見える雪のない不思議な寒中の景色が広がり、それは雪寄せしなくてよい今朝も同じです。

▼きのうは村の農業担い手組織「田畑会」による恒例の「農業を語るつどい」へ。

つどいでは、横手市雄物川町東里で水稲12㌶と花卉(トルコキキョウ16.5㌃、カンパニュラ6.6㌃、ラナンキュラス6.6㌃、フリージア2.3㌃)を栽培する高橋茂樹さんによる講演がありました。

高橋さんは長い間、冬は村のジュネス栗駒スキー場の季節職員としてパトロール部門で働かれ、村のスキークラブの一員として子どもたちへの指導などでも力を尽くしてこられた方です。

本職の農業はご両親と妻の4人による経営で、これは国連がめざしている「家族農業」を地でゆく秋田型とりくみの典型です。高橋さんご一家は、水稲とともに雄物川の条件に見合った花卉の複合経営を主軸にし、それに冬期間の一時給与所得を合わせて家族農業を確立しています。

わが村内にも経営の内容はちがいますがそういう組み合わせで家族農業を成り立たせている方々がおります。集いの参加者それぞれが講演から学ぶことは多かったと思いますが、家族農業でがんばっている方々、これからがんばろうとする方々にとってはとくに励みとなったお話だったと思います。