お正月に食べ頃のバッケ

私たちは、自然や社会のごく平均値をとらえて、その平均値からはみ出た現象や存在を「あたりまえでない」として、異常とか異端とか見がち言いがちです。

でも、たとえば自然現象のひとつである日本の四季、たまにおきる平均値からはずれる気候変化などは、ある程度長い時間の物差しをあててみれば、そんなに驚くことでないというふうに当方などは思います。ただ、温暖化など人為によっておきる自然現象は例外ですが。

今冬これまでの比較的雪少なし天候も、よくみれば10年、20年、30年、あるいは50年~100年単位でみれば時々あること。必ずおきる地震と同じで、こうした大気の変化も必ずあることで、人類史というもっと長いスパンで自然のうつろいをみたならば、平均でないこともふくまれて、それこそそれが「自然というもの」ということができるでしょう。

以上の前置きをしたうえで、平均値の冬に慣れている私が、過ぎた2日、「おっ」と足を止めた対象を目にしました。それは真冬に食べ頃のバッケ(フキノトウ)。

CIMG1799-1CIMG1798-1
CIMG1800-12日にノウサギの写真を撮った小沢の上流部には清水が湧き出ていて、まだ土が露わな湧き口につぼみを開いたバッケが。県内でも沿岸部や雪の少ない地方なら時々あることですが、豪雪の村で真冬にこういう春の姿をこの山で見せるというのは稀なことです。これまで暖かった今冬を象徴する小さな自然の営みが、おそらく村のあちこちで観られたはずです。

三が日のうちに手にした食べ頃のバッケ数個はテンプラの好きな妻へのお土産に。早速大勢がそろったお正月の食卓で「とてもおいしかった」と食されたようです。こんなことは、わが家でははじめてのことです。