80歳を超えりんごづくり

県内ではりんごやさくらんぼの産地として名高い県南部の平鹿や湯沢雄勝地方。ここではりんごの年内出荷作業が大詰めをむかえています。

寒暖の差もあってかここのりんごはとても美味。特別に広告などの媒体で宣伝をしなくても口コミで「美味しいりんご」の評価が全国に広まっています。

御年80歳を超えるりんご専業農家のYさんもこの地方の篤農家のおひとり。Yさんは、「今年は、作が良かった。出荷もあと少しで終わる」と語っていました。

ほかの産地とちがい豪雪地帯でのリンゴなど果樹栽培は、雪という自然との特別のたたかいがあります。1㍍をはるかにこえる積雪の下で冬の間に雪の被害から果樹をまもるのはほんとうに大変なこと。果樹農家のみなさんはそれを何年も繰り返し、数年に一度は甚大な豪雪被害に遭いながらも産地の名をまもり生業を発展させてきました。

村と隣接するこれらの果樹地帯にはそれぞれに縁戚関係が多く、そうした努力を私たちは身内としてもよくわかっているだけに、りんごを食べる時は農家のみなさんの苦労がふと頭にうかびます。

▼今年も積雪が1㍍をはるかにこえ、わが家はきのうで3度目の雪下ろしを終えました。積雪が増すにつれ、成瀬川も少しずつ川幅を狭くする季節です。

ボンボラ(カボチャ)で健康に

冬至を過ぎたのでいよいよ厳寒と豪雪の季節入りです。でも、日の長さが少しずつ増してくるので気分はいくらか明るくもてるようになります。

わが家の食卓には自家栽培のボンボラ(カボチャ)が毎日のようにあがります。きのうは冬至、とりわけ健康への思いを込めてありがたくごちそうになりました。

食べ物といえば、この季節は秋田名物のハタハタです。今年は例年になく接岸が遅く、今のところは北と南で漁獲にもかなりの差があるようです。全体としては量が少なく、店頭のハタハタはかなりの高値で以前のようにしょっちゅうは口にできません。わが家では、少し前に沖合で捕れた比較的安値のブリコ(卵)ハタハタを冷凍していて、それで時々の秋田らしい魚食を味わっております。

ご飯には、時々ヤマイモのエモゴ(芋子・ムカゴ)が炊き込みされ、それでも食にちょっとしたアクセントをつけ冬の食を楽しんでいます。

生きものたちをささえる柿の実

相変わらず雪下ろし作業に明け暮れの日々です。あれをやりこれをやりなので、いっきに集中しての作業ができず、今日で2回目の雪下ろしをやっとすべて終える予定です。

今日は冬至。1㍍以上の積雪となり、村や奥羽深山のクマ公たちは越冬穴にはいったでしょう。例外はいるでしょうが。

昔なら、カラスなど野の鳥たちも次第に食べ物が枯渇してくる季節です。でも今のカラスや鳥たち、獣たちはまだまだ食べ物が豊富にあります。彼らの食を豊かにささえる筆頭格はもぎ取られなくなって久しい柿の実。

以前なら考えられないことですが、どこに行っても、もぎ取られない柿の実がたわわに実っていて、寒気で渋がぬけ実はどんどん熟しています。柿の実があるうちは彼らも安心。それに雪降る前にどこかに蓄えてあるのでしょう、クルミを咥えて道路に運ぶカラスもまだ時々見られます。

柿の実はテンも大好物。真夜中、早暁、まれに日中もと、柿の木に登って実を食べるテンの姿が見られるのも今の季節です。

やはり2回目の屋根上がり

週末には3度目の強い寒気襲来が予報されましたので、「その前に済ませておこう」と2回目の雪下ろしにきのうとりかかりました。きのうはとりあえず住宅だけ、残りの農機具格納庫や車庫、農作業小屋などは今日以後になります。

わが集落のきのう朝の積雪計(役場から依頼された方が、毎朝、地域交流センターゆるるん前で計測)は130㌢。わが家はそれよりちょっと多めで、先日一度下ろした屋根なのに「またまた60㌢はあるなァ」と語りながらの作業です。

黙々とした作業なので、雪下ろしではラジオをよく聴きます。こういう時は、かっては難聴だったNHKラジオ第一放送も今はとても電波がよく入って聞こえ、番組の選択肢が増えています。

実は、村で公共放送のNHKラジオ第一がよく聞こえるようになったのは、毎年行っていた村と議会の政府や国会への要望活動がきっかけでした。難聴の現状改善を求める要望活動の内容が国会の委員会審議で取り上げられ、当時の関係大臣やNHK会長出席の下で質疑応答が交わされました。その後に急きょFM波による放送が構想され、村内矢櫃にそれ専用の電波鉄塔が建設されたという経緯をたどっています。その大筋は今年刊行された村の新しい郷土誌にも綴られています。

以前にもこのコーナーで記したことがありますが、このとりくみが全国の先進事例として注目され、その後、NHKラジオ第一の全国的な難聴対策に一定の影響をおよぼした歴史があります。防災の上でも、公共放送のNHK第一は欠かせぬ情報手段で、おかげで、昼も夜も、とくに夜の長い冬はラジオを聴く時間が夏よりずっと多くなるという訳です。

年末年始のいろいろな公的発行物へのごあいさつや行事あいさつの原稿もほとんど書き終えました。そんな訳で、ここしばらくの私の頭と体は「雪とどうむきあうか」に注がれます。

2年前の12月は異常な大雪で、20日現在のわが集落で2㍍を少し超える積雪となりました。それよりはまだはるかに少ない雪ですし、今朝は久しぶりに除雪車の出動も無しでした。このまま並みクラスの冬であってほしいと願う日々です。

村に雪害警戒部設置

きのう午前9時、村は雪害警戒部(部長・高橋弘克民生課長)を設置しました。

19日朝で役場所在地の積雪98㌢、わが集落で126㌢などと一気に積雪が増えたため、村民に注意をうながし雪害防止にむけて備えるための措置です。

村内で雪下ろし作業にともなうとみられるいたましい死亡事故がきのう発生しました。村の防災無線も雪被害の防止を強く呼びかけています。雪除け作業の多くは高齢者が担っています。お互い、念には念を入れて作業にあたるようにしましょう。

▼きのうは広域市町村圏組合の12月定例議会が開かれました。案件は、職員の定年を現在の60歳から65歳に引き上げるための条例改正案(2年に1歳ずつ引き上げ令和13・14年度に65歳とする)や、これに合わせ、60歳を超える職員に係る給与に関する特例措置の条例改正案も提出されました。

また、燃料費や光熱費増、債務負担行為など一連の補正予算案も提出され、議案はいずれも可決されました。これで今年の議会関係の会議はすべて終えました。12月ですので、年末懇談会のご案内をいただいた団体もありましたが、新型コロナ禍の拡大傾向を考慮し出席を見合わせたところもあります。のこる公的な会議は26日の県都市計画審議会のみとなりました。

議会も恒例の年末懇談会を今年は開催しないこととしております。夏場と違い雪と本格的に向き合う季節です。議会も、役場も、そして除雪体系全体も万全を期し豪雪にそなえる上ではコロナへの感染防止はひときわ大事となります。

今年も雪害警戒部が早くも設置されました。長期予報も「雪は多め」を告げていて、今週末はまたまた強い寒気の襲来も予報されています。「豪雪は災害」とも言われます。豪雪の村のあとひと月半ほどは、普通の時とはちがう時なのだということを考えながら行動計画をたてなければと心しているところです。

まずは一回目の雪下ろし

16日(金曜日)に12月定例会議を終え、通年議会は閉会となりました。

その日の午後にはジュネス栗駒スキー場の安全祈願祭へ。その時点で積雪70㌢ほどはあったでしょうか、それでも安全な滑走を保障できるような雪状態ではないらしく、オープンは24日と予定されているようです。土、日曜と猛烈に積もり1㍍をはるかに越える積雪でしょうから、こんどは運行予定のすべてのゲレンデで滑ることができるでしょう。

さて、こちらは、金曜日朝までに積雪が60㌢を越えたので、土・日の二日間は家屋や農機具格納庫などに上がり、今冬一回目の雪下ろしに動きました。今日の午前も格納庫などの雪下ろしで屋根の上の人になりました。

雪下ろしは普段動かしていない筋肉を使うので、作業を終えた日の夜や翌朝は久しぶりにあちこちの筋肉が痛みました。以前とちがって村内の家屋の多くは雪下ろしをしなくて済む構造になっていて、わが家のように屋根に上がる家は年々少なくなっています。

雪下ろしは危険もともない70歳を越えた者にとってはなかなかきつい作業。でもそんな難儀なことばかりを考えていると気が滅入るので、こちらは毎年冬をむかえ屋根に上がる度に、「雪下ろしは運動不足の冬に最適の作業」とプラス志向で冬を越すようにしています。

それにしても降るわ降るわ。土曜日に一度下ろした屋根も今朝にはまたこんなに積もっていますから、もう二回目の下ろし作業に入ってもよくなっています。この調子だと、12月中に3回もの雪下ろしの冬となるかもしれません。いつの年でも雪のえったで降り(一気降り)は危険と隣り合わせ。みんなで事故や水詰まりに気をつけあいましょう。

今日午後は、湯沢雄勝広域市町村圏組合議会の12月定例議会です。

冬本番突入

昨日からの寒波で道路除雪や自宅周りの除雪作業も冬本番入りです。今年は、1日の初雪がすべて解けきらないうちに根雪の季節入りです。

すでに今朝のわが家で積雪は50㌢超え。降雪は続き日曜はまた大雪のようですので、来週はこの冬1回目の屋根雪下ろしを覚悟しています。

今日は村議会12月定例会議の最終日です。1月4日に開会した通年議会は今日で会期を終え閉会となります。新年は、1月4日に議会が招集される運びです。

午後にはスキー場の安全祈願祭へ向かいます。この雪の降りようをみれば、17日の営業開始予定日には一部ゲレンデの滑走ができそうですが、どうでしょうか。

深山渓谷はいよいよ「山眠る」とき

以前の私なら、写真や山菜・キノコ採り、林や谷歩きでもっとも多く通ったのは胆沢川流域の渓谷でした。

しかし、東日本大震災後、山菜やキノコ類などへの放射能汚染がいわれるようになり、それら汚染地域(主に東北南部太平洋側)での採取が種によっては自粛がもとめられることがありました。隣接する県の南部などではとくに野生キノコについてそれが今なお続いている地域もあります。残念ながら胆沢川流域も多くがその該当地域に入るようで、そういうことがあってこちらも10年近く胆沢川流域への夏季の山入は焼石登山を除けばほんとに少なくなっています。ただ、同じわが集落に隣接の地でも、南本内川流域は採取自粛の対象地域ではありません。北寄りなので放射能汚染は比較的少なかったからでしょう。

原発事故による放射能汚染は、福島の方々へをはじめ深刻な生活破壊を及ぼし人々の安寧な暮らしを奪い脅かし続けています。それに比べれば山菜採取の是非などは些細なことですが、でも、自由な暮らしが放射能汚染によって制約を受けるというのは我々もまったく予想しなかったことで、山入りしてきた多くの人々にとってその自由が制約をうけたのは驚きでした。山菜採りを生業とされている方で、これら汚染対象地域に山入りされていた方などは生活にも少なくない影響があるはずです。

さて、前置きが長くなりましたが、そんな放射能汚染の背景があって、こちらの山菜やきのこ採りの山入先は大震災以後主に村内の山だけに限ることとなりました。そうした中でこちらがいま最も多く通うのは合居川渓谷の国有林です。

国有林では、合板材、漆器、製函、パルプ用としての素材生産とともに、集落の「組合組織」によるその跡地伐根などへのナメコ栽培もかつて長く行われました。素材の生産・販売は払い下げを受けた業者の手によるもので、わが家は長い間その業者のひとつでした。

そんなこともあって、ブナ材の伐採・搬出(搬出はワイヤーロープによる架線張方式)に従事したこちら(架線技士として主に集材機の運転作業に従事)は、合居川にも度々作業に入りました。それに加えて、山菜やキノコ採りでもこの谷は「地元の山」として慣れ親しんだところ。さらに、狩猟免許をもってからはクマ狩りで最も多く山入りしたのも県境に接する最適の猟場のこの地元の山・渓谷でした。

それもあり、あれもありでとにかく慣れ親しんだサンサゲェ(三界山)の裾を源流とする合居川の谷と尾根。谷は雪崩の常襲地帯。昔から積雪期はマタギたちさえもいっさい入らずの危険地帯なので雪の12月はいよいよ「山眠る」の季節入りです。天正の滝界隈や柱状節理の名勝「いずくら」の崖上部には冬眠前のクマたちがまだブナの実を食していて、谷入り口から滝展望台近くのトイレ(冬季閉鎖)周囲をふくめ、それらのクマたちがそこ らじゅうをうろつき大きな足跡をのこしていました。

ブナの実豊か雪少なくクマの冬眠遅し

19日に広域市町村圏組合議会の定例会があり、その議案説明を昨日午前に受けました。

週間天気予報は14日には猛吹雪、以後も連日の降雪を知らせましたので、「積雪前の最後のブナの森へ」と集落近くの渓谷に入りました。目的は、ブナの実を食べているクマを目にすることです。

昔から村のマタギ(狩猟者)たちは「冬至(今年は22日)までにクマは穴に入る」と言いました。が、それはいわば一般論で、「食べ物の少ない年は穴入りが早い」ともされ、逆に今年のようにブナの実が豊かな年は、少々の積雪があっても雪さえ除けられてブナの実を食べることができれば「穴入りは遅い」ということを長年クマの習性を見続けてきたマタギたちは言い伝えてきました。

今年はそのブナの実が豊かで、しかも日向の急斜面は積雪も少なく落ちたブナの実が特定の箇所に多く溜まることもあってクマはそういう場所に多く集まります。新雪を掘ってブナの実を食べるクマもいますが、今年は12月ももう半ばなのに積雪が少ないので、雪を掘ることなく豊富なブナの実を何の不自由なく食べられるというわけです。

きのうは、そういう状況を敏感に覚ったマタギのAさんがこちらより先に渓谷入りしていました。ブナの実を食していたクマをすでに1頭発見し双眼鏡でながめていました。かなり大きなクマで、発見箇所の崖と川をはさんだこちら側にはそのクマらしい新しい大きな足跡もあります。そうこうしているうちに、そのクマから数十㍍ほどの所にもまた大きなクマがいるのを発見。親子ではなくその2頭はまったく別々の大きな成獣個体です。

この斜面はクマが食事でよく寄りつく崖林で、その後、やはりマタギのBさんとCさんもかけつけ、Bさんがそこから50㍍ほど離れた箇所でクマを一頭また発見。さらに幾百㍍離れた箇所でBさんが小さな一頭を目にするなどで、急斜面はクマの銀座のようににぎやかでした。この日はクマまでの距離が遠すぎて捕獲はできず、みなさんも私も、姿が長い時間見えなくなったり短時間現れたりのクマを5時間以上眺めての帰りとなりました。

こちらは双眼鏡も三脚ももたずで確認は肉眼とカメラの望遠のみ。よってクマの動きは肉眼でしか追えずでしたが、かろうじてカメラにはクマの姿がおぼろげに入っていました。

きのう夕方からは雨が激しくなり、今日は大荒れのお天気で大雪が予報されています。なので、このクマたちもさすがにもう食事をあきらめ昨日のうちか今朝冬眠穴に入ったか、あるいは入る穴に向かって移動の真っ最中でしょうか。近くには、こちらが知っているだけで上等な冬眠穴が3つもありますから、そのうちのどれかに落ち着こうとクマが居を定めた可能性も高しです。でも、今年は食べ物が豊かだから少々の雪など彼らにとっては何の苦にもならず。いましばらく雪をかき分けブナの実を食べ続ける個体もいるでしょう。クマのもつ生命力の強さをあらためて感じさせられた13日の「クマ銀座」模様でした。

本会議2日目一般質問など

12月定例会議2日目のきのうは、3議員による一般質問と陳情審議があり、後の予算特別委員会では補正予算案の審査が行われました。

一般質問は、議案の質疑とならんで議員のもっとも重要な仕事です。質問権(一般質問、緊急質問)については我々議員が活動の手引き書にしている「議員必携」(全国町村議会議長会編・学陽書房)にも「町村の重要な意思を決定し、住民に代わって行財政の運営を監視する権能を有する議会の構成員である議員が、行財政全般について執行機関の所信や疑義をいつでもただすことができないとその職務を十分果たすことができないから、議会固有の権能としてあたえられたものである。」と記されています。

「議員必携」はさらに、「質問の範囲は、その町村の行財政全般である。」とし、この質問と議案への質疑の区別を明確にし、「この質問に対して、質疑は、現に問題になっている事件に対する疑義の解明であって、その点が質疑との根本的な相違点である。」とも述べています。また質問を行う目的と効果についても、「……所信をただすことによって、執行機関の政治姿勢を明らかにし、それに対する政治責任を明確にさせたり、結果としては、現行の政策を変更、是正させあるいは新規の政策を採用させるなどの目的と効果がある。」とのべ、議会全体で問題点の解明が必要な場合は検査・検閲権、委員会の調査権行使などにも触れています。

続いて「議員必携」は、質問の効果や質問の取扱いをのべた後に、質問の要領までも詳しく記しています。要領は、その留意点のひとつとしてたとえば「……。質問内容が単なる事務的な見解をただすに過ぎないもの、制度の内容の説明を求めるもの、議案審議の段階でただせるもの、……など、一般質問としては適当でないものも見受けられる。」として質問の内容についても、議員として考慮すべきことがていねいに記されています。そして要領の終わりの部分で「必携」は「質問であるからあくまで質問に徹すべきで、要望やお願いやお礼の言葉を述べることは厳に慎むべきものである。」とも述べています。

私も27年前から8年間毎議会の一般質問に立った時、あるいは議案審議の際、この「必携」でのべられているようなことにも心がけ質問や質疑にのぞんだつもりです。しかし、後に会議録などを読めば反省すべきところ、不十分な部分が少なくなく、その都度、「今度からはここに気をつけよう」とふり返りながら議論に臨んだことを今も時々思い出します。

いずれ、議員はこれらの手引書をも参考にしながら議論にのぞんでいるでしょう。自らの質問や質疑がそれらに照らしてどうであったか、この12月議会でもみなさんそれぞれ質問・質疑を振り返りつつの日々と思われます。あらためて、質問や質疑にのぞむ心がけを私ももう一度つかみ直したいと思いまして、あえて「議員必携」の叙述を今日は多く引用し載せた次第です。