昆虫2種

CIMG0014-1最近目にしているふたつの昆虫を今日はとりあげてみました。

ひとつは、県南地方や村の人々に、とっても嫌われている大発生の毛虫。毛虫の名はマイマイガという蛾の幼虫。強くはないようですが毒をもつ蛾です。

昨年、突然に県南地方を主に大発生、村でも電柱などに産みつけられた卵の除去などをおこないました。しかし家屋の壁や樹木などに産卵し駆除しきれなかった卵からこの初夏に幼虫がまたもや大発生。毛虫の苦手な女性や子どもたちはもちろん、この毛虫が毒蛾ということもあって、思わぬやっかいものの登場に「まいった、まいった」の声が聞かれます。

CIMG0009-1昆虫界はわれわれの知らないことがあまりに多く、この毛虫は蜘蛛のように糸を出してプラーンと垂れたり上がったりできる毛虫。成虫ならまだわかりますが、毛虫が糸を出し、その糸を自在に操るのですからたまげてしまいます。なんと技の巧みな毛虫で、私は、この虫が蜘蛛のように糸を体にとりいれながら上昇するうごきに感心してしまいました。

CIMG9986-1わが家のまわり、ケヤキなどの樹木には毛虫がまだまだいっぱい。毎日毎日、壁にはりついている毛虫、軒下をモソモソ動いている毛虫、糸で垂れ下がり風に揺れている毛虫を捕ってはつぶし捕ってはつぶしがつづいています。一日経つ毎に虫は大きくなり、つぶすと「ブチュッ」と音がして、匂いもあり、気持ちはあまりよくありません。妻は、ちょうどアネコムシ(カメムシ)を捕るようにペットボトルを使い、毛虫なので中に水を入れて本格的な駆除仕掛けで虫退治にむきあっています。

ブナの葉っぱを食い荒らすブナハムシもそうですが、このマイマイガも含め生態系にどんな変化があって大量発生がこうして突然におきるのでしょうか。今日から始まる6月の議会定例会議の補正予算案には、学校施設などのマイマイガ対策費用も盛られています。

CIMG0023-1CIMG0022-1▼もうひとつの虫は、毛虫とは天と地ほどのちがい感覚をもてるタノクロアゲズ(田のクロアゲズ。クロは畦のこと。シオカラトンボです)。

泥の多い昔ながらのヘギ(堰・水路)や、年間を通して水が蓄えられているセリ栽培用のたんぼ、昔風にいえばナシロ(苗代)などはトンボたちの絶好の産卵地。初夏、ここで産まれたトンボが羽化し始めたのです。

トンボも虫、でも虫というイメージではなくこちらはあくまでアゲズ(トンボ)。しかも、人間にとっての害というものをほとんど私たちは知らず、こちらに抱くのは幼児期に遊んでもらった郷愁のみ。そのシオカラトンボがナシロの中で卵を産みつけています。

さてマイマイガとその幼虫です。こちらも自然界で役割の一つを担っているでしょうが、小鳥たちの餌となるほか、どんな益をこの毛虫は生態系にもたらしているのでしょうか。

「ここは、オレの棲む山だぞ」の皮剥ぎ跡

5日午前、湯沢雄勝農業者大会が20日に開かれるのを前にしての最後の幹事・実行委員の合同会議へ。午後は国道342号に関する期成同盟会の件で一関市役所のみなさんがおみえになり同盟会の監査。昨日午後は、地元選挙区出身代議士の国政報告会へ出席。

342号はわが村を経て岩手・宮城の三陸沿岸を結ぶ重要ルート。東日本大震災の復旧復興でも人の往来、物流の要として大きな役割をはたしました。三陸沿岸、仙台圈、平泉などから須川温泉につながる観光道路としての役割も大きく、岩手側の山岳ルートの改良が進めば、栗駒登山、須川高原と須川温泉の観光を楽しめる方々はさらに増えるでしょう。

農業者大会を準備する会議前「サクランボの色づきがこんなに早いのは記憶にない」などと、サクランボ農家のあいだで話題になっていることが語られました。

野も山も、春以来の雨少なし天気で草木の成長がとても早くすすむ年となっているようです。たとえば山も、いつもならこれからまっ盛りとなるタケノコが、もうほとんどの採り所では盛期を過ぎ、今は雪解けの遅いごく限られた範囲や標高の高い山に向かわないと上質クラスは採れなくなっています。

週末、こちらが向かった村内のブナ国有林も同じで、雪の吹きだまりが遅く残っている箇所にかろうじて食べられるタケノコがあり、ほとんどは立って(過ぎて)いました。

CIMG9970-1目立つのはクマの足跡と糞、立ち止まってタケノコをまとめ食いし残した皮の跡。「おっ、これは最高級がありそうだぞ」とようやく太いタケノコを目にしても、そこはほとんどクマにお先に食べられています。かれらは、タケノコ山の具合をよく知っています。

盛りのタケノコがあるところ、太い高級品があるところにはクマが棲みついていると思ったほうがよさそうです。もし新しい食べ跡があったら、そんなに離れない場所で彼らは休み、人の声を聞いているはずです。プロの山菜採りの方々、クマの恐ろしさを知る方は、こういう時は声を出し、その場からなるべく離れます。

タケノコを食べながらでしょう、サワグルミの木の皮をいまいま鋭い爪でバリバリに掻き剥がした痕も目にしました。糞の跡もそうですが、「ここは、オレの山だぞ、気をつけろよ」といわれているような、そんな爪跡です。越冬穴に入る直前の初冬や、冬ごもりから出た直後ならよく木の皮を剥がした場面を目にするのですが、初夏の今、こんな仕業をなんで行ったのか、何かクマさんにとって気にくわぬことがあったのかもしれません。

CIMG0001-1CIMG9974-1▼さて背にしてきたタケノコが到着したわが家。タケノコは妻がすぐに瓶詰め作業。冬は、サグ(エゾニュウの仲間)などといっしょに「でごじる(無理してたとえれば、おでんみたいな料理)」の欠かせぬ具としてわが家の食卓に再登場します。
▼村はガザキ(タニウツギ)の花がまっ盛り。まれに白花のガザキも目にします。

6月定例会議の準備をととのえて

議会事務局提供
議会事務局提供

6月定例会議の日程を決める議会運営委員会と、議案説明や各課の重要な所管事項の説明を受ける全員協議会が昨日開かれました。

会議は9日にはじまり、10日は一般質問(3議員による)と請願陳情審議、予算特別委員会、12日に議案審議というはこびの予定です。

議会運営委員会をはじめ各委員会も新たな体制で本格的なしごとのスタートをきりました。運営委員会は改選前の議会から引き継ぐことになったいくつかの改革課題について、負託をうけしごとをすすめることとなりました。常任委員会も、通年議会の積極性をいかした活動のいっそうの強化がはかられることになるでしょう。

新人議員が二人となったことや、新副村長、新課長と、会議には新鮮な雰囲気が漂います。こちらも、再任とはいいながら、みなさんと同じように新たな心構えで定例会議にのぞむ覚悟です。

村の振興発展のために議会がはたさなければならない役割は山のようにあり、きのうもいくつかの点で課題意識の共有を議員間ではかりました。「さあ、いよいよ本番スタート、10人の総合力でがんばるぞ」です。

CIMG9961-1▼妻が花卉栽培の農業先進地研修でお世話になった館山市のSさん宅からビワの実が届きました。今年は昨年より早いようですから、4月~5月の好天でビワの熟れがいつもの年よりも促されたのでしょうか。ここらあたりの店頭ではめったにお目にかかれぬほどに大きな実で、季節のひと区切りとなる初夏の味覚をおいしくいただきました。

村内をまわる、まわる

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先に提出されていた各部落・自治会から出されていた地区要望について、その現場を視察する議会常任委員会と村当局の合同の行動がきのうおこなわれた。

住民の政治要望の提出については、大きくくくれば憲法に定めがある請願権(陳情などもそれに準ずるとしてわが議会などはあつかっている)がある。しかし、わが村の場合、歴史的には、大きな政治課題などがあった時や、部落要望というかたちだけにとらわれず議会に直接「請願・陳情」した方がよいと関係住民が判断した時など、個別に陳情などが提出されたことはあるが、村の施策について請願や陳情が提出されることは極めて少ない。

それは、村や議会が、先のような要望を部落・自治会のまとまった声として受けるしくみを長年とり、それに対してていねいな対応をしてきたからと思われる。いわば、請願や陳情に代わる大切な手段として「部落・地区要望」に対応し措置してきたからではないか。

これまで地区要望の多くは、道路、用水路、側溝、流雪溝、地区集会所、地区の備品や機器の整備、街灯、水、雪、諸々の生活環境整備や生活安全対策などであった。ところが、今回は、村の重要な政策展開と係わるハードとソフトの両側面を内包する要望が「地区要望」のひとつとして提出されたところもあった。

こういう事例がいつかはあがると見越していたが、議会として、今後にむけた課題として今回の事例をよく検討し、的確な対応策を講じなければならないだろう。

▼前述の村内視察とそれにもとづく視察後の講評までふくめ一日を費やした。ただ、こちらは午前は別の行動で村内を回った。

実は、同じ昨日、全国農業会議所の全国農業新聞編集部次長さんが村に取材に入られ、そちらにおよそ2時間半近く対応することになったのである。

取材の目的は、遊休農地の未然防止や解消のために村がとりくんでいる「ワラビ栽培」について、そのとりくみの内容と、村の農業振興策について農業委員会や個々の農業委員が果たしてきた、あるいは果たしている役割などをたずねることであった。

村が展開している農業振興策の一例を説明し、ワラビ栽培地と指定管理施設のいくつかの箇所をご案内。村と農業委員会がめざしている村農業への抱負の断片を少し語りました。

天然シイタケとヒラタケ、山神様からのごほうび

CIMG0003-1CIMG0001-1CIMG9930-1CIMG9932-1先日紹介しました、今年はじめて山菜採りに入った田植え過ぎのブナの森のこと。あるミズナラの老木が数年前に倒れていたのを毎年ながめていましたが、今年、その横たわっていた枯れ巨木の枝にシイタケがはじめて出ていました。天然ですからこれはうれしい。山神さまからのごほうびをいただいたような気分になりました。

深山では、朽ち倒れて雪崩れなどで運ばれたミズナラの巨木に、春と秋の二回、天然のシイタケが発生しているのを時々見かけます。その機会はそんなに多くないのですが、一度発生する木に出会ったらしめたもの。それから何年かは、相手が巨木だけに、まれに大収穫の幸運に恵まれることもあります。

ミズナラの巨木の多くは、マイタケ菌によって冒されことが多く、そんな倒木の根元にはしばらくの間マイタケが発生することもあります。倒れても、根元にはマイタケ、幹や枝にはシイタケ、ナラタケなどなど、ミズナラも、山の幸を求める人々にとってはなんともありがたい樹木です。

春と初夏の季節は、シイタケとともにワゲ(ヒラタケ)とも出会える時。こちらは主にブナの枯れ木に多く、春一番に発生するヒラタケは身が厚く、形も味も特上級。味噌汁でごちそうになりましたが、その出し味の見事なこと。天然シイタケ、ヒラタケ、これだから、山歩きはやめられません。

ひと昔を経て咲くボタン花

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里に春を告げた小花たちにかわって私たちの目を楽しませてくれたフジやツツジの花も終わりに近づき、今はガザキ(タニウツギ)や、その木陰にひっそりと咲く純白で気品あるヤマシャクヤクが見頃です。

CIMG9923-1CIMG9918-1CIMG9887-1CIMG9922-1高原の須川温泉地ではタムシバやムラサキヤシオツツジの花がまっ盛りで、まだタカネザクラも花姿が見られます。これからはサラサドウダンやツリガネツツジが次々と開花し、イワカガミも見事な花群落を見せるでしょう。みんな、高原の絶景をながめながら浴衣姿でも観賞できる花たちで、須川高原温泉や、わが栗駒山荘の温泉を楽しむ方々への自然からのごほうびが高原には満載です。

写真のサラサドウダンは、わがたんぼ脇のご家庭が植えている庭樹。

私は、できれば妻と毎年通いたいと思っている栗駒山麓のシロヤシオツツジ(ゴヨウツツジ)群落に今年は向かえないでしまいました。今年の花の数はどうだったのでしょうか。

CIMG9899-1CIMG9903-1わが家のボタンも満開です。今年は花の数が例年より多いようで、これらの種にも何か花の多少に隔年性があるのでしょうか。ボタンは、島根の牡丹島から直接苗木を買い求めてきたもの。市町村合併前のことですから10数年前になりますが、年々、株はたくましくなっています。

このボタン花を目にする初夏は、平成の市町村合併前の管内旧町村をどうしても思い出してしまいます。もう10年という歳月がながれました。我々には、県内市町村の様々な指標は25市町村の大くくりでしか知ることができませんが、合併前の旧市町村ごとに分解した各指標の分析などにも、国や県、マスコミなどをふくめもう少しとりくまれれば、合併の検証に大いに役立つだろうと私は思います。

タケノコもやはり早い

CIMG9908-1CIMG9910-1予想したように、いつもの年より一週間以上早く今年のタケノコ採りシーズンがはじまっています。

いま顔を出しているタケノコは、同じタケ藪でも主に季節風が強くあたり積雪が少ない西むきの山や雪崩れ跡で、品質でいえばB、C級。まれにBに近いAクラスもみられますが、Aや特Aはたいがい風で雪が多く運ばれる東むきの窪地や斜面、土深の箇所に多く、それら高級品は月半ば近くに最盛期となるでしょう。

冬や春に雪の山を歩くこちらは、タケノコが早く顔を出す雪の少ない箇所がだいたいわかります。土曜日の昼近く、山の様子を見ながら通いなれた村内国有林のタケノコ山に入ったら、もう早朝から出かけてきたのでしょう先客さんの車が幾台かあります。

こちらが入る山にはどなたもおらず、タケノコはもう伸びすぎたのがあるほど。この時期にこんなにタケノコの成長がすすんでいるのは何年ぶりでしょうか、めずらしい年です。

栗駒山麓・須川温泉周辺のタケノコ山へもすでに県外の方々の車がみられます。ということは、なければよいのですが、タケノコの発生にあわせて今年のタケノコ採り遭難は例年より早くはじまる可能性もあるということ。それを裏づけるようにすでに県内のタケノコ山では各地で遭難がおき始めていますから、捜索・救助にあたる関係機関の方々の緊張と難儀の日々が続きます。

このシーズンになると毎年同じようなことを記しています。山をある程度知っているつもりの当方も、霧が濃く風の強い日のタケ藪に入ったら、まわりはみんな同じようなブナと笹の海、自分がどこにいるのかわからなくなります。それが平地だとなおさらで、ちょうど吹雪の山のホワイトアウトと同じ状況におかれます。地形の特徴をつかんでいればなんとか藪から脱けられますが、霧がなくても、笹の海は遭難の巣のようなところなのです。

いったん「しまった、迷った」と思ったら、人は冷静さをなかなか保てず、正常な判断ができないまま焦って歩きまわり、結局戻るべき地点とはまったく別方向に向かうことがあります。最悪の例は、やぶ漕ぎに疲れてしまい、笹やぶを避けようとして笹のない沢に入り下ってしまうことで、深山ですから、沢の途中にはほとんどの場合下りられない滝があり、それを迂回しようとして崖から転落したり、疲れてしまい、往くも戻るもできない深い淵や崖に阻まれ立ち往生もあります。ブナの葉が厚く、丈のある笹藪の中にうずくまってしまうとヘリからもなかなか発見されにくく、時に最悪のケースがおきるのです。

タケノコ山は、この時期のクマが主食を摂るところ。クマにも個性、気性、気質のちがいがあり、不運となる出会いがないとは限りません。何年か前に、村でもタケノコ山でクマに襲われたケースがありました。みなさん、タケノコ山のこわさを知らない初めての方も要注意ですが、「オレは、ベテランだから、だいじょうぶ」が、最も危険です。要注意を。

県南豪雪地帯のイノシシ、シカの棲息で

CIMG9876-1CIMG9878-127日の東京は湿度こそ低いがほんと真夏。街は半袖姿が主で、研修会場では沖縄の方々の涼しそうな格好と、我々北国のまだ夏姿になりきれない者とのちがいがくっきり。その東京と変わらぬ暑さが続くわが村。暑さのおかげで早苗はぐんぐん伸びている。

北と南ではいろんなおもしろいちがいもお聞きすることがある。大潟村には全国から入植された方々がいるが、同じ村でも、「どちらかというと作業へのとりかかりの早いのは北国、とりわけ北海道出身の方々で、南の方々はあんがいゆっくり派」というちがいが田植えなどにもあらわれるようだ。もちろん地域のちがいなどとは別に人の性もあるだろうが。

また、暑い日が長い南の地方の方々は、「昼休みが長い」とお聞きしたこともある。真偽のほどはわからないが、灼熱の日中は農家などもなるべく外に出る時間を避けるということなのか、なんとなくわかるような気がする。赤道直下の常夏の人々ならなおさらなのか。

▼きのう湯沢雄勝森林環境懇話会の総会が開かれ出席。管内の市町村長、議会の林業活性化議員連盟会長、土地改良区理事長、広域森林組合長、森林管理署の林野労組代表などで構成される組織の会議である。

出席された方々から「農業用水路の水がこんなに早く細くなるのはめずらしい。昔なば、騒ぎ始めだがもしれねぇ」との声が出されていた。雪消の速さ、山の雪の少なさ、5月の晴天雨不足続きが重なって「水の細さ」に話題が及びはじめる初夏となった。

さて、本題の総会の件。議案につづくその他の件で、県内、管内、県南でも棲息が確認されるようになったイノシシやニホンシカなどについて話題を提供させていただいた。県南部のような豪雪地帯で、樹木などに深刻な被害をおよぼすような彼らの繁殖はありえないと思うが、県や国は、この点をどうとらえているかという判断がもとめられる事態展開も予想される。それで、組織とも係わることなので、共通の認識を持つべきと考え発言した。

つまり、2種とも県内であるいは管内で棲息は確認されているようだが(村内椿川では今春イノシシ一頭が確認されている)、繁殖ということからみて必要以上の心配はないのかどうかということである。東日本大震災で、津波が襲った三陸町・綾里湾を見下ろす山でシカ猟をする現場に入ったことがある。北上産地のシカ猟などの山々をみればある程度の積雪(膝あたりの深さまで)でもシカは猛烈な繁殖をしていることがすぐにわかる。

しかし、そのある程度が問題で、積雪2㍍から3㍍のわが村ではまず彼らの生きられる範囲はごく限定される。まずほとんど無理だろう。それに、カモシカとちがって豪雪の中では移動も極めて困難で、そういう角度からみても深刻な被害をおよぼすような規模の繁殖はできないはず、と私はほぼ断言してもよいと思っている。だが、果たして事実はどうか。出羽山地でなら旺盛な繁殖ができるのか。いずれ、専門的な調査を実施していただいて、県民のみなさんが納得できるような科学的見解を早くお聞きしたいものである。

地方自治の本質はなにか

全国の町村議会議長・副議長研修会が26~27日に開催され、東京中野サンプラザに2日間詰めました。

CIMG9866-1CIMG9868-1CIMG9870-1CIMG9871-1CIMG9874-1CIMG9875-1研修会の講演とシンポジウムの内容は写真のようになっています。それぞれ参考になることが多かったのですが、とくに、2日目の青山彰久氏(読売新聞東京本社編集委員)の講演は、地方創生をふくめ国政の本質とねらいをよくとらえたものとして当方には共感する内容にあふれていました。

シンポに出席された北海道福島町議会さんは、わが村に一度行政視察に訪れていただいたところ。議会改革でいろいろと努力され全国から注目されている議会で、わが村議会と同じように通年議会も施行されているようです。

こうした研修会や様々な手段を通じて我々は地方自治のあり方、まちづくりも、むらづくりも、議会運営や改革・活性化についても学びます。その時に私が心がけるのは、地方自治に対する考えの原点を「市も町も村も、歴史的経緯やおかれた条件がみんなちがう。だから、自分の頭でまず、自分の地方自治体はどう運営されればもっとも住民の生活に役立つかをまず考える。そのうえで、参考になることにはおおいに学ぶ」という姿勢に立つということです。つまり、ほかに学びますが、真似が先になるようなことはしないしできないという姿勢です。まず、自らがおかれている現状をよくとらえて、計画立案、行動です。

ともすれば、それが逆になり、自分の頭で考えることが後となり、あそこの市町村(議会)でこういうことがやられたからそれに続け、と00条例づくりにつきすすんだり、形や体裁だけは整えたが、肝心の中身はほとんど発展なしということになりかねないことがあるのではないかと私はみています。要は、自分たちにとって何が必要とされているか、です。

市町村はみんな違うはず。そこにはそこの特徴があり、それを治め振興発展させるのはそこの住民の総力をあげた知恵でありましょう。他市町村との競争とかは本来自治の舞台では無縁であるはずで、むしろ互いにあらゆることで協力しあい、共通することでは先進例に学びながらも、ほかの真似ではなく「自分たちの頭で考えた結論を」導き出すべきです。

自治体発展のカギは、その総力、私はこれをある意味で「広い民度」といってもいいだろうと考えていますが。その一人である自分のこともふくめその「民度」をどう高められるか、自治の力がいまほど試されているときはないような気がします。そういうことも考えて、この間の商工会総会では、「我々は、戦後3つめの大きな試練のときにある」という思いをこめたつもりです。

ゆっくりはもちろんしていられません。わが村はわが村の「民度」の総力をあげ、わが村だけがもちうる特徴を活かした村づくりに励むのみです。憲法にかかげられた地方自治の精神は、そこの政はそこの住民の力で決まる、でしょう。憲法に恥じない自治を、です。

今年初の山菜採り山入り

正味2時間半ほどの合間をみて、今年はじめて山菜をめざし山入りしました。

実は、今年春の山入りはあきらめていたのですが、妻から「毎年、オメの採る、サグとアザミ、おしぃて、いうしと、まぢでらぞ(毎年、貴方の採る、サク・エゾニュウ(中心茎)とアザミ(茎))ほしいと、言う方、待っているはずですよ」「他にも、毎年、サグ、約束しているしと、えるべぇ、あでに、してらんだぞ(他にも、毎年、サク、約束している方がいるでしょう。あなたの採ってくるのをあてにしているはずよ)」と、二連発の勧告を先にうけていました。

こちらはうっかり、そのことを忘れていたのです。「あでにされている」、「約束はまもらねば」の二つで促されて、これは動かないわけにはいきません。そんなこともあっての山入りでした。

里山での山菜採りはすでにワラビに移り、各種の山菜を自由に手にすることができるのはブナの森の深山でも今はほぼ限られています。ましてや雪消の早かった今年です。タケノコは別にして、これからウドなど多彩な山菜を採るとしたら、深山でも雪崩で残雪が遅くまで残るクラ(崖)の下方へハギミ(山菜採りを生業とするプロの方々)の人々は向かいます。

長年、狩猟、クマ猟などで深山渓谷に山入りしたこちらも、どこの時期にどんな所へむかえばめざす山菜が採れるかほぼわかります。ただ、前述したように、なにしろめずらしく今年は一度も山にむかっておらずで、残雪の様子も山菜の様子もわかりません。

CIMG9842-1CIMG9845-1CIMG9848-1CIMG9847-1「まあ、なんとかなるべぇ」で向かったブナの森の通い慣れたクラ。ほとんどの山菜はやはり過ぎていましたが、かろうじて見られる残雪のそばには、めざしたサグもアザミも背にできるほど採れました。まっ盛りのウドもちらほら見られ、ナルコユリなどとともに山のアスパラガスと呼ばれる特上級のシュデコ(シオデ)も手折りました。

奥羽の豪雪深山は、雪消が早いこともあっていつもの年より早くタケノコシーズンが幕開けしそうです。まるで観光山菜園のような広大な野のワラビ山へはすでに宮城の方々が遠路ぞくぞく。これからのタケノコ山へは山形の方々の車が、今年も数珠のように連なる季節を目前にしています。山菜は村の資源、みなさん、採り去るだけでなく、村の温泉やお宿、お店などのご利用をよろしくお願いしますね、です。

▼今日と明日は、恒例の議長、副議長研修会で在京中。毎年のことですが、二人とも、こういう会議などをみながら農作業、田植えの段取りをたて、今年は二人とも田植えを済ませての出席です。