27日の東京は湿度こそ低いがほんと真夏。街は半袖姿が主で、研修会場では沖縄の方々の涼しそうな格好と、我々北国のまだ夏姿になりきれない者とのちがいがくっきり。その東京と変わらぬ暑さが続くわが村。暑さのおかげで早苗はぐんぐん伸びている。
北と南ではいろんなおもしろいちがいもお聞きすることがある。大潟村には全国から入植された方々がいるが、同じ村でも、「どちらかというと作業へのとりかかりの早いのは北国、とりわけ北海道出身の方々で、南の方々はあんがいゆっくり派」というちがいが田植えなどにもあらわれるようだ。もちろん地域のちがいなどとは別に人の性もあるだろうが。
また、暑い日が長い南の地方の方々は、「昼休みが長い」とお聞きしたこともある。真偽のほどはわからないが、灼熱の日中は農家などもなるべく外に出る時間を避けるということなのか、なんとなくわかるような気がする。赤道直下の常夏の人々ならなおさらなのか。
▼きのう湯沢雄勝森林環境懇話会の総会が開かれ出席。管内の市町村長、議会の林業活性化議員連盟会長、土地改良区理事長、広域森林組合長、森林管理署の林野労組代表などで構成される組織の会議である。
出席された方々から「農業用水路の水がこんなに早く細くなるのはめずらしい。昔なば、騒ぎ始めだがもしれねぇ」との声が出されていた。雪消の速さ、山の雪の少なさ、5月の晴天雨不足続きが重なって「水の細さ」に話題が及びはじめる初夏となった。
さて、本題の総会の件。議案につづくその他の件で、県内、管内、県南でも棲息が確認されるようになったイノシシやニホンシカなどについて話題を提供させていただいた。県南部のような豪雪地帯で、樹木などに深刻な被害をおよぼすような彼らの繁殖はありえないと思うが、県や国は、この点をどうとらえているかという判断がもとめられる事態展開も予想される。それで、組織とも係わることなので、共通の認識を持つべきと考え発言した。
つまり、2種とも県内であるいは管内で棲息は確認されているようだが(村内椿川では今春イノシシ一頭が確認されている)、繁殖ということからみて必要以上の心配はないのかどうかということである。東日本大震災で、津波が襲った三陸町・綾里湾を見下ろす山でシカ猟をする現場に入ったことがある。北上産地のシカ猟などの山々をみればある程度の積雪(膝あたりの深さまで)でもシカは猛烈な繁殖をしていることがすぐにわかる。
しかし、そのある程度が問題で、積雪2㍍から3㍍のわが村ではまず彼らの生きられる範囲はごく限定される。まずほとんど無理だろう。それに、カモシカとちがって豪雪の中では移動も極めて困難で、そういう角度からみても深刻な被害をおよぼすような規模の繁殖はできないはず、と私はほぼ断言してもよいと思っている。だが、果たして事実はどうか。出羽山地でなら旺盛な繁殖ができるのか。いずれ、専門的な調査を実施していただいて、県民のみなさんが納得できるような科学的見解を早くお聞きしたいものである。