ブナの森深山の幸も顔を出す

桜の開花が記録史上で最も早かったところが多かった今年。村も、豪雪だった割には春がいつもの年より早く訪れました。

桜やほかの樹木、野草の開花が早いのと同じで、植物は一様に芽を出すのが早い春となりました。ブナの森深山のネマガリタケノコも、雪が極端に少なかった昨年よりもなお早く顔を出し始めました。今年は3月以降の天候がひときわ暖かかったためのようです。

狩りや登山で奥羽脊梁の冬山や春山を歩き、ブナの森の中でも積雪がほかより少なく雪解けの早い箇所を知っている私たちは、タケノコが早く顔を出す地点もよくわかります。

私のタケノコ採りもそんな所をまず最初にめざします。今年は、タケノコが大好きな森のクマさんも私より出足が遅いようです。クマも気づきに間に合わないほどタケノコの出が早いらしく、彼らの食べ跡はまだどこにも見られませんでした。

でも、まもなくクマ公たちもタケノコ山に集中のはず。私の採り跡を覚ったクマ公は、「オレの食事場に、先に侵入した者がいる!」と今朝あたりは思っているでしょう。クマは生息数が増加傾向のようですので入山の方はくれぐれもご用心を。これからは、今年生まれた若子を連れた母熊も穴から離れタケノコ山へ入るはずです。若子連れの母熊は最も危険な存在であることにも注意を。

ということで、タケノコ採りの方々もそろそろ多くが山に入り出す季節。クマとのことだけでなく、毎年よく発生する、方向を見失う遭難事案がおきないよう願いたいものです。

今朝、父の月命日のお膳には、深山のタケノコと里のワラビ、ウルイなどの山菜が供えられました。歳をとると月日の経つのが早く感じられるもの。今年も、もうタケノコやワラビの季節になったのです。