取水口ゴミ除去ついでに郡境尾根へ

15日、豪雪対策や村の新型コロナ対応などに関する情報を各議員に周知するための打ち合わせを事務局長と朝一番で行い、早速必要な情報を午前中に議員に届けてもらいました。

豪雪対応では、この日災害救助法の適用期間延長を国が決めたことにより、15日に期限切れということで進めていた県内の救助作業も、ひきつづき同法適用下で行えることになりました。全国の豪雪被災地の現状は、10日間ですべての救助措置を終えるのは無理であり、延長は当然のことです。新潟を含む今回の豪雪対応の災害救助法では、そうした適用延長要請が国会の災害対策特別委員会理事懇談会でも議論されたようです。

ところで、全国的な新型コロナ禍のなかでの豪雪対策本部設置という特殊な環境下にあり、豪雪対策を円滑にすすめるためにも新型コロナ感染症防止は極めて大切です。4日の議会の招集会議のあいさつでも私はそのことをとくに意識しました。

議会は、これから当分の間、来客の方へのお茶なども取りやめとしました。マスクを外して会話する時間をつとめて減らすためです。出入りの際の消毒もさらに励行し、議員が関係する機会があるかもしれない飲食をともなう各種集いについても、感染防止のうえで厳粛な対応ができるようお互い今後も気を引き締め合わなければと思います。議会事務局では、職員の自主的判断で、対面時だけでなくパソコンなどに向かう事務作業時もマスク着用がすでにされています。対面の際だけでなく、人の出入りのあるどこの室内にもウィルスが漂っている可能性が今はあるという認識が必要なのでしょう。

▼役場での朝の打ち合わせ後、「雪が落ち着いている間に」と、消雪処理にも引水している用水路取水口のごみ除去に雪原を向かいました。この用水路は、いつも記すように、集落の基幹水路「遠藤堰」の補助水源となっていて、遠藤堰へ岩井沢から引水できる唯一の水路です。

前日の雨などもありまたこの日は晴天でしたから「雪は締まってそんなに歩きにくくはないだろう」と思いましたが、カンジキを着けいざ雪原を歩き出したら意外にも足が雪に深く沈みます。雨で雪の上層が薄く固まった面もあり、こういう雪原は歩きにくくてやっかいです。そのため杉林のあるところはなるべく林内を選んで歩くようにしました。杉の枝に着いていた雪が落ちる林内は、その落下した雪で雪面が堅く締まり歩きやすいからです。

雨天の後でしたが、沢の水量は前回ゴミ除去をした時よりもぐんと減っています。季節はこれから寒本番。河川の水量が秋と同じように一年で最も少なくなる時なのです。ゴミ除去を終え、沢の砂利や石を寄せて取水量を増やして後、もう一方の沢(八卦沢)の取水口点検に向かうついでにいつもと逆コースで岩井沢から郡境の尾根に上がり、八卦沢に下るコースをとりました。

尾根近くの一部には直角に近い急斜面もあり、腰ほどまで沈む深い雪を手ではらい時々迂回もしながら上がりました。岩手山は雲に隠れて見えませんが、晴天下なので近くの焼石連峰や村の椿川大柳方面は遠くまで眺めが利きます。和賀山塊や真昼岳は真白き頂が目に入ります。

途中、この山の主みたいになっていて毎年目にしている(顔の毛色の特徴でほぼわかる)大きなカモシカともご対面。また、クマタカが眼前の林の間を何度も旋回している様子も遠目で確認。写真にできるいいチャンスを見つけることができぬままでいたら、そのクマタカが旋回している直下の雪原からオスのヤマドリが勢いよく羽音を響かせ飛び下りました。クマタカは、ヤマドリがいるのをわかっていて襲う寸前だったようで、こちらがいるために気をそがれ、ヤマドリを捕獲損ねたようです。もう少しこちらの歩きが遅ければ、ヤマドリを捕らえた直後のクマタカと出会えたかもしれません。写真はまったくボケていますが、そのクマタカの輪郭がわずかにわかる姿です。ご想像ください。

そんな一コマ、二コマの生きものとの出会いの後、尾根のブナ林を歩き、横手市山内の三又集落を眼下にしてもう一方の取水口がある八卦沢に下りました。

この沢にある田んぼは、時々記すように水稲の作付けが2年ほど前からすべて途絶え、耕作されなくなった農地は夏の間には荒れが目立ちます。荒れていないのはかろうじて集落のKさんが耕し続けている農地だけ。でも冬になれば、荒れた農地も耕している農地もみんな雪に覆われ区別はつけにくくなります。ただ、長年荒れた農地では実生から育った樹木が雪の深さよりも背丈を伸ばし、そこはだんだんと農地ではなくヤブから林へと姿を変えている様子だとわかります。村内、県内、全国には、かつて美田・棚田だったそうした農地が沢筋を主にして平場まで増加の一途をたどっているのです。