30日から正月にわたっておよそ一週間ほど、前回を上回るほどの猛烈寒波の襲来が告げられています。過ぎた週末からきのうにかけては、その寒波に備え「ある雪は今のうちに除かなければ」と、住宅や農作業小屋、車庫の雪下ろし、除雪作業に集中しました。村内の多くの方々も同じ想定なのでしょう「寒波備え」の作業があちこちで見られました。
先日「今年、お日様を拝めるのは最後かも」と記しましたが、昨日はめずらしく終日の晴天となり、屋根上の作業も気分よし。ジュネス栗駒スキー場も、スキーやスノーボードを楽しむ多くの人々の姿が屋根上から遠望できました。きのうのリフト最高地点は、標高が高いのでブナの着雪がそのままでしたから、すばらしい雪景色の中を滑ることができたはず。これはジュネス栗駒スキー場ならではの醍醐味といえます。
農作業小屋の雪下ろしをしていたら、猟友会のみなさんが狩猟の姿でカンジキをつけ山入りです。先日お知らせしたイノシシ狩りに向かう様子です。こちらが通り跡を確認してから二日続けて降雪がだいぶあり、なかなか新しい通り跡を発見できないでいるようです。
「この深い雪、イノシシはそんなに遠くには行けない」という判断は、彼らも私と同じ。群れは狭い範囲に必ずとどまっているはずで、いずれ近いうちに狩られるでしょう。
▼イノシシのことをいえば、きのう夜、ある方からうれしいお電話をいただきました。お電話の相手方は宮城県に住んでおられる村ご出身のSさん。電話の内容は、「(私の)ブログで、村のイノシシのことを知ったが、狩る時、半矢状態のイノシシには気をつけて」という旨のお話でした。
Sさんの仕事関係の同僚で狩猟を長くなされている山形市の方が、このほどイノシシ狩りに出かけ、イノシシを散弾で撃ち、仕留めたと思って連れの狩猟犬がイノシシに近づいたら、突如キバで犬が襲われたというのです。イノシシは仕留められてはおらず「半矢状態」だったのです。
仕留めたと思ったがまだ生きている状態を「半矢(はんや)」といいます。これはクマ猟ではよくあることで、我々は明確に仕留めたと判断がつかない時は必ず安全な距離を確保し近づいて「止め」を頭に撃ちます。村の猟友会員はイノシシ狩りの体験が浅いか、ほとんどありませんが、キバや鋭いツメをもつ大型獣の「半矢」はほんとうに気をつけなければなりません。
私が同行した村の過去のクマ猟でも、超ベテランで射撃の腕もたつクマ撃ち名人の先輩猟友会員が、半矢のクマに止めを刺そうとして反撃され、手に噛みつかれたままクマと共に急斜面を転落したことがありました。その時は、噛みつかれたまま、あわや!というところで、そばにいた動きのすばやい猟友会員(私の友人)が斜面を下ってクマに噛みつかれていた先輩のそばに寄り、クマの頭を撃って仕留め大事を免れました。機転がきき、すばやい動きができ、勇気があって、射撃の腕も確かなこの猟友会員がいなければ大事になっていたはず。噛みつかれた先輩は手にケガをしましたが、幸い命は助かったのです。
「窮鼠猫を噛む」といいます。ネズミでさえ、命をかければとんでもない力で反撃するということ。それがネズミどころか大型獣のクマです。しかも「半矢」となれば、さらに危険きわまりない力をもつ凶暴状態におかれた相手ということになるのです。
そういうこともありますので、村の人々のこと、猟友会員のことを気遣っていただいてのSさんのお電話にはほんとうに感謝です。こちらはSさんとのご面識はありませんが、鬼籍に入られているお兄さんは昔からよくご承知で、40数年前に我が家の新築の際には大変お世話になった方でもあります。身内の方には我が家との縁戚関係もあり、そんなお話も夕べは少し交わしながら、「帰省の際には役場、議会にもぜひお立ち寄りを」と申し上げたところです。あらためて、Sさん、お電話ありがとうございました。また、いつも校正不十分、義務教育時に学びをまったく疎かにしたための「迷文・珍文・悪文」、荒削りでなおかつ拙いこのブログながら、ご愛読いただいていることにもお礼申し上げます。
▼いよいよ、門松や神棚用の松を迎える(採る)年の瀬です。我が家が迎える(採る)松は姫松(キタゴヨウマツ)。20年以上前に敷地そばへ植えた苗木はもう10㍍近くの樹高となりました。おかげで、雪を漕いで山に向かう松迎えをしなくともよくなっています。
ヒメマツは、豪雪の村、ブナの森深山の象徴のような樹。この緑からいつもの年よりはるかに大きな元気をもらい、新型コロナ禍と、予想される特別に厳しい大雪の冬を乗り越えたいと思います。
一年間のご愛読ありがとうございました。このブログを始めたのが確か2007年7月19日。東日本大震災の年に訳あって止めたのですが、同じ年の7月に再開し延べ13年間があっという間に過ぎました。私がお伝えできるのは、村の自然とそこに生きる人々のほんの一コマですが、このブログを楽しみにしている方々にはげまされながら、また新しい年もささやかな記録をのこしてゆきたいと思います。今後もよろしくお願いいたします。
▼今日は、新年4日に招集される令和3年の初議会と災害対策特別委員会の前に、特別委員会委員長、副委員長、議会運営委員長、各常任委員長の5者で大雪対応の会議を開きます。厳しい年末寒波も予報されているので、4日の特別委員会前に必要な対応策について協議するための会議です。このままで1月~2月がいつもの冬となれば、今冬は大雪が確実と予想されます。それもかって体験したことのない新型コロナ禍での大雪です。行政機能確保しかり、除雪スタッフ確保しかり、もしコロナに感染すれば様々な面で大きな支障が生じ、それは無雪、少雪地方の比ではないでしょう。そのためにも、感染予防には最大限の注意をはらいたいものです。それでもなおかつ感染することもないとは言えないでしょうから、その「もし」に備えた対策、もしもの雪対策もお互い今から頭に入れておきたいものです。いずれ、いつもの年末年始、いつもの1月、2月とは違う心構えが必要です。