南本内川の峠から蟻巣や焼石連峰をのぞむ

去る3日のことです。役場で議会前準備の所用や打ち合わせを済ませ、帰宅して本会議再開にそなえた段取りや、各種書きものなどの原稿素案づくりに手をかけました。

手をかけましたが、外は2日続きの晴天。どうも、外に出たくて体がムズムズします。とうとう、屋内仕事を中途にして、「こんな日は、家の中で過ごすのはもったいない」と、午後の2時間ほどまた土倉沢へ向かいました。

この日は、すでに車の通った跡があるのでなんとか県境までは上がれそうと見込みました。途中には、合居川方面に向かった新しいクマの足跡が深さ20㌢ほどの積雪に見られます。予定通り県境の峠までは車で上がり、今度はさらに上をめざして歩くことにしました。

12月3日に峠まで車で上がることができて、しかも雪の上も歩けるのは久しぶりのこと。若い頃、雪上の歩きでめぐった県境(合居川と南本内川の分水嶺)の山と沢が眼前、眼下にひろがり、歩いた思い出の残るひとつひとつの林や山、沢を立ち止まっては写し撮りながら少しずつ標高を上げました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かつて、眼下国有林の山小屋に宿泊し冬山伐採搬出をしていたわが集落の方々が、大きなワス(表層雪崩)に宿舎を直撃され命を奪われた、そのワスの発生した恐怖の急斜面が歩きの途中にはあります。また、山内三又集落の山歩きのベテランの方が、山へ上がる途中で滑落し命を失った、真冬や春山ならば思わず体が縮こまるほどの急斜面の崖も途中にあります。この山は、そういう遠い過去の2つの惨事を頭におきながらの歩きとなります。

標高を上げるにつれ積雪が多くなり、膝の高さを上回るほどになりました。ほとんど雪に足が沈まないノウサギの跳ね跡が雪上にはいっぱい。しかし、こちらはカンジキを持たずの山入りなのでそのままでの長い歩きはムリ、それにきつい斜面に積雪が増していれば見えない箇所からの雪崩の危険もあり、上がろうとしたヒヅヅ(ツルクラ沢)上部の尾根地点までは行かずに引き返しました。

権四郎森(ゴンシロウモリ・南本内岳のこと)やサンサゲェ(三境・三界山のこと)、南の森、それに目の前にでんとホンネェガアリス(蟻巣山)があります。それらを一望し、「来年春は、久しぶりにこちらから県境を歩き、三界山、胆沢川方面を周回する残雪山歩きを」と心に秘めました。

この日歩く途中で目にしたのは、ブナの幹にとまっていそがしそうにうごきまわるシジュウカラの仲間の群れと、人なつっこく目の前に飛んできたミソサザイ。それにナナカマドとヌルデ?かウルシの類いの実。ほんとはいちばん目にしたかったクマさん、それにもしかしたらと期待していたクマタカ、イヌワシ、ノウサギとの出会いはなし。でも、今後の山行のために山全体の様子を確認し写真にも記録できたので、まずは満足の歩きでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼議会の一般質問通告はきのう正午までに4人の議員からありました。11日の本会議までに一定の日数がありますから、質問する側も、答弁をする側も余裕をもって準備をすることができるでしょう。

村議会12月定例会議はじまる

村議会12月定例会議がきのう4日からはじまりました。日程は14日まで。

議会事務局提供

一般質問は11日に予定され、そのための質問通告は今日正午までに提出されます。行政報告を聞いた後に質問の通告をしてもらうためです。村政をめぐる課題は山積しており、多くの議員から通告が届くことを期待しているところです。

▼草木の落葉がほとんど終わった村は、まわりがきれいすっきり。2日の午前は、一年のうちでももっとも大気が澄みきった晴天となりました。晴れ空に誘われ、何度も何度も成瀬川の岸辺を歩いたり、村内の人里からただ一箇所鳥海山がのぞめる入道の野頭集落や山入りした土倉沢の高見から、その澄んだ空に山容を浮き立たせる「秀麗無比」の鳥海山をながめたりしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼田子内仙人様の大イチョウが葉っぱのほとんどを落としています。

イチョウ写真のはじめは、雪降り後の30日に立ち寄ったときの様子で、後の雪景色のない大イチョウはきのうの姿です。「仙人様のイチョウ葉がみんな落ちれば根雪」といわれるように、この木は村の気象を知るいわば「標本木」。案の定、今週後半には真冬なみの寒波がくるようです。そうなればそろそろ根雪を覚悟しなければと、村のみなさんは本格冬がまえに心を切り替えているのかな。

赤と黒の実は、おなじ日に写しておいたニシキギの仲間とエビヅル(ヤマブドウの仲間)です。冬の木の実には、いつもいつも惹かれっぱなしの私ですので、性懲りも無く何度も紹介です。

▼緑がほとんどなくなった村の田畑。そんななかで濃い緑葉を見せるのは、村特産の「平良かぶ」の畑です。

村内ではかぶの漬け込み真っ最中(ピークは過ぎたのかも)ですが、今年は、お米だけでなく、その「平良かぶ」も「不作、または病気にやられた」という農家が多く、予定した量の生産がむずかしいよう。

▼野菜といえば、この季節になると神奈川相模野の台地特産の「やまといも」がSさんの農場から贈られてきます。

47年ほど前、まるで家族の一人のようにして住み込み研修でおなじ生活をし1年間お世話になり、その後もいろいろとお世話になったSさん宅。Sさんはいまもご夫妻で野菜をつくり続け、近年は花栽培にも手をかけておられる様子です。「80歳が近くなったので、販売用のやまと芋作りは今年が最後」という旨を電話の向こうで語られ、そんな内容のお便りが直販などで購入されるみなさんへお届けされているようです。

「自家用だけはまだつくるよ」とお電話の向こうで語っておられましたが、ほんとによくがんばられるもの。研修中はもちろんその後も、Sさんの「計数へのなみならぬ強さと鋭い経営感覚」「開拓者精神とすぐれた技術」「積極性」にいつもありがたく学ばされてきました。

ところで、医師でありつつ、途中でパイロットの道をめざした息子さん(中学生の頃、我が家に幾日か滞在して山や川に)はいま大型旅客機ボーイング777のパイロット。その息子さん(Sさんのお孫さん)も医学部に進学されたとお聞きしますから、さてSさんの広い農場は将来どうなるのかななどと、余計な思案をしたりもしています。

そんなこともあり、積もり積もった体験を語りあいたいと思い、「お元気なうちに村へまたお越しください」とお伝えしたところです。Sさんご夫妻からは、都市近郊農業のことや、世界と日本の今後の農業展望、多くの海外渡航、海外研修などを通じて養われた独特の世界観や人生訓、政治・経済のとらえ方、交際・交流・人脈の広さなどを通じて蓄えられた所感など、学びたいこと、おたずねしたいこともたくさんあるのです。

クマは冬ごもり前の最後の動き

2日の休日、そしてきのうと、師走にしてはめずらしく穏やかな晴天が続きました。

山には積雪があり、林道はかろうじて車高の高い4輪駆動車なら通れます。初冬の山歩きをする者にとってこういう条件のよい日はめったにめぐってこないもの。そういう願ってもない日が、2日は休日とも重なりました。晴天に浮かぶ鳥海山もくっきりとのぞめます。

2~3日の村内は、人里にはまだら模様に雪があるものの積雪はほぼゼロ。でも県境付近まであがれば雪は深いところだと膝ほどまで積もっています。車はなんとか通れるものの、徒歩では中途半端な積雪のためにカンジキを履くほどでもなく、かといって履かなければ雪が深くて足が疲れるで、歩くのがもっともイヤな雪状態です。

師走入りとなれば、例年、冬ごもり直前のクマたちが最後の活発な動きを見せる時。この両日は、「もしかしたら、巡り会えるかも」と、カメラを手に2時間ほど山に入りました。

予想したように、土倉山では数匹のクマが道路を横断した足跡があります。そうとう大きな足跡もあり、合居川方面の深山に穴入りで向かったらしい跡もあれば、逆にドングリなどを「食べられるうちに食べておこう」と人里近くの林にむかい下りたらしい跡も。

 

 

 

 

 

 

 

 

この日は思わぬ偶然もありました。山に入ってクマの足跡ながめをしていたら、突然そばの窪みに真っ黒な塊が横たわって見えます。「おっ、クマ」と確認したら、それは今々猟友会員たちによって捕獲され、斜面を転がり落ちて息絶えた直後のクマでした。

なじみの仲間の会員たちが、こちらより先に山入りしていて、クマの足跡を追い詰め捕獲した現場だったのです。捕獲されたクマはメス。秋グマですからメスでも体重はかなりのもの。ドングリなどをまだ食しているらしく、冬ごもり直前なので毛皮はさらに黒色の光沢を増し、皮下脂肪もたっぷり、筋肉も隆々としています。こういう屈強な体で襲われたら、人間などひとたまりもないことを、猟をする仲間たちはクマの体をみて知らされます。

初冬の12月なのにきのうも晴天。また県境の深山に向かった新たなクマの足跡がのこされていました。クマたちは、あちこちの山でドングリ、ナナカマド、カタスミ、少しのブナの実、ヤマブドウなどを食していたはず。でもそんな行動もあとわずか。今週後半に予想される寒波で降雪続きとなれば、雪国、奥羽脊梁のクマの大半は越冬穴に入るはずです。

土倉沢には、目にふれるだけでクマ4頭の新しい足跡があり、そのうちのひとつは大グマ。それとは別に合居川入り口の村有地にもさらに一回り大きな新しい足跡があり、それは入道方面から川を渡り、沼又方面にむかっています。ツキノワとしては巨大なオスグマで、しかも肥えた秋グマ。その巨体を思うと身震いしてしまいます。初冬に雪の残る林道をすべて通れるなら、クマのおおよその生息数や生態がつかめます。ただし、身をまもる術がないこちらのような姿での行動だと、うかつに近寄ることができず、そこは要注意ですが。

幼子たちの発表会

30日は、村の農業生産法人4つでつくる連絡協議会の「報告会」へ出席。

県内の10月15日現在の米の作況は96でした。様々な要因が重なり、村内は全体としてその96よりもさらに低い指数となるのではという見方もあります。そうしたなかで、稲作が主体の村の4法人の生産量もおしなべて少なく「かっての大冷害に次ぐほどの収量減」と、ある生産法人の代表が語るほどの減収となったようです。

報告会では各法人別の生産量などが説明され、村と議会にたいする「要望書」を副村長と
私が受け取りました。議会へこういうかたちで「要望書」が提出されるのははじめてのことです。

▼1日は保育園の「なかよし発表会」へ。

発表会までの練習の日々について、園児たちのとりくみを綴った各組の先生方による演目へのコメントもプログラムといっしょに配られました。発表はごくわずかの時間ですが、それを読むと、園児たちのがんばり、先生方のこの日に寄せる思いが伝わってきて、拍手にも自然と力がこもります。

それにしても、最年長組はなんと大きくなったもの。子どもの成長って、ほんとに早いものですね。

▼きのうは風がほとんどなくまことにおだやかな晴れ空。12月はじめ、しかも休日にうれしい晴天でしたから、早速外へ出て成瀬川の岸辺を歩いたり、雪の残る林道に車を走らせたり、童と野外散策(エノキタケ採り)をともにしたりで過ごしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

林道脇のツルウメモドキや秋グミの実も、青空だとまたよく映えますね。

 

 

県林活議員連盟の総会

県内の県議会議員や市町村議会議員で構成される県林活議員連盟連絡協議会の総会がきのう秋田市内で開かれました。

副議長、産業建設常任委員長とともに出席、総会後の講演会も拝聴しました。

講演には、県農林水産部の眞城英一森林技監を講師としてお招き。森林環境税(仮称)と「新たな森林管理制度」について、今後われわれが留意すべき内容などをふくめ解説、助言をしてもらいました。

▼「29日夜からは再び里にも降雪」という予報が出ていたので、帰ってからの夕方近く、所用を果たしながらのついでに村内の集落そばにある林に立ち寄りました。

雪国で、初冬の季節に積雪がないという期間はそう長くはありません。林や野原の葉っぱと藪がなくなり、しかも雪はなしとなれば、野の生きものや冬の植物、キノコなどとのこの季節でなければできない特徴的な出会いがあるので、私にとってはとても貴重な日々なのです。きのう午後もそんな大切なひとときでした。

今回は、積もった初雪がいったん消えた後の雪のない野で、すでに真っ白な姿になっているノウサギを写すことでした。「自分は隠れているつもりだが、私からみれば、あれはノウサギ」と遠方からでもすぐにわかるその真っ白なノウサギを、土色を背景に撮影しておきたいというねらいでむかったのですが、それは空振りに終わりました。

ただ、野原を歩いていたら、落葉できれいになった林内にエノキタケと天然ナメコ、ムキタケが少々見られました。ほかの草木が落葉したなか、冬でも葉と茎の緑を失わない野のワサビがここは豊富で、キノコのまわりには天然ワサビの畑のような群生が目につきます。ふだんは野のワサビをほとんど食べず採りませんが、今回は少し摘み取って天然の辛みを楽しみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野原には、大きなカネバチ(スズメバチの仲間)の巣も見られました。越冬する数匹の蜂がたいがいこういう巣の中には今もいるものです。今なら飛び出てくる危険はまったくないので怖くはありませんが、夏から秋の季節はちがいます。藪に覆われて見えない場所にこんなに大きな最強の毒蜂の巣があるのですから、山歩き、藪歩きはよくよく注意しなければなりません。なにしろ人の背丈より低い位置にあるのですから、用心用心です。でも、野と山を歩くのが趣味だと、いつか、こちらも痛い目に遭うかもしれません。痛い目程度で済めばいいですけれどもね。

村議会12月定例会議は4~14日まで

村議会12月定例会議の日程を決める議会運営委員会がきのう開かれました。

議会事務局提供
議会事務局提供

議会は4日に行政報告と議案説明、11日に一般質問、14日に最終日(通年議会のため、1月4日~12月14日までの会期を1月の招集会議で決めている)という日程で進められます。この間に陳情審査の常任委員会や補正予算案を審議する予算特別委員会も開かれます。昨日は全員協議会もあり、提出予定議案の説明も受けました。

▼「こんな小春日和は、あと終わりかな」そう思えるほどに穏やかな陽射しが注いだ去る27日。晩秋から咲き始めていた我が家のサザンカが、初冬になったら花咲く勢いをぐんと増してきました。

花には、冬ごもりにまだ入らない蜂の仲間が止まっています。夏の間じゅう玄関に巣をかけている大きなクモもまだ巣にかかった虫たちを捕らえつづけています。おなじ昆虫、おなじ仲間でも、寒さに強く、厳冬に入るぎりぎりまで活動できる種もいるのですね。

 

 

 

うつろなガマ公

▼熊本県御船町議会の議長、副議長、元議長さんなどで構成される会派のみなさん6名の方々が、きのう教育行政視察で来村されました。

議会事務局提供

ちょうど広域市町村圏組合の全員協議会と臨時議会(平成29年度会計の決算審議など)に重なり、会場となった中学校で歓迎のご挨拶だけ申し上げて全員協議会に向かいました。

御船町の田端幸治議長さんは、熊本地震での全国からの支援に感謝の言葉をのべられました。次いで、あんばいこう氏の著書「学力日本一の村」(無明舎出版)を手にもたれながら、こちらが猟に関わることを知ったらしく、「今日参加の議員にも、猟友会員がおられる」旨を語られました。その議員さんはおそらくイノシシ、シカ猟などが主でしょうが、40年ほどの猟歴のある方だそうですから、こちらとほぼおなじということになります。

ご挨拶のそんな一幕もありまして、お迎えした一同、視察のみなさんへ親しみの心持ちがグッと増した空気を私は感じました。視察はいつものように授業参観、後に教育長と中学校長からくわしい説明があり、質疑応答をしていただきました。

ところで、話題のもととなった「学力日本一の村」の著書は、インターネット販売などをふくめ、県内外で案外広く読まれているようです。この間は、教育関係の方々が集まる県内のある講演会(そんなに規模は大きくない)で、会場に置かれたその著書が60部ほどすばやく完売したということで、ちょっとした話題になったそうです。そういう会場で「本の完売」というのはあまりないことなのだそうです。

ほかにもこの著書についての反応が私にもありました。秋田魁新報の文芸欄によく短歌や俳句を投稿する身内のTさん(元県職員の方)が、「幾冊か買い求めて、身内などに贈ったよ」というのです。7月に出版された著書ですが、口コミ、インターネットなどで読まれる方のひろがりをみせているようです。今回のように村へ視察に来られる方々も、「予備知識」として著書を求めておられるようです。

▼さて、少々長くなりますが話題を変えます。これはとっくに過ぎた日のことですが、可笑しな格好のカエルを写真に捉える機会がありましたので載せました。

それは、我が家まわりの里ではまだ紅葉が盛り、深山では見頃を終えようとしていた10月末の合居川渓谷天正の滝でのこと。妻と遊歩道を歩いていたらヒキガエル(ガマガエル)さんとぱったり出会いました。

その日はやや肌寒く、深山は晩秋。それでなくてもあの通り動きの遅いガマガエルは、もう冬眠間近で気温も低いためにさらに動きが鈍し。その体に手を触れたらコロンと仰向けになり、そのまんまの状態でじっとしています。天敵に襲われたときなど、仮死状態を装うムジナ(タヌキ)の生態に似ていますが、しかしこのガマ公の仰向けは気温低下が原因でしょう。

ガマ公の目はトロンとしてうつろ。警戒の様子ゼロの姿になってしまいました。この無防備な姿を見た妻は「あっ、カエル、ひっくりかえる」などと、すぐにだじゃれです。

そのままかまわずに渓谷や滝の紅葉を写し撮って今度は帰りの遊歩道。ガマ公は起き上がってあの大きな手足でモソモソと落ち葉の上を這い、小さな土崩れの穴に姿を消しました。

その後、初雪がまだ積もったままの25日午後に訪れた滝の渓谷は完全な初冬。雪の季節にも活動するカモシカ、テン、キツネ、タヌキ、そして冬ごもり直前のクマなど生きものたちの足跡がブナの森やトイレ入り口、雪のある車道をどなたかが通られた後の轍上にまでいっぱい見られました。それら足跡の下にある土穴で、今頃このガマ公はゆっくりと長い眠りにふけっているでしょう。

知事との懇談会、クマの冬眠穴、初雪に足跡

▼佐竹知事と全県市町村議会議長との行政懇談会がきのうひらかれました。知事や副知事、県幹部職員のみなさん一同と顔を合わせ意見を交わし合える年に一度の集いです。2つの議長会からの要望とそれに対する答えなどをふくめ、意見が交わし合われました。

議会事務局提供

 

▼長年クマ猟をやっていたこともあり、トンビマイタケやマイタケ採りで山に入る機会の多い8月~10月は、クマが越冬するだろう穴に時々目を注ぎます。

「越冬するだろう」というのは、越冬している現場を、その穴では目撃していないからです。ただ、穴のそばのブナやミズナラ、ホウノキなどにクマの新旧の爪跡があったり、穴の中に木の葉がふとんのようになっていたりで、長年の体験とカンから、「ははァ、この穴は、まちがいなく、クマが入る(入った)穴」という判断をします。

10月にそんな冬眠穴のひとつを紹介しましたが、今日は別の箇所にある2つの穴です。
1つは10月に紹介したのとおなじ構造の根穴で、ブナの木が傾き根元の土が盛り上がってできた最高級の土穴です。中には木の葉が敷かれたように重なっていて、床はふかふか。

 

もう1つは、ミズナラ大木の根元にできた木の穴で、写真のほかにミズナラ大木にあるこういう穴をもう1つ知っています。トチノキやマンダ(シナノキ)の根にもこういう穴があります。いずれも大木の穴ですから広さも半端でなく、奥行きもそうとうなもの。ただし床面は木ですから土穴よりはデコボコ、しかも堅いでしょう。木の葉も少しは入っていますが、越冬のクマなら柴木などをくわえ込んで少しの床支度などをするかもしれません。

これまではクマ公たちが活動中でしたから、こうした穴のそばに近づいてもだいじょうぶでした。でも、根雪となる時期にはほとんどのクマが冬眠に入るため、これからは穴の近くに安易には近づけません。年によって根雪となる時期にちがいはありますが、12月はじめには多くのクマたちが穴入りします。村のマタギは昔から「クマは、冬至までに、穴さ、へる(入る)」といい、私の体験からも、例外をのぞきその言い伝えはその通りです。

この2つの穴にクマがはいっているかどうかは、12月半ばになればほぼ確実にわかりますが、身をまもる道具なし、撮影目的だけで穴口に近寄る冒険はしないつもりです。

狩猟体験のある村の方々ならそういう冬眠穴をそれぞれ知っているでしょうが、私もみなさんが知っている穴をふくめ計10箇所ほど(うち5箇所は過去に冬眠を確認)の越冬穴を目にしています。それらの中には、ほぼ毎年冬眠する穴もあります。おなじクマかどうかはわかりませんが、それはいつも母子がいっしょです。子育てするにはいごこちがすこぶるよいのでしょうね。

▼過ぎた25日午後、合居川渓谷・天正の滝まで下りてみました(車は冬期通行止)。初雪後の谷と林を眺め、「運がよければ雪上のクマの足跡が見られるかも」と踏んでの散策です。見込んだ通りに滝の遊歩道と駐車場に、そんなに大きくないクマの足跡がありました。前述の穴の方面に向かった跡でしたから、このクマ公はもう冬ごもりしたのかな。

2度目の部落長・自治会長会議、そして初雪

まだ66歳、人生これからという齢なのに、地元集落のSさんが病を克服できず急逝されました。今年は、地元というほんの狭い範囲で幾人もの方々が鬼籍に入られました。みな、集落でともにくらしてきた方々であり、今年は寂しさ悲しさが連なる年となりました。

Sさんとはほぼ同年代であり、青年時代あるいは子育て真っ盛り世代、そして中年へと、いろんな活動をともにしてきた仲です。突然の訃報に、無念の思いが続いています。

▼22日は、今年2度目の部落長・自治会長会議が開かれました。

議会事務局提供

当局とともに議会も各地区要望の提出を受け、要望箇所の現地視察もまた当局といっしょにおこなっていることもあり、ここ10数年、私もこの会議に出席しています。

二度目の秋の会議では、春に出された各地区の新しい要望にたいして、春以降の役場のうごきや、村、県(県行政に関わること)の考えの内容が当局側から説明されました。

それらは、要望の内容ごとに、①春以降速やかに具体化されたもの、②来年度の予算措置にむけ実施が計画されているもの、③来年度は無理だが再来年度をふくめいずれは実施にむけ段取りが進められているもの、④様々な理由で実現の結論を出すのはむずかしいものなどとして整理され、各担当部署から報告後に意見が交わし合われました。

後の広報でも再度知らされるでしょうが、くわしい説明資料が各部落長、自治会長さんたちに渡されていますから、早くお知りになりたい方はそちらからお聞きください。

▼先週18日にブナの森深山のナメコたちと出会ったことを先日お知らせしました。そのおなじ18日の午後、今度は家周りの林を散策、里のナメコとエノキタケに向かいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それと、もっと前の9月30日、ブナの森深山に入って見かけた真っ白なキノコも載せておきます。枯れ木を見事に覆っている食べられないキノコです。「見て楽しむキノコ」としては申し分のない模様ではありませんか。その時のキノコと、実の色が映えてきたツルウメモドキも載せておきます。

 

 

 

 

 

 

それから一週間後、3連休の家周りのおなじキノコとツルウメモドキの実、そして房から落ち甘みを増したヤマブドウの実です。22日夜からみぞれぎみとなった空は、翌朝になったら里も真っ白の初雪降り積もりです。

初冬、初春と、雪の下でも元気に成長を続けるエノキタケ。雪国の人々はその様子をよくみていてこのきのこに「ユギノシタキノゴ」と名をつけました。姿はか弱いようでいて凍えるような寒気にも負けず成長するユギノシタ、それは艱難辛苦を耐え忍ぶ芯の強い女性を見るようでもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この休日には、近くに暮らす童たちのうち二家族が久しぶりにそろいました。保育園や学校の行事がなかったその日、初雪で真っ白になった家まわりを散策。そのエノキタケを採ったり、ヤマブドウの実を採ったり、ツルウメモドキをながめたり、オオイタドリの枯れ茎を刀にチャンバラごっこなどで、今冬初の野外あそびを過ごしてもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野が雪に覆われたので、散策コースの湧水に育つセリやオランダガラシ(クレソン)もその緑がとても冴えてきました。夕餉のきのこ鍋やサラダに、その緑葉は早速使われ、童たちにおいしくいただいてもらいました。湧水なので積雪の厳冬でもその流れには雪が積もりません。なので、冬の間、野の菜(山菜)が家のまわりですぐに採れますから、これも私にとっては自然からのありがたい贈り物です。

 

NHKホールで町村議会議長全国大会

昨日、第62回の町村議会議長全国大会がNHKホールを会場に開かれました。

 

 

 

 

国会開会中でしたが、この日は両院とも本会議がなく、この大会に総理ご本人の出席は「2年ぶり」という主催者側のあいさつにあったように、首相をはじめ衆参両院議長、総務大臣などが来賓として出席されました。委員会などが開催されていて、国会議員全体の出席は例年より少なめでした。

大会は、全国926町村議会議長の総意を込めた「地方創生の実現をめざす」ための宣言、決議、特別決議と、それらにもとずく具体要望を確認・決定しました。

大会前日には、県出身与党国会議員との懇談会も行われ、大会にしめされる議案等が渡され、それらの内容などもふくめ意見交換がおこなわれました。国会対策などで出席できなかった代議士さんもおられました(代理出席)が、限られた時間のなか、率直な意見が交わし合われました。

私からは、町村議会についても市と同じような内容での選挙公営が早期に実現されるようご尽力願う(制度改正は議員立法なので)ことと、義務教育の充実に関連して、わが村(全国各地の市町村もおなじでしょうが)として「独自の予算措置」をしている施策がいくつかあるが、これらは全国の市町村に共通する課題でもあるので、国の手厚い支援策が必要である旨を申し上げました。

教育の「独自施策」については、義務教育だけでなく、中学生がほぼ全入となっている高校についてもいえることです。たとえばわが村は高校生通学費の8割を助成する施策をとっていますが、これも、少子化などもあり統合再編がすすむ過疎地の高校については、本来は全国的に都道府県や国としてもっと目をむけるべきところだと思われます。憲法26条をはじめ「教育は国の責務」ということも念頭にあったので、申し上げたところです。
都内滞在の2日間は弱い冬型のお天気。NHKホール近くの明治神宮の森と代々木公園は、初冬のあたたかな陽射しを受けながら過ごしている人々が多く、いつものことながら、冬期の太平洋側をうらやましく思ったりしながら原宿駅から会場にむかいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中、明治神宮入り口表参道で尺八の路上演奏をしている青年の音色を聴き、なかなかいい響きだったのでCDを買いもとめました。演奏する姿の写真(撮影の承諾を得ました)が、その青年で入江要介さんという方です。その道の世界では名の知られる若手演奏家の方のようで、以前テレビで視たような記憶もあります。今後の活躍を期待したいものです。

街頭での演奏、こういう積極姿勢に私は惹かれます。数年前に上野公園で街頭演奏を聴き買い求めたアンデスの音楽を奏でるマルカマシスのみなさんのCDは、いまも枕元で時々聴いています。人間、いずこでも、歩けばいろんな出会いがあるものですね。

代々木公園は、いつものようにバラの花がまだいくつか観られます。そばの池にはマガモやカルガモたちがいっぱい。狩猟シーズンになっても、猟場からはるか遠くで生きる都内中心部のカモたちは安全。マガモ(写真。夫妻かな?)がこんなにゆっくりと人のすぐそばで羽を休める姿を見られるのは、村ではできないことです。