青空だけで心はずむ冬

青空、陽射しがある、ただそれだけでも心がはずむようになる雪国の冬。

きのうはそれに加えて、前夜からの湿り気たっぷりの重た~い雪が木々にまとわりつき、風景写真を趣味とする者にとっては、またとないひとときをお天道様がつくってくれました。

朝早く、そして陽射しがやわらかくなった後に役場で所用を済ませての帰りと、川辺に立ち寄り、その白い衣にまとわれたいつもの景色をながめました。

 

 

 

 

 

 

 

 

源流、支流、そして上(かみ)から下(しも)まで、成瀬川ってほんとに素敵な趣をいっぱい見せてくれる流れですね。

雪上の熟し柿

隣にある老いた柿の木は今年は実が豊作でした。どなたにももぎ取られずに冬をむかえた実は、寒気にさらされて熟し、渋もぬけて、きのう一つ、今日また一つと雪上に落ち始めています。

それをお目当てとするのは、日中にはカラスやキツツキなど鳥の仲間たち。夜には、テンがいちばん多く訪れ、樹上や雪上で動き回った跡がのこります。時にはムジナ(タヌキ)らしい足跡も。食べ物が極端に少なくなる雪国の冬、かれらにとって熟した柿は願ってもないほどの大ごちそうなのでしょう。

われわれが子どもの頃は、雪の季節に成っているジュブジュブに熟れた柿は、やはりめったに食べられないごちそうものでした。でも今は、野の木の実だけでなく、もぎとられない柿の実にさえ「食べ物」としての関心をもつ子どもや若者はごくわずかでしょう。

昭和の後半もそうだったでしょうが、平成とは、食べ物について「飽食」という言葉がよくつかわれた時代であったことを、雪の上に落ちたままのおいしそうに熟れた柿の実や、貯えていて、いま食べ始めたヤマグリの実を目にしながら思います。

ダム建設業者(原石山採取工事)さんの事務所開き

きのうは、成瀬ダム建設の堤体工事に使われる原石採取工事にあたる業者さん、大成・佐藤・岩田地崎JVの事務所開所式が行われました。

11月12日には堤体工事JVの鹿島・前田・竹中土木の事務所開きが終わっています。それまでは仮の事務所での執務でしたが、これで本体工事にあたる2つのJVが、業務の拠点となる事務所で活動をさらに加速させることになります。事務所運営と工事全体の安全を願い玉串をささげました。(※写真最初のプレハブ棟が堤体工事JV事務所と宿舎の一画。2枚目の写真が今回の原石山採取工事JV事務所と宿舎の一画です。)国道付替の2つのトンネル工事の時もそうでしたが、こうした式典運営は業者さんによって趣がちがうもの。それぞれの会社の「個性・持ち味」のようなものをどことなく感じながら始終を見つめました。

式典後の語り合いの中では、人と人との思わぬ縁をお聞きすることもありました。こういう場所でそんなに密な縁をお伺いするとは、と少々驚くような一幕もありました。それがなんのことか抽象的でわからないでしょうが、こちらの知人の方と縁故でつながる方が式典に同席されていたということです。世間って、ほんとに広いようでいて狭いものです。

 

▼1㍍近くだった積雪も、その後の暖気と雨天の連続でさらに厚さをぐっと下げました。「しばらくは拝めないだろう」と思っていた陽射しも日中にはあり、久しぶりの青空に誘われ、なじみの川辺に少し立ち寄りました。

スキー場開き

14日に12月定例会議が終わりました。これで1月4日に開会した村議会定例会は通年の議会を閉じました。来年の定例会は4日に招集される予定です。

14日は議会閉会後にスキー場開きが行われました。翌15日には早速第1ペアリフトが運転され土曜、日曜とお天気もおだやかだったため初滑りを楽しむ方々が結構多く訪れたようです。

ゲレンデ全体を滑れるのはまだムリのよう。もうひとつ強い寒波がきてどっと積雪が増すのをみなさん待ちこがれています。ただ、一部でも滑れたのはありがたいことで、こういうときです、県内有数(世界有数)の「豪雪の村」に感謝するのは。

▼日曜日は、地元出身県議会議員の県政報告会と自治功労賞受賞祝賀会へ。

▼この間の「子ども議会」について、質問や議事運営役などをつとめた児童、生徒さんたちが書かれた感想分を小、中学校からいただいておりました。そしたら今度は、それとは別に中学校でまとめた立派な感想文集も教育委員会から届きました。

感想文集は、質問や議事運営役だけでなく傍聴役もふくめ、子ども議会に参加の1~3年生すべての生徒さん方が書かれたものです。あの時の議場に満ちた緊張感、初々しさ、真剣な表情を思い出しながら読ませていただきました。

「子ども議会はこれからも続けてほしい」という声が生徒たちをはじめ各方面から寄せられています。子どもたちは次代の村と国を担う大切な存在であり、学校や教育、村のことについて彼らが考えていることをこういうかたちで我々が知ることは貴重です。

それに生徒たちも書いておりますが、子どもたちでなければ発見できないこともあるのです。われわれは、まわりのことが見えすぎてできない理由をまず考えてしまいがちですが、子どもたちの考え、発想はまっすぐです。文集の中からは純粋な感想が随所にみられました。子ども議会の体験が貴重であったことは子どもたちだけでなく我々も同じです。

 

今冬初の住宅屋根の雪下ろし

広域市町村圏組合議会の12月定例会が20日に予定されています。きのうはその議会に提出予定の議案説明を、いつものように役場庁舎で組合職員のみなさんから受けました。

その後に、今冬はじめての住宅と作業小屋などの屋根雪下ろしで一汗をかきました。

先日車庫の雪下ろしをした時には1㍍近い積雪でしたが、その後の雨で雪が締まり、積雪はグンと下がりました。でも雨が浸みていて重さはズッシリ。雪下ろしは危険でかつ重労働の部類に入りますが、いつもの年のように「運動になるから健康にはもってこい」と、プラス思考で屋根の上を往き来しました。

いろんなところで、雪の村のシーズン到来、白い世界で明け暮れの長~い冬が今年もやってきました。今冬は果たして何回の雪下ろしをするようになるのか、屋根に上がるみなさんは、みな同じようなことを思案しているのかもしれません。

1月に開会した村議会は、今日で会期を終え閉会となります。今日は議案審議と任期満了による選挙管理委員会委員等の選挙も行われます。議会後はスキー場開きの安全祈願祭も夕方に行われます。

学校、保育園等の視察

きのうは議会常任委員会の視察。学校、保育園、児童館を訪れ、後には、滝ノ沢に建設中の村営若者定住促進住宅4棟の現場にも足を運びました。

全国的なとりくみとして進みはじめた学校(教室等)への冷房設備設置について、それに関する調査費が今議会の補正予算にもあげられています。そういうことも視察の視点のひとつとなっていました。

保育園で大きな課題は、これも全国に共通することで保育士をいかに安定して確保するかです。子育て環境の充実ではたらく人々の願いにこたえるとともに、人格形成で大きな役割をもつ保育という分野で、その大切な担い手確保に支障をきたしかねない現状が全国にあるのは、ゆゆしきことです。原因は、保育という大事な職務でありながら、それに相当するだけの給与を含む待遇が全国規模でふさわしい水準にないからでしょう。

保育所は単なる「託児所」ではなく「保育」をする施設です。行革が全国規模ですすみ、全体として公的分野で担ってきた部分を民間に運営をまかせるケースが多くなり、公から民になった保育所もそれに並行して自治体職員つまり公務員ではなく民間の職員採用となります。それが行革のそもそもの目的ともされたのでしょうから当然そうなるわけですが、それも、保育士確保に困難をきたす一要因になったのかと考えさせられてしまいます。

都市部では入りたくても「保育所がない、足りない」といわれますが、地方の農山漁村では「保育所はあるが、保育士が足りない、確保がむずかしい」という現実が目の前にみえて来はじめました。それぞれの自治体が、一定の加算措置などを講じて保育士確保につとめているでしょうが、それはいわば「保育士の奪い合い」みたいなもので一定の効用はあるが、課題の根本解決にはならないでしょう。

しっかりした保育をするために、教職員や公務員などに準ずる位置づけを保育士にもたせる、そのための国策があってしかるべきではと感じた視察行でした。また、保育士をより多く必要とする3歳未満児対策も、これはおなじ保育でも別個に深く考えねばならないことと、これも素人ながら痛感しました。

若者定住向けの村営住宅はほとんど完成し、外構工事がさかんにおこなわれています。

▼除雪作業中に行方不明になったと見られていた方が、我々の視察中にヘリによって成瀬川で発見(田子内橋近くの伊達堰流末合流点より下流部で)されたとの報が入りました。なんともいたましい事故であり、心からのお悔やみを申し上げご冥福をお祈りしたします。きのうの雨で、屋根、山や土手法面の雪が緩み滑りやすくとても危険な状態になっています。くれぐれも雪には油断しないで。

一般質問には4議員

きのうは本会議2日目、一般質問の日。

4議員が、防災対策、新規起業支援策、財政見通し、交通安全対策等について質問に立ちました。質問内容への深い関心もあってか、傍聴されるみなさんのまなざしにはとても真剣さを感じた半日でした。

議会事務局提供

午後には陳情審議を終え、予算特別委員会、広報対策特別委員会が開かれました。継続して審査されていた農業関係の陳情1件は付託されていた産業建設常任委員会の結論とおなじで全会一致で不採択。総務教育民生常任委員会に付託されていたほか5件の陳情は委員会の結論どおりすべて全会一致で採択となりました。

議会事務局提供

久しぶりに陽射しの見える一日となったきのうは朝の除雪車出動もありませんでした。しかしそれもつかの間、明日にはさらに積雪が重なりそうな気配です。そうなれば雪下ろしがいっせいにはじまるでしょうから、お互いに事故には充分に気をつけあいたいものです。

今日は常任委員会の活動で小中学校などの視察訪問があり、同行です。

「力士さん見て歩き」の著書をどうぞ

いっきにこれは根雪の村になったといってもよいでしょう。我が家そばの小沢も完全に真冬のおもむきとなっています。

今週はまだまだ雪降りが続くようで、「あんまり多くならないうちに」と考えてなのか、昨年よりも一週間ほど早く屋根の雪下ろしにはたらく姿もちらほら見られるようになっています。こちらも、やれるときに少しずつやっておこうと、まずは車庫の屋根に上がりました。

さて、野も山も沢も雪で覆われるこれからは、いつもより読書に気分が多く傾きます。ため買いしていた本を繰り返し読んだり、読まず、重ねたままにしていた本を久しぶりに手にするのが多いのも雪の季節です。

先日から繰り返し読んでいるのは「力士さん見て歩き」(渡辺 修著・秋田文化出版(株)発行)。県内や山形の神社やお寺の屋根下隅などに飾られている彫刻力士像をとりあげた著書です。今年の3月に発行されています。

今年は、村のことをとりあげる著書が県内の出版社から相次ぎましたが、「力士さん見て歩き」もその一つ。なにしろ、東成瀬大字田子内地区の平良、肴沢、田子内、下田の各神社にある力士像が、著書の最初に紹介されているのです。また、カバー表には県内の力士像7体が並び、その中央に平良・山神社の見事な力士像が、著書の象徴のようにしてデンと載せられてもいます。著者は村の力士像にかなり惚れ込んでいるのでしょうか。

かって、この力士像に注目した村役場の担当課が、村の観光案内パンフレットにこれらの力士像をとりあげてから、「こんな、すばらしい彫刻の力士像が村にあるのか」と村内はもとより、村外の方々にも話題をよび、その道の通の方々は神社へもよく訪れているようです。

私も、それら力士像の謂われなどを知りたいと思っていたこともあり、本屋さんで著書を目にしたときは「おっ、ありがたい」の感謝の思いで早速買い求めました。それら神社の彫刻は「村の宝」ともいうべき遺産です。興味がありまだお読みでない方には是非ご購読をおすすめします。それと、もっともっとこの力士像を意識して発信してゆくべきですね。力士像の遺産の価値に気づきパンフレットにした先駆的なとりくみも村にはあったのですから。

▼役場所在地で80㌢、わが集落では95㌢の積雪とされたきのう、田子内で用水路そばでの除雪作業によるとみられる行方不明の方発生の報が入りました。この寒さですから安否が気づかわれます。なんとか無事で発見されることを祈るばかりです。

女性政治家の目立った山形の起工式典

予報されたとおりの寒波がきて、お天道様は「はい、これで根雪です」とドカッと厚い雪を積もらせました。里山で今年最後の活動をしていた村のクマたちも、これでほとんどが冬ごもりの穴入りをしたでしょう。例外はいるでしょうが。

8日朝にはこちらも今冬最初の除雪機械を動かし、今朝まで3日連続の雪寄せです。積雪はいっきに50㌢を越え、時折遠くがみえないほどに降り続いていますから、まだまだ重なるでしょう。

7日は商工会の年末懇談会。語り合いのなかで、今後の議会活動に反映させなければならないいくつかのことをお聞きすることができました。

きのうは、国道13号新庄金山道路の起工式で副村長と二人新庄市へ。大雪のなか、作業が間に合わないためか、湯沢~横堀間の自動車専用道の除雪が悪く危険で、一般道よりもデコボコで轍跡のある道をトロトロと静かに走り式典会場へ向かってもらいました。「除雪のゆきとどいている村の国道のほうが、ずっと走りやすい」と思わず言ってしまうほどに、除雪の違いを感じた日でした。

式典は大がかり。知事をはじめ国会議員も多数あいさつに立たれ、秋田側からは、横手、湯沢、羽後、東成瀬の首長や議長、一部その代理が出席しました。

ところで、「世界の先進国にくらべ女性政治家が少なすぎる」といわれて久しい我が国ですが、きのうの式典会場で挨拶に立たれた吉村知事も、同じように来賓であいさつを述べられた加藤代議士と大沼参議院議員も女性。式典には欠席でしたが、もうひと方の女性国会議員舟山氏もおります。山形はこのように女性政治家を多く輩出している先進県。なぜ、このように女性のトップ政治家が多いのでしょうね。そんなことを思いながら帰路につきました。

村の里山は広く深し

面積およそ203平方㌔㍍の広いわが村は、その多くを山林がしめています。

村全体の山林の様子と、それらの山に通ずる林道の状況をよくつかんでおくことも議員や議会の大事なつとめです。私は山歩きの趣味と重ねてあちこちの林道、とくに郡境、県境をまたぐ「峰越し林道」などに時々車を走らせます。その時期は、ほとんどが山の見通しがきく晩秋から初冬。各林道の管理状態もそれである程度確認することができます。

今年は、滝ノ沢から山内武道金山沢方面に越える道、そして先日の入道から岩手西和賀町川尻へ越える道を通っています。めずらしくまだ積雪のなかったきのうは、役場で所用を果たした後、肴沢から前山沢に入り増田町滝ノ下と田子内大沢に至る林道を走りました。

肴沢の林道は、手前の改良舗装が今年行われ途中までは快適。ですが、郡境近くになると幅も狭く、きつい勾配やカーブを覚悟しなければならないのはいつものこと。例年なら積雪となりもう通れない時期ですが、今年は二度目の積雪も消えきのうまではぎりぎりセーフで通れました。山全体がひっそりと静まるなか、途中、ぬかるみや一部土砂落ちで走行トラブルがあれば困りものと思いながらも、やや悪めの道の孤独の山越えをしてみました。

側溝のない林道は流水によって路盤が荒れるのはいわば宿命みたいなもの。大沢川の林道も上流部のその荒れがかなりで、「溝に車輪を落とさないようどこを走るか」とタイヤの通り道を慎重に選ぶような箇所も一部あります。

各所で水切りのゴムなどを設置し荒れ対策もとられていますが、未舗装の林道管理はいずこもほんとに大変なことが、こういう様子をみてもわかります。山を本気でまもるなら、こうした郡や県境を越える林道舗装改良事業への大幅な予算対策をとることが、とくに国と県にはもとめられます。

土倉も、滝ノ沢も、そしてきのう通った肴沢~田子内も、みな集落のいのちをささえる貴重な林と水源のある山です。きのう通った郡境沿いにひろがる入会林野のブナとミズナラの森はいつ見てもすばらしい。それだけに、だれでも入れる安心できる道も必要なのです。

こうして峰越しの林道に入ってみれば「村は、広いなぁ」とつくづく思います。肴沢もきのう通ったのは前山沢のほんの一部だけ。ここにはほかに支流の元山沢もあります。大沢も名のように大きな沢で、ここもほかに支流の一ノ沢があります。さらに双方の小沢はそれこそ無数で、里山とはいえ、峠で見下ろせばなんと深く広いもの。大字田子内地区の里山すべての沢を源まで歩いてみたいものですね。源流のそのほとんどがブナの森ですから。

▼家まわり散策のキノコだよりもこれが今シーズン最後となりそう。ナメコもエノキタケも幼菌があり、積雪がなければまだまだ摘み取れますが、今度の寒波で村は根雪でしょう。ために、来年春まで、キノコだよりはひとまずおやすみ。湧水のクレソンは別ですが。