オオミヤマトンビマイタケの大人のカオ

わが集落でナラトビと呼ぶオオミヤマトンビマイタケが人間で言えば一人前の大きさになった姿です。

こちらの通う一本のミズナラ大木には毎年3回ほどのサイクルに分けてこのキノコが発生します。今季はすでに2回目までの発生を紹介しています。

今回は2回目の採取時に大木の根元にうっすらと白くキノコの形があらわれていたのを観ていて、それからおよそ2週間ほど経っての訪れです。「見置き」をしてから間をとりすぎたので幼菌を通り越して大人のカオになっていたというわけです。これでもまだまだ大人の入り口程度の大きさですが、大きな背負い道具でも入りきれないほどです。「オオミヤマ」の名がつくだけに、このキノコはもっともっと大きくなります。

トンビマイタケとちがい大きくなってもキノコ全体の肉質は案外軟らかく、80㌢ほどの大きさになっても食べられる部位が多くあるという食通にとってはありがたいキノコです。一本の木に生えている量で一年中の食が楽しめるということではマイタケやトンビマイタケと同じ。一箇所での収穫量の多いキノコとしては筆頭格でしょう。

数年前までは「眺めてうれしいキノコ」として我が家の食卓にはあまりのぼらなかったキノコですが、ここ2~3年ほど前からは8月のキノコとして食に欠かせぬ存在として扱われるほどで、我が家では「おいしいキノコ」の仲間に加えはじめています。厚くて軟らくて少し歯ごたえのある肉質はまるで「山でとれる肉」のよう。和、洋、中、様々な料理にむくキノコです。

山道沿いのヤマブドウの蔦にはほぼ充実しきったいくらかの実が着いていて、これから黒く熟す季節に入ろうとしています。この蔦に着く房実の数をみてその年のヤマブドウの作況の目安にしていますが、それからみれば今年のブドウはまずまずの作柄になりそうです。