愛くるしい訪問者

おととい午後のこと。この冬に何度も家まわりに飛んできている1羽のシジュウカラが、曇った窓をはさんですぐ外の雪の上にいるのを室内から目にしました。

しばらく様子を見ていての後、カメラを取り出し外に出て写そうとしたら、こちらを早くに見つけそばの木に飛び移ってしまいました。

鳥たちを写そうとする時はたいていこんなことが多いのですが、この日はいつもと少し違う展開がそのすぐ後にありました。なんと、そのシジュウカラが、家の風除室にまで入り込んできたのです。

たまたま玄関の戸が少し開いていた時にそこから入り込んだらしく、気づいたこちらが居間から玄関に近寄り追い出そうとしたら、こんどは逆に居間にまで飛び込んできました。

室内のわずかの隙間に隠れて出てこなくなったのを、やっとのことでつかまえ外に飛ばしてやりましたが、その後もシジュウカラは家のまわりからはなれず近寄ってきています。

先日は困りもの訪問者のアオゲラくんを載せましたが、そんな訳で今日は、どなたが見ても「可愛い」といいたくなるでしょうシジュウカラです。つかまえた時には必死の目つきで逃げようとこちらの指先を小さな嘴で激しくつつきました。命をまもる術としてつかえるのは嘴だけでしょうからそれは最大限の抵抗だったわけです。生きているシジュウカラを手中にしたのははじめてですが、これほど激しい防御の動きをしたのには意外を感じました。「か弱い小鳥でも、命がかかればこんなに必死の抵抗をするのだ」ということを教えられました。

冬の間、我が家のまわりによく訪れる小鳥たち。みんな目的は食にありです。軒先に棲むクモなどの虫を食べるのはシジュウカラの仲間とアオゲラ。それに雪消し水が常に流れる舗装面に棲む水棲昆虫を求めにしょっちゅう飛び寄るのはセキレイ、そしてなんでも食べほうだいのカケスやヒヨドリの仲間たちです。

▼「これが今冬最後の雪下ろしだろう」と、田んぼわきにある小さな農具置き場の雪下ろしにきのう向かいました。終わって、田んぼそばの秋田杉の美林を通り小高いミズナラの森から集落を眼下に。気温の割には風が冷たい一日となりました。

毎冬のように森の中にあるタヌキとアナグマの巣に立ち寄りました。夏場は出入りしている土穴がたくさんあるのですが、いつの年も冬は雪のために2つか3つに出入り穴数は限られています。しかし今冬はこの通りの大雪。アナグマは冬眠中でしょうが、冬でも活動するタヌキたちは豪雪で出入りが難儀なためか、今年はたった一箇所の出入り口を確保しているだけ。さすがタヌキ、賢しいもの。積雪3㍍を少し越えるだろうこの場所、土穴の上のほぼ垂直の3㍍深さの雪穴を彼ら一家は出入りしているのです。たいしたものです。