週末から連休にかけては、田んぼの畦草刈りや敬老会、その合間にブナの森深山へ、そして久しぶりに訪れた童と川辺で過ごしたりの日々となりました。
畦草刈りはこれが5回目で、今シーズン最後の作業をきのう終えました。畦はきれいになり、排水をよくする作業も可能な範囲のしごとは済み、コンバイン、乾燥籾すり機械の準備・点検もすべてOK。あとは稔りの具合をみて稲刈りの時期を待つだけです。
ブナの森の深山へも、この時期にいつも通うように足を運んでみました。
山行きの目的は、早生のミャゴ(マイタケ)です。プロもセミプロも、「増田のお祭り(15日)来れば、早生ミャゴ、生える(おえる)」のことを体験から知っています。マイタケが早く出るのは完全な立ち枯れ木か立ち枯れ寸前の木、または倒れた木の根元が多く、まずはそういう木を狙って人々は歩きます。
しかし今年はその早生でもまだダメ。いつもの年なら量の多少は別にして採り頃となるはずのミズナラの枯れ木などにもマイタケはゼロ。幼菌もまったく見えません。その道のプロの方も、「まだ全然ダメ。こんなことはめずらしい」といいますから、今年は遅れが著しいのか、不作か、そのどちらかでしょう。もう一週間から10日ほどたてば結果がわかるはずです。
マイタケはゼロでしたが、ミズナラ大木の根元にはありったけ生長したナラトビ(オオミヤマトンビマイタケ?)が、翼をひろげたように大きくなって見えました。土地の人々は昔からこういう大きくなりきったキノコを「飛ぶようになった」と言います。言い回しの妙とはこういうことを言うのでしょう。このキノコはトンビマイタケとちがい生長しても軟らかく、「味噌漬け用に」と背負ってきました。二株ほどを採ったらリュックにいっぱいとなるほどの量です。人と比べればこのキノコの大きさ具合がよく分かるでしょう。
ミズナラの根元には大きなガマガエルが休んでいて、私の仕草をじっと見つめているようでした。
林を歩く途中、晩生のノギウヂ(エゾハリタケ)がまだ若い状態でブナの幹の高所にびっしりと張りついているのも目に入りました。まだまだ大きくしてから採ればいいのですが、
姿につい見惚れてしまい、半分ほどをナタで切りとり頂いてきました。残りは後にする予定です。これは味噌漬けにされ、珍味として村では昔から楽しまれてきた食文化の一象徴となるキノコ。市販価格も、天然マイタケやシシタケ(コウタケ)並かそれ以上となる、村や界隈の食通の間ではとっても価値の高いキノコです。
そばには、一時「制ガン効果がある」などとして盛んに利用されたサルノコシカケ科のキノコも。きれいにならんでいたので写真におさめ、いくつかを飾り物用にと背にしました。