またまたカラスのくるみ割り

先にカラスのクルミ割りのことを書いて、「道路にクルミを落としておいて車に割らせる技」ということを強調しました。

ところが、それは私の主観が先走り過ぎた判断のようでした。それで、主観をやや除いて、現場からみたカラスのクルミ割りの方法をここにもう一度お知らせします。もう、とっくにカラスのそういう姿を目撃していて、おわかりの方も多いでしょうが。

私は、「クルミの実は堅いだけでなく軽いので、空中から道路に落としても自重のちょっとした加速度の衝撃程度では簡単には割れないだろう」という前提の思い込みがありました。でもそれは誤り。結実してから一冬外で越したからでしょうか、それとも、実が雪に触れていて湿っているからでしょうか、この季節、外にあったクルミの殻は空中高くから落とされるときれい半分に割れるのです。

それをこの間2箇所、2羽のカラスで目撃しました。クルミを咥えたカラスが、電柱ほどの高さまでふわりと舞い上がってそのクルミを道路に落としたのです。高度は「電柱ほど以上の高さ」がミソです。しかもそれは車道だけではなく歩道にもです。この光景をみて、「ははあ、カラスのクルミ割り手法は、車につぶさせるのが主な方法ではなく、落とした衝撃で割るのだ」ということを確認できました。

もちろん、殻を車に割ってもらうことを考えているカラスもいるかもしれませんが、この季節の「割り」の第一手法は「落としの衝撃力」を利用するということです。クルミの実は、結実直後とちがい、雪の下でこの時期まで貯えられれば殻の閉じがもしかしたら緩くなっていて、それで今は「落としの衝撃」だけで簡単に真ん中から二つに割れるのかもしれません。季節によっての殻の堅さ、柔らかさまで彼らがもし知っていての「クルミ割り技法」だとしたら、それはさらにカラスの賢さに脱帽することになります。

雪のない国道を走れるようになった春、方々の道脇で、クルミを咥えたカラスが目に入ります。そういう時、みなさんが見たカラスはどんな行動をしていたでしょうか。