村は世界有数の豊かな食の郷

雪国の2月、3月は、まだまだ貯蔵山菜やキノコが喜ばれて食卓にのぼる時。

我が家でも、納豆汁用に欠かせぬワラビやサモダシ(ナラタケの仲間)、煮物に重宝するサグ(エゾニュウの仲間)やウドなどが週単位で少しずつ塩出しされ、栽培しているゼンマイもほぼ毎日の食卓につかわれるため、これも乾燥モノの戻しがされます。

ほかに、妻の手で瓶詰めされていたミャゴ(マイタケ)、シシタゲ(シシタケ)、ヒメジ(ホンシメジ)、ハダゲヒメジ(ハタケシメジ)、クリカラモダシ(クリフウセンタケ)も食卓をにぎわし、塩漬けされているアガキノゴ(サクラシメジ)、カノガ(ブナハリタケ)、シトリテデ(ウラベニホテイシメジ)、ハギモダシ(ホウキタケやホウキタケの仲間たち)、トビダゲ(トンビマイタケ)、ナメラコ(ナメコ)、ノギウヂ(エゾハリタケ)そして山菜のタケノコ瓶詰めも時にその仲間に加わります。

先日のNHKは、奥会津地方の山の幸と人々のくらしを見つめる番組を放送しました。日本各地の豪雪の土地はいずこも国内最大最高級の山菜やキノコが数多く産する地でしょう。そこの冬の食卓は、旬の春や秋に見劣りしないほどに、山菜やキノコのオンパレード。

人の手をかけて育てるおいしさとびきりのあきたこまち、トマト、菌床シイタケや野菜などもいっぱい。雪国のわが村は、ほかの豪雪のまちやむらとともに国内有数、ということは世界有数のゆたかな食の郷ともいえます。昭和までの時代なら、これにノウサギやヤマドリ、カモ、川魚(もっとむかしならおそらく成瀬川に遡った鮭や川鱒も)などをふくむ動物たちの肉も普通のくらしで食されていましたから、ほんと、食は豊かだったんですね。