このままなら難儀でない冬ですが

村はずれの庚申塔がまだこんなによく見えます。我が家のように3度の雪下ろしをしたところがあるとはいえ、きのうまでの今冬は例年にないほど雪は少なしです。

過ぎた29日、風邪の治った童が「雪で遊びたい」と訪れいつもの河川敷へ。ここもいつもの1月末に比べれば積雪が少なく、雪を相手の遊び勝手もちがってきます。

雪原を歩けば、この時期になるとよく見られるユギムシ(セッケイカワゲラ)の成虫がいっぱい。村の冬に雪上で見られる昆虫はこれぐらい。俳句の季語ではこの虫を「春」としているようですが、立春の頃から動きがよけい活発になるからなのでしょうか。

この虫、微生物を食べて長い冬を生きるといわれます。生態系は多様、ほかの昆虫たちとちがい冬に休まない変わった虫と聞くと、関心度が増します。きっと、この虫を喜んで食べる鳥たちもいるのでしょう。先日、ジョウビタキが樹上から雪原に舞い降りていましたが、もしかしたらこのユギムシをとらえていたのでしょうか。なにしろ羽のない成虫、つかまえるのは容易いですから。

雪上には、樹に上ったテンが高所から雪原に大きくジャンプして降りた跡も見られました。

童と戯れていたら、近くの川下から「バンバンバンバン」の激しい連続音。「おっ、鉄砲ぶちだぞ、カモ、飛んで来るぞ」と言ったらすぐ、何十ものデロガモ(カルガモ)、アオグビ(マガモ)もなんぼか混じった群れがいくつもの集団になって飛んできました。

秋田のカモ猟期は1月末まで。「同じカモでも寒中のカモは脂がのって最も美味」とされてきました。あの連続散弾発射音と群れの数ですから、そうとうの極上カモが鉄砲ぶぢたちの手におさめられたでしょう。川は、美味の鳥肉も育むのです。