立春をむかえて並の冬らしく

週末の寒波が過ぎてから、住家や農作業小屋など今冬4度目の雪下ろしとなりました。風が強かっただけに雪は風下となる屋根の東側に多く積もっていますから、母屋だけは風下半分の下ろし作業に止めておきました。風の強い集落では、多くの家で大きなマブ(屋根や雪原にできた雪庇)ができていました。

屋根にできたマブが予想外に成長していて、それを踏み抜いて転落の危険もあります。フギ(吹雪)の後の雪下ろしはいつの年も要注意。また、山の尾根にできた同じような雪庇を我々山人はダシという別の名でよび、これも冬の山行の人々にとっては、転落の危険や雪崩誘発などで怖い存在です。

成長しきったダシに近づくと、カンジキの爪の一踏み、スキーヤーならストックの一突き、わずかの震動でもビビーッと一気にダシがひび割れ大規模な崩落がおきます。急斜面ならその崩落がワス(表層雪崩)を誘発することもあります。近年はスノーモービルの方々や山スキーの方々の深山入りもあるようですから、大雪後のダシ落ちやワスの恐ろしさをよくよく知ってほしいと思います。

村のマタギたちから雪の山歩きを教えられた後継ぎの我々は、「大雪の後に、きづいヒラ(急斜面)を、あれぐずぎは(歩く時は)、ヘラ(狩猟専用の雪ベラ)を、ワより(自分より)下につげ(突け)」と言われたものです。場合によってはヘラのたった一突きで発生するワスに巻き込まれないためです。

もちろん雪山(特に大雪後)では急斜面を横切らないことが鉄則ですが、最短距離を選ぶ時などは希に鉄則に反することなどを私もやってしまったことがあります。しかし、あのカモシカでさえ、急斜面を横切っていて雪崩にやられることがありますから侮りは危険です。

先日の寒波で尾根筋のダシや雪原際のマブはほぼ一人前の大きさに成長しつつあります。今朝は1℃で雨、きのうから暖気で積雪は下がりましたが、だんだんと並の冬に近づき、村予算の除排雪費(冬期交通対策費)の追加補正などが必要で今日は議会の臨時会議が開かれます。

雪下ろしの合間には「雪で遊びたい」とおとずれた童たちといつもの河川敷へ。きのうは、村の要望活動で毎年お世話になっている地元選出代議士の国政報告会に出席。各方面で年内解散がささやかれるなか、加えて今年の秋田は昨年に続き地方選挙も多く、知事選、各市町の首長選、議員選が目白押し。管内では湯沢市と羽後町の首長選、湯沢市の市議選がひかえていて、どの席でもそれらにまつわる話題が豊富となった集いでした。