おっ、雪国で元日の朝にお日様

あけましておめでとうございます。雪国としてはめずらしくまことにおだやかな元旦をむかえた村でした。過ぎた年に感謝し、年はじめの空のように平穏な一年であることを、仏壇や神棚を前にして願い、大晦日と新年を過ごしました。


▼今春4月までのつとめで地元集落神社の別当役がまわり番できていて、大晦日と新年は初詣の方々にむけた準備や役目につきました。

まず年越しの日は参道の雪を除けて道をつけ、門松を据え、社の掃除。そして夜から午前にかけては参詣の方々をおむかえするつとめです。

今冬二度目の比較的多くの降雪が年末ぎりぎりにあり、積雪もやや重なって神社のまわりは雪の村らしい年越し年始となりました。元日の朝は、神社境内の杉に注いだ陽射しが木漏れ日となって参道へ注ぐほどに穏やかな空模様です。社のなかでもこの日交わされるあいさつは、「あけまして おめでとうございます」に続いて「そら(空・天気)、えぇふて(よくて)、えがったんすな(よかったですね)」そして「この、そらみでぇ(お天気のように)、えじねん(一年を通して)、えばな(穏やかであってくれればね)」でした。

▼年末28日、役場で仕事納めをした後、池や自家用水道の取水口点検で自宅裏手の2つの沢へ入り、周回しました。一度降った1㍍を超える雪も、その後の暖気でかなり薄くなり、残っている雪も堅く締まってちょうど春の堅雪シーズンのようにこの日はカンジキなしでも楽に雪上を歩けます。こんな日に十分な時間があったら焼石方面奥深くに日帰りでもむかえるのになぁ、そう思いながら高見で三界山方面をながめました。沢は雪解けもあって地面の露出範囲が多く水も豊富。そのために、用水路の取水口などには木の葉や小枝が詰まりやすく、どこの集落でも、水の取り入れには手間ひまを要しているでしょう。

▼29日は、童のお相手役で成瀬川の川向こうを渡り歩く雪上散策。川に注ぐ清水の小さな滝でのどをうるおし、河川敷の柳の立ち枯れ木に出ているユギノシタキノゴ(エノキタケ)を採り、河原で石投げをし、サシドリ(オオイタドリ)の枯れた茎を折って刀にして「たたかい」をやり、ソリに乗り、木に登り、時ならぬネコヤナギを見たりです。自宅から半径500㍍ここら一帯は、夏も冬も、童と私にとって遊びの楽園です。

娘が「門松にツルウメモドキと椿を添えたい」というので、それにならって今年は我が家も少々の飾りをつけた門松にしました。幸い、自宅から200~300㍍ほどの範囲に松もツルウメモドキも椿もあります。31日、膝までぬかる雪をこぎ、だいぶ色が落ち始めた実と緑の小枝を手折り、松に添えました。

▼年越し夜には妻と二人で童たちの大好きな納豆汁用の納豆つぶし。元日朝は、やはり、サモダシ、ワラビ、あぶらげ、豆腐など具だくさんの「納豆汁がなければはじまらない」です。そして新年、三箇日限りの「朝湯」で童と外を眺めつつ、気分大転換でゴーです。