春のはしりはネコヤナギ

雪の村にくらしていると、1年の半分は冬のようなもの。むかしとちがって堆肥のソリ引きとか木材伐り出しとか雪の上の労働がないだけに、いまのわが家の冬は心も体も案外ゆっくりできます。それで、春のおとずれを心待ちにしていながらも、冬とはちがって外働きがあまりに多忙となる春が近づくと、冬がもっと続いてほしいようなどうも複雑な心境になります。

冬眠するクマ公たちほどではありませんが、わが家の冬のくらしは外働きということでは除雪以外は半ば冬眠みたいなもの。その分、雪が解けてからの半年で1年分の外働きをぎゅっと縮めてやるようなものですから、春をむかえる頃になると心模様が複雑となるわけです。

CIMG2293-1CIMG2297-1CIMG2305-1CIMG2310-12月も下旬入り、気の流れ、雨混じりの天気でまず膚が春を感じとり、目は土と岩肌がむき出しにされるヒラ(底雪崩)で春をとらえます。そしてなんといっても雪の村の春告げ役のはしりを感ずるのは川原のネコヤナギ。今年はいつもよりかなり早く冬衣を脱いだ銀の穂が初春の風に揺れています。

CIMG2312-1CIMG2316-1ネコヤナギの川原にはウルシの木もあり、まだ房実が半分ほどは着いています。小鳥やヤマドリ、カラス等々多くの鳥たちにとって今は食べものが最も少なくなる時。その時に命をつなぐ大切な実がウルシ。

DSC_0002-1木の下にいたら、ムシを食べるコゲラが実の房に止まっていました。木をつついてムシを食べるのが得意のキツツキたちも、いまはウルシの実を頼りにしているのです。