並みの年よりかなり早く芽吹いたブナとあわせてまわりはいよいよ春本番。
きのうは、そんな春のおとずれにさそわれ山菜採りに出かけました。本格採りではなく「山の様子見」という程度の軽い歩きです。
向かったのはわが集落や河川敷が見下ろせる自宅前の山。大きな雪崩がある箇所のため山菜もカオを出すのが早いところです。
コゴミならもう村のどこでも真っ最中。しかし、ホンナ(ヨブスマソウの仲間)やウド、ナンブアザミ、シロデホンナ(ソバナ)、イワダラ(ヤマブキショウマ)、トリアシショウマ、ゼンマイなどを早く採るならヒラ(全層雪崩)落ちの最も頂部をめざして上がらなければなりません。
まずは途中のコゴミ群落で腰を下ろして景色やニリンソウ、チャワンバナコ、オオバキスミレなどの花々をながめ、いっきに上を目指します。ところが、体は冬の間の運動不足でなまっていて、それに体重も3㌔ほど増えていますからめずらしくハァーハァーと吐く息は音をたてます。それと一年増しに体も老いているわけですから、本格山行ではなくてもさすがに歩き始めのいっき登りはきついです。
この日向かった山は北向き斜面。陽当たり良い南向き斜面のヒラ跡よりも山菜の出は遅く、頂部まで上がったものの、ウドやホンナ、アザミはまだほんの狭い範囲でしか見られません。湧水のそばではワサビも花をつけ、ミズ(ウワバミソウ)もカオをみせています。
コゴミだけは村内いずこも真っ盛り。わが家では味噌汁、鍋物、和え物、炒め物にと、これからしばらくは食卓からコゴミがはずれることのない日々となります。どこでも簡単に採れて、クセがなく、どんな料理にもすぐつかえるコゴミ。わが家にとってのコゴミは、暮らしの大事な応援役、栄養確保のうえでもありがたい、ちょうど今の時期は食卓の救いとなるような山菜です。
アザミのトッコ(茎)は朝餉の味噌汁で、ホンナとアイコ(ミヤマイラクサ)、ソバナ、イワダラ、トリアシ、コゴミ、オオバキスミレは夕餉のおひたしと和え物でいただきました。それぞれ完全無農薬、化成肥料無しで育ったとびっきり新鮮な山野の緑菜たちです。それら自然の菜を栄養にとりこんだ体は、五臓六腑全部に新しい血をめぐらせて老廃物を掃除してくれているようです。山菜は、これからの私の動きの元気の源となります。