まわりはみんな天然の野菜畑

春以来、わが家の食卓には山菜が途切れることなく上がり続けています。

ちょうど今の季節はやはりワラビが主ですが、雪解けの遅い谷から採られてきたホンナやウド、アザミ、コゴミ、そして太くて軟らかくてかたちのいい旬のネマガリタケノコもどんと登場です。

それに加えてミズ(ウワバミソウ)もそろそろ食べ頃になりはじめたので、わが家では、住まいの軒下まわりや田んぼ脇に群生するなかから少しずつ抜き取って味噌汁の具としています。もう少し経てばフキも採り頃となります。

畑で採れる栽培ものの野菜が本格的に出るまでの間は、こうして家周りや田んぼ脇、すぐそばの里山で採れる山菜で食を保ち必要な栄養をとることができますから、山のくらしとはうれしいものです。

わが家ではこれからしばらく「おしる草(おしるぐさ・集落では味噌汁のことをおしると呼ぶ。草はそれに入れる菜のこと)、採ってしてけろ!(採ってきてください)」という妻の声がかかる度に、田んぼの水見回りついでに畦際でミズを抜き採り、残雪がある里の谷に10分ほど車を走らせてはアザミやコゴミを手にして山の菜をたっぷりと利用します。ここではまるで、野と山がたくさんの菜を育てる天然の共同利用畑のようでもあるのです。

写真は、6月6日のわが家の山菜食。サバ缶で味噌煮したネマガリタケノコ、コゴミのごま和え、ホンナとワラビのおひたし、ウルイとミズの入った味噌汁です。