花の焼石岳ご来光山行(その2)

DSC_0018-1DSC_0022-1DSC_0032-1DSC_0039-1DSC_0047-1DSC_0073-1DSC_0075-1DSC_0076-1DSC_0100-1DSC_0109-1DSC_0110-1DSC_0112-1DSC_0119-1DSC_0130-1DSC_0138-1DSC_0156-1日はまだ昇らぬものの、東に日の出予兆の光がとくに強い部分がある。そこは早池峰らしい山の少し右側あたり。ここから真っ赤な太陽がのぼるはず。カメラを据えた足下のミネウスユキソウが、夜露のしずくと月光に照らされて美しい。

西からは上弦の月、東からは日の出前の薄い太陽光を受け、2つの光線が反射しあう雲海は地球の自転にあわせて刻一刻、1秒ごとに輝きの様子を変える。はじめおだやかだった雲海も所々に雲の波が生じてきた。風と光のつくる芸術だ。目が雲の海と太陽光の強い一点に釘づけとなる。

日の出までに夜の景色を堪能できたので時間はあっという間に過ぎ、いよいよ予定の日の出時刻。光線の強いところに二本の光が輝き、「おっ、出るぞ」と心と手をカメラに構えた瞬間、たちまちのうちに太陽は顔を出し、勢いよく昇り始めた。時刻は4時32分。

「日の出は、シャッターチャンスの時間が少ないから」とよく言われるが、ほんとにそのとおり。ドキドキして、まごまごしていて、それにいつものように写真の技はないと思っているこちらなので、肝心の写真は、現物の日の出に申し訳ないようなものしか撮れない。それを承知で、日の出前、日の出の瞬間、日の出過ぎの雲海と、シャッターを押し続けた。

日の出の瞬間は欲張って動画にもおさめ、タゲのすず(焼石の清水)とともに妻へのお土産に。

DSC_0181-1DSC_0184-1DSC_0186-1DSC_0189-1DSC_0203-1DSC_0212-1DSC_0216-1DSC_0218-1DSC_0226-1DSC_0234-1オホーツク海高気圧による冷気がつくる雲が太平洋側に厚く張り、地形の特徴からその冷気が奥羽山脈をこえて流れ込もうとする秋田と岩手、あるいは郡境の雲の様子がこの日は眼下によく確かめられた。この冷気が強すぎると、大飢饉をおこした太平洋側だけでなく秋田側にもそれが流れ込み山間の村は大冷害となった過去をもつ。たなびき、流れる雲は、美しさだけでなく、悲惨な人間社会の歴史を想う雲でもある。

焼石の頂上にこれだけ長く滞在したのは久しぶりのこと。夜露と早朝の陽射しに輝く頂上の花々をながめたり、栗駒、鳥海山や遠くに月山までのぞみ、陽射しと雲海に輝く岩手山や北上山地の山々も目に刻みのこし、下山開始が6時少し前。

今回は横岳方面に足を伸ばしてから姥石平をまわる予定で、岩手側にまずは下る。横岳分岐で「名古屋から来た」という高齢の方と初めてすれ違い「おはよう」の挨拶。山頂そばで、「おはよう」も久しぶりのこと。