たんぼは生き物たちの命の場

わが家には、毎年、勢いよく雑草の育つたんぼが1区画あり、たんぼの中干し(一時的に通水を停止し田んぼを干すこと)にあわせて、取り残していた目立つ雑草(ホタルイ)を引き抜く作業に精を出しました。

機械音なしの作業なので、こういう時はラジオがいい。NHK第一放送がFM局を通じて聞こえるようになった村なので、ABS・秋田放送とあわせ、しごとをしながらいろんな情報にふれることができます。おかげで腰のいたさもやわらぎます。

昔の農作業では、「結い」というしくみで労働力を確保し合い、たんぼでの単調な作業時に今のような携帯ラジオの役割を果たしてくれたのは、笑いをおさえられないほどに「愉快な語りのできる方」や「世間情報に詳しい方」で、どこの結い集団にもそんな「語り部」たちがいたものです。

ただ、おかしなもので、私の記憶では、田植え時にはそういう「語り」がよくされたものですが、同じ集団作業でも草取りの時にはあまりそういう「語り」を聞いた印象が残っていません。ある程度体にゆとりのある田植え作業に比べ、草取りしごとはほんとにきつく、語れるほどの余裕が体と心に少なかったのかもしれません。それに草取りは、ジャブジャブと水をかきまわす作業でしたから、語りの声がかき消されたのかも。

語りも少なし、腰、手首、指は痛むも加わり、たんぼ仕事のなかでも草取りには「いやー、難儀な仕事だったな」という印象しか残っていません。除草剤普及のおかげで、このしごとがなくなったことは助かりますが、無農薬栽培の方々のご苦労を知るのもこの季節です。

と、そういうことでラジオを聞きながら、除草剤の効かない草を時々見つけてのゆとりの草取りでたんぼに入ったら、そこはちょうどボンアゲズ(アキアカネでしょうか)の羽化時。「数え切れない」とはこういう場面をいうのでしょう、たくさんのトンボが午後から夕方になっても稲草にじっと止まったままです。CIMG4984-1

午後なのに羽化最中のトンボもいて、羽化を終えたトンボもすべてまだ羽も体も柔らか、人が近づいても飛び立てません。たんぼは水棲昆虫や両生類たちの貴重なすみかということを、あらためて知ることに。雑草が残っていたおかげで、こんなシーンを目にすることができましたから、ものごとは、何がプラスとしてかえってくるかわからぬものです。CIMG4999-1CIMG4994-1

土曜日は、朝5時から用水路の草刈り作業に「堰組合」のみんなで繰り出しました。この時期になると、雑草は最大級の草丈に成長し頑丈になりますから作業にも時間がかかります。あいにくの雨天で合羽を着け、およそ1時間半で延長約3㎞の水路沿いはきれいに刈り上げられました。
CIMG5004-1CIMG5006-1▼妻が若い頃研修に出かけた館山の花卉農家Sさんから、夏の定期便トルコギキョウが届けられました。暑いなかでも花の育ちはよく、販売価格も堅調ということです。CIMG5009-1