秋にイワウチワ咲く

桜などに時々ある季節外れに咲く花。あたりまえでない時に咲くものですから人々はそれを見て「狂い咲き」などともいいます。

でも植物にしてみれば、たまたま花の咲く環境がととのったから咲くのでしょう。実はこのほど足を踏み入れたブナ原生林のなかで、初春の花イワウチワがたった一輪、秋なのに咲いていました。

長い年月、ブナの森を歩いていますが、晩秋に咲くイワウチワの花を目にしたのははじめて。いま花が咲いても、春とちがいミツバチなどの虫媒ができるわけでもなく、それでも大群生のなかでたった一輪だけ花を咲かせる株があるというのはなぜなのでしょう。だから「狂い咲き」などと言われるのかもしれませんが、自然には不思議なことがいっぱいです。

▼先日、「これ、何だ?」と友人がツチアケビを届けてくれました。落葉が少しずつ進んで、それまでの草藪がいくらかきれいになり、林やヤブの跡がすっきりと見通しよくなります。すると、草に覆われてよく見えなかった赤いツチアケビがとても目立つようになり、友人は「まだ、えっぺぇ(いっぱい)あった」と言います。今年は、ツチアケビにとって生育条件のよい年だったようです。

工事状況等の視察

村議会による、村発注工事状況等の視察がきのう行われました。

議会常任委員会恒例の視察行事で、改修工事が行われている栗駒山荘、中部地区(岩井川)簡易水道更新工事の取水源、地域交流センターゆるるんの外壁フード修繕工事箇所を視察、午後には食肉加工センターの運営・稼働状況などを視察しました。

視察を通じて大きな課題がつきつけられていることを痛感したところもあり、それらは今後の常任委員会活動や議員の活動に反映されてゆくものと思われます。

栗駒山荘の位置する須川高原はすでに除雪車が出動するほどの積雪をみており、森林限界のブナたちは落葉を終えたり落葉の最中でした。

ダム工事現場付近から成瀬川下流部での紅葉が真っ盛り。里山もいよいよ本格的な紅葉シーズン入り、色づきも例年並みに良くなってきました。里山ではイタヤカエデの黄色がとりわけ映え、曇りや暗い雨の日でも人里をぱっと明るくしてくれます。

夏、秋の自給野菜も締めくくり

村の多くの農家と同じように、我が家でも主な夏秋野菜は自給に心がけています。

その野菜もそろそろ生りが悪くなり、トマトはとっくに終わり。夏からこれまでほぼ毎日のように食卓にのぼったインゲンとナスも「これが今年の最後!」と先日妻に告げられました。

これからは、晩秋野菜の大根やホウレンソウ、すでに収穫を終えているカボチャ、ジャガイモなどが自家用野菜では主役となります。白菜も玉になればその仲間に加わるでしょう。

▼きのうは父の七回忌法要。もう七年。過ぎし日をいくらか落ち着いて振り返ることのできるのも法要のひとつの役割なのでしょうか。年月の経つのがほんとうに早く思われるこの頃です。

輝くナメラコ(ナメコ)

「こどし(今年)、木の葉の、色づき遅ぇ」といわれる秋の里山。

遅いのか、それとも霜のあるような寒い朝が少ないために色づきが悪いのかまだどうともいえませんが、集落近くのブナ原生林は落葉がまだはじまりません。

いつもの年と同じ感じで合居川渓谷「いずくら」と「天正の滝」の断崖紅葉をながめにむかいましたが、紅葉名所のここもやはり色づきはまだ今イチです。

ながめた後に足を伸ばし、渓谷の半ばほどまで少しだけ深入りをしました。目当ては10月20日を過ぎればいっせいにカオを出すブナ原生林のナメラコ(ナメコ)。

谷のなかでもこの支沢は、古来、斧の入らぬ原生のブナ林。毎年ナメコをいただいている何本かの大きな倒木を巡り歩きましたが、発生してはいるもののナメコのほとんどが老菌状態で腐る寸前。食べるのはムリ。今年は発生が例年より早かったようです。

ただ、そのうち2本の倒木では晩生のナメコが真っ盛り。太い倒木では、その木だけで荷がどっしりと重くなるほどの収穫ができました。傘が開かないあかね色に輝くナメコの幼菌を地元の人々は「ぎんぼし」と呼びますが、倒木にはその「銀星」もいっぱい。

今年も春からいろんなキノコに出会ってきました。ユギノシタキノゴ(エノキタケ)に始まり、真夏のトビダゲ(トンビマイタケ)、初秋の各種ハギモダシ(ホウキタケの仲間たち)、アガキノゴ(サクラシメジ)、秋本番ではサモダシ・モッコラモダシ(ナラタケの仲間たち)、そしてミャゴ(マイタケ)、シシタゲ(コウタケ)、カノガ(ブナハリタケ)、オオヒメジ・ネズミヒメジ(ホンシメジ)、ハタゲヒメジ(ハタケシメジ)、ムギダゲ(ムキタケ)、ノギウヂ(エゾハリタケ)等々、どのキノコにもそれぞれに魅力あふれる姿とおいしさ、個性があります。原生林のナメコはそれらのなかでも「輝くキノコ」という言葉を最も表したくなるキノコです。この粘りとカネ色の輝き、眺めても食べても素敵ですからね。

写真のナメコが生えている太い倒木には、ムキタケもきれいにならんでいました。そばのミズナラ大木の根元には朽ちたマイタケが見られ、倒木にはカノガ(ブナハリタケ)が、その根元にはヤマドリモダシ(クリタケ)も。

同じようにブナの大きな倒木には見目麗しい姿のブナシラダゲ(フナシメジ)が株になっています。ブナシメジとしてはめったに見られない整ったかたちの良株です。

原生林のなかでは、直径1㍍をはるかに越す大木の幹に大量のノギウヂ(エゾハリタケ)が張りついていました。老菌となって食べ頃(軟らかくなる)の株でしたが、高所に生えていたのでほんの少しをいただいてきました。キノコのなかで老菌をありがたがられるのはこのエゾハリタケだけ。老いて軟らかくなった「山のキノコ肉」を、一夜味噌漬けでおいしくいただきです。

最後の写真は猛毒種のニガクリタケ。写真は幼菌で黄色が目立ちますが、老菌や、幼菌でも環境のちがいではクリタケやナラタケとみまがうほど似ていることがあります。同じ木に食茸と猛毒種が並んで生えていることもありますから要注意です。このキノコ、ごくありふれた可愛い姿ですが、体に秘める毒は最強クラス。子供をはじめ一家の何人もが食中毒死したという悲惨な事故例も過去にはある、とても怖い猛毒キノコです。

▼きのうは、12月定例会議にむけて堤出されていた陳情(医療、介護、福祉関連)について、堤出された方々が説明に訪れました。新型コロナと医療、保健所体制の充実などについて常任委員長とともに現状などをお聞きしました。

花壇にハタケシメジ

植木や多年生の花株を粗放ながら生やしている我が家の花壇。

冬を前にそこの片付けで花の茎を刈り取っていた妻が「あッ、ハダゲシメジある!!」と突然喜びを感じさせる声を上げました。そこは国道の側溝すぐ脇。刈り取られた花茎の間に、あっちにひと株、こっちにひと株と食べ頃のハタケシメジがいっぱい出ているのです。

木材が埋もれた所にはハタケシメジが出やすいといわれます。ここは昔の側溝跡に土を深く盛った所。その際にいくらかの木材が混じって埋まり、キノコ菌の発生環境が整ったのでしょうか。花壇で、味覚はキノコ界最高級のシメジが採れるのですからこれはうれしいものです。

それでなくても我が家の周りの草むらはハタケシメジが出やすいところ。ほかにも3年ほど前は建屋軒先すぐそばのミズナラにマイタケが3個出たこともあり、同じように軒先の花木の下にはムラサキシメジも時々カオを出します。

この日の家周りの林や草むらにはほかのキノコたちも。倒木には老菌となったナメコが、柳には晩生のサモダシ(ナラタケ)、それにトヂナメラコ(ヌメリスギタケの仲間)も見られました。

キノコとのつきあいが深いこちらなので、「キノコ菌までもが周りに寄りついてくるのかな?」などと冗談をとばすなか、里の秋はいよいよ深まります。

 

しぐれ虹の季節

寒気の流れ込みがあり、陽が差したと思ったらすぐ後にはたちまち雨となる天候急変の季節となりました。

先日、気象予報士の方が、そうした寒い天候の下でこの季節にできる虹を「しぐれ虹」と呼ぶことを紹介していました。

その「しぐれ虹」が先日、わが集落でもほんの瞬間見ることができました。天候が急変するので、発生した虹もたちまちのうちに消えてしまいました。しぐれ虹は、もっともはかない虹でもあるようです。

▼村の直売所で人気の高い代表格は、春の山菜、秋のキノコ、そして夏から秋まで長く人々に愛される「成瀬(東)のトマト」です。

そのトマトもそろそろ収穫が終わりに近づきました。先週の直売所にも今シーズン最後に近くなったトマトが並べられていて、「秋の(東)のトマトは、さらにおいしい!」とみなさんからひっぱりだこでした。

きのうは友人からも、おいしいトマトをたくさんいただきました。友や先輩には篤農家の方々が多いので、初モノから終わり初モノまで、シーズンいっぱいおいしいトマトをごちそうになれます。ありがたく幸せなことです。

温もりの炎が点る

きのう、半年ぶりに薪ストーブに火を点しました。

秋に入ってここしばらくは、温風式の石油ストーブと反射式の石油ストーブを置いて暖をとっていましたが、この所の寒さで本格的な暖房がほしくなりました。

薪ストーブを据えると、我が家のくらしは少々の変化があり、とくにお湯沸かしや日々の煮炊きでは薪ストーブが大きな役割を果たすようになります。また、日照不足のこれから半年間は、洗濯物を乾かす役割も薪ストーブは担うことになります。

落雪危険箇所の道路改良計画が前進

国道342号「川通」地区の道路改良計画について、その計画策定を進めるための現地測量が今月下旬からはじまる予定です。

この箇所には、道路東部脇の斜面からの落雪が毎年発生していて、昨年度の豪雪の際にも落雪が頻発、村議会3月定例会議の災害対策特別委員会報告でも、大きな被害の発生しないうちの落雪防止の対策が必要であることをとりあげています。

現地測量が始まることは、そうした村と議会の要望に県が素早く対応していただいた結果であり、村民からは「よかった。早く工事が進められるように」と安堵の声があがっています。

▼きのうは身内の葬儀をはじめ、朝から夕方まで何かと落ち着かない時を過ごす一日となりました。

鳥海山はやっぱり頂上まで真っ白。日々の暮らしでは暖房が欠かせぬようになり、我が家はまずは簡易の石油ストーブでここ2週間ほどをしのいでいますが、そろそろ薪ストーブの支度をしなければと、据え付けの準備をはじめています。

県議長会の理事会

きのうは、県町村議会議長会の正副会長会議を開催、その後に理事会が開かれました。

いずれの会議でも、令和2年度の決算、来月22日に開かれる市議会議長会と共催の知事との行政懇談会(来年度県予算等に対する提案・要望)の内容や、やはり来月26日に開催される全国町村議会議長会全国大会にあわせて行われる県選出国会議員への要望活動などについて確認しあいました。

一昨日は人里でも一時あられが降るほどに気温が下がり、その寒さはきのう朝まで続きました。北海道の平地や青森八甲田山系への初雪が伝えられ、栗駒や焼石の頂にも初雪があったらしく、帰りに車中からながめた焼石連峰にはうっすらと白い部分が目に入りました。

それらよりはるかに標高のある鳥海山は、昨年までの積雪が解けないうちに新雪がかなり重なったと思われますが、山体は厚い雲に覆われていて車中からは見えませんでした。「さあ、もうすぐ冬だ!」を実感させられる季節が今年もやってきました。

人里近くの谷も色づきはじめ

わが集落そばの合居川渓谷。人里すぐ近くの谷とはいえそこは奥羽脊梁に連なる名うての大渓谷。

谷のすぐ入り口には、石英斑岩の柱状節理の崖「いずくら」が長く切り立ち、景勝の天正の滝をおとずれる人々は「人里近くにこんなに底深い崖があるとは」と驚くようです。

「いずくら」の断崖は芽吹きの春も魅力にあふれますが、紅葉はさらに美しく、栗駒山や焼石岳とならんで村の紅葉3景勝のひとつともされるところ。

このところの冷え込みで、谷のブナや崖に張りついて生きる木々が色づきを増し初めてきました。谷の紅葉見頃は、今週末頃からでしょうか。