山々はモノトーンの世界へ

隣接の奥州市と一関市に通ずる2本の国道、それに県道は冬期閉鎖。合居川渓谷への林道もふくめ村のほとんどの道路も半年間の通行止めとなりました。

休日は、訪れた童たちとともに近場のブナの森を散策。この時期、立ち枯れ木ならほとんどの樹種の幹に発生しているムキタケ採りを童たちは楽しみました。

深山のブナは完全に落葉が終わり、植林されたカラマツの黄色を除けば山はモノトーンの世界。崖紅葉の「いずくら」も色映えするのはヒメマツ(キタゴヨウ)の緑だけ。

花の百名山・焼石連峰は、地元集落からのぞめるサンサゲェ(三界山)やゴンシロウモリ(権四郎森・南本内岳)にも降雪が繰り返されるようになりました。

こうなれば森の生きものたちも体の装いを完全な冬毛に替えたでしょう。クマはドングリやヤマグリ、ヤマブドウ、ナナカマドなどの実で脂肪をたっぷりとつけ黒光りの毛皮に、キツネやテンは黄金色の毛皮に、ノウサギはほかほか温かで真っ白な毛皮へと衣替えをとっくに終えた頃です。

 

仙人様の大イチョウも色濃く

村でいちばん大きな田子内仙人様の大イチョウも日増しに色づきが濃くなり、樹下には大きな実が落ち始めています。ここのイチョウの実がとりわけ大きく立派なことは近郷でもよく知られています。

「この木の葉っぱが落ちれば根雪になる」というのが昔からの言い伝え。今年は人里にまだ一度も降雪がありませんし、冷え込みも緩く、しかも大イチョウも葉っぱの落ち始めですから、根雪はまだまだ先になるのでしょうか。

仙人修行の滝行が行われる不動滝。ここ数日の雨天で水量を増した滝の勢いが激しくなり、そばのモミジは紅を最も濃くしています。深山も山里も、まわりの落葉が進むと、遅れて色づいたわずかの木々の紅・黄葉とカラマツの黄葉、水の流れがよく目につくようになります。

▼雷雨、大雨注意報、大雨警報など、県内はこの季節特有の長雨が続いています。そんな中、今朝のほんのひととき、県境尾根筋の上に青空がひろがり、久しぶりのお日様を眺めることができました。でも、それもつかの間、やがて空は厚い黒雲に覆われてしまいました。

雪国のこれから半年は、陽射しがほんとに恋しくなる日々となります。

タイヤ交換の季節

やり残しの冬支度がまだまだあるのに、お天気が悪く先延ばしの日が続きます。

それでもきのうは、「タイヤだけはそろそろ交換時」と、すべて履き替えました。これで、いつ雪が降っても動くことでは安心です。

深山に次いで里山も落葉がほぼ終わり、木々たちも冬を越す準備をととのえました。オールカラーの錦模様がなくなったわが集落では、聖僧・了翁禅師が剃髪出家した龍泉寺のイチョウと、実をいっぱいつけているSさん宅の大きな渋柿がよく目立つようになりました。

上小阿仁村議会のみなさん来村

上小阿仁村議会のみなさん全員が、きのう行政視察で来村されました。

常任委員会の視察で、研修目的は、教育行政、ミニライスセンターを主とした農業政策、そして通年議会についてです。

同議会では平成27年に、やはり同じような目的をふくむ研修で来村されており、その後のわが村のとりくみ状況を把握しようとするねらいもあったものと思われます。

上小阿仁村は、類似団体としても含め多くの側面でわが村と似通ったところが多く、これまで私たちもいくつかの政策課題で視察におとずれるなど学ばせていただいております。今後も、自立単独村同士、学び合いながらそれぞれの発展・振興につとめたいものです。

教育長や担当課からの説明と質疑応答の後、田子内ミニライスセンターの視察も組み入れ、指定管理者の法人代表の方にも立ち会っていただきました。上小阿仁村のみなさん、大変ご苦労様でした。

新型コロナ禍でもあり、議会はしばらくの間、視察研修の受け入れをお断りしていました。しかし、ワクチン接種の進み、新規感染者数が減じていることもあり、相手先の状況を判断しつつ緩やかに視察要請へ応ずることとしました。きのうは山口県岩国市議会からも会派の方1名がやはり教育視察で来村されております。

きのうは同じ時間帯で、議会に堤出されていた陳情の説明にも、堤出団体の方の訪問があり、そちらには副議長に応対していただきました。

立冬を過ぎて

「今年最後のトマト!」と、友人からおいしいトマトをいただきました。トマト農家は、降雪がある前に栽培用のビニルハウスのビニルをほとんど取り外し、冬越しの備えを終える時期です。

いただいたトマトは、その時にもぎ取られたもので、我が家にとってもこれはほんとうに「今年最後のおいしくいただくトマト」となります。

早くも立冬を過ぎました。小春日和のなかで美しさを増すのは玄関に咲くサザンカの花。陽射しが暖かな日には、まだ冬ごもりをしない蜂の仲間たちが花をもとめて集まってきます。花と虫たちのこんなうれしい姿がみられるのもあとわずかです。

部落長・自治会長会議

村内に14組織ある※部落・自治会の代表者に参集していただいての会議が5日に開かれました。

春に各部落・自治会から村と議会に出されていた新規の要望があり、それに対する村の対応状況を説明する会議で、春に続いて年2回行われる恒例の会議です。

要望については、村独自にできること、県の対応が必要なことの区別があり、◆本年度すでにとりくんだものやとりくむ予定◆次年度以降に対応◆再検討が必要◆現状では対応は困難の大きな区分けをして対処方法が説明されました。また、昨年度まで出されていた継続要望についても、実現されていない内容について同じような対処方針がしめされています。

当日は、花いっぱいコンクール有良団体の表彰も各部落・自治会に対して行われました。

※村内の各自治組織(地縁団体)はすべて昔から「部落」と呼ばれていました。しかし近年になって「自治会」へと組織名称を変えたところが2地区あり、それで村では「部落長・自治会長会議」としています。

▼7日は地元部落の秋の共同作業です。集落のくらしをささえる基幹用水路(農業、生活、流消雪用水)の草刈りを主にして、公園の清掃作業なども行われました。積雪前に用水路にかぶさる草木などを刈り、雪詰まりなどがおきないよう水路の流れを円滑にするために欠かせない作業です。豪雪の村では、どこの集落でもほぼ同じような作業が晩秋に行われます。

▼「雪が降る前に」と、先日は自家用生活用水の取水口タンクの掃除にも向かいました。

岩の間からこんこんと湧く清水の出口には簡易の貯水タンクを据えています。雪でつぶされたり、クマにいたずらされたりでキズ跡と変形がはげしくなっていますが、何十年も我が家のくらしをささえてくれている湧水源です。

まわりの林は落葉の真っ最中。ナラ枯れ被害で枯れたミズナラにはムギダゲやヤマドリモダシ(クリタケ)が真っ盛りです。村内のほかの里山でも、ナラ枯れ被害木には、ムキタケやナメコがよく出ている頃でしょう。ナラ枯れは、キノコの世界にも大きな影響を及ぼしています。

高速道路建設促進のフォーラム

東北中央自動車道 新庄・湯沢間建設促進フォーラムがきのう開かれました。

実行委員会(延線市町村と商工団体で構成)によるフォーラムで、パネルデスカッションなどもふくめオンラインもあわせた意欲的な方法が初めて試みられました。

パネルデスカッションのまとめとしてコーディネーターの方がものごとを成し遂げるうえで大切なこととして「熱意、継続、人」をあげましたが、これは我々の行いのたいがいのことに通ずる要諦でしょう。

コーディネーターやパネリスト、意見発表のみなさんの議論における的のしぼり、言葉の豊かさはさすがです。経営者として磨かれている感覚の鋭さも強く感ずることができた意義深いフォーラムでした。

冬支度

今後の行事予定やお天気具合などをみて、薪入れ、家屋の一部冬囲い、そしてエドカギ(井戸かき・池の泥上げ)と、3つの主な冬支度をひとまず終えました。

池の鯉は一年増しに体が太く長くなり、飼って50年ほどたった大きいのは網に入れてから「ヨイショッ」と気合いをひとついれて持ち上げるほどにたくましく生長しています。

地元集落からのぞむ焼石連峰のサンサゲェ(三界山)やゴンシロウモリ(南本内岳)の麓はブナの落葉が完全に終わり、木々たちも冬支度を終えたようです。

薪入れをしようと木島(キジマ・割った薪を野積みにした姿)にかぶせた雨よけのシートをはがしたら、シートの中にすごい数の蜂がもう冬ごもりしていました。動きがにぶいので油断していたら、一匹の蜂に指を刺され激痛がはしりました。

冬囲いをしようと積み置いた板を取り出そうとしたら、こちらにはジャゴムシ(アネコムシともいうカメムシ)がいっぱい冬ごもりです。もう里に初雪がいつあってもおかしくない季節。人も虫たちも「雪の降る前」のうごきに懸命です。

▼文化の日のきのう、秋の叙勲も発表されました。地方自治功労として議長会の活動をともにした大潟村議会前議長の阿部文夫さん、五城目町議会前議長の小林正志さん、井川町議会前議長の藤田俊悦さんの3氏が旭日双光章の誉れとなりました。

また、農業委員会会長や農業会議で長く活動を共にさせていただいた県農業会議副会長の後藤久美さん(北秋田市)も受章です。

同級生の古谷実さん、郡猟友会で活動を共にした羽後町の藤原信三さんも消防功労で瑞宝単光章の受章です。各位へ心からのお祝いを申し上げます。

 

川通り「すずりたき」の里紅葉

今日も人里の紅葉です。わが田んぼそば「すずりたき」の崖紅葉も、成瀬川とのセットで見映えのする所。

今は国道から見上げる崖ですが、古代から近代まではその国道の通る箇所は広い河川敷で、崖紅葉の直下あたりは成瀬川の流れが大きくカーブをつくる渕があったのでしょう。崖と大きな流れ、渕のためにここには道がなく、昔人は合居川との合流点でいったん川通りの野にあがり、我が家の田んぼ付近を通って手倉や仙北道へ向かったということになります。

1日、きのう載せた合居川渓谷「いずくら」の崖紅葉もわずかの間に色褪せていました。森のブナは、まもなく本格的な落葉シーズン入りとなります。

▼家周りの散策で目に入ったナメコとクリタケ、それに晩生のハナイグチです。散策がてらに摘み取れるキノコの楽しみは、これから最晩秋、初冬の主役エノキタケへとバトンタッチされます。

散策のコースには、立派にふくらんだツルリンドウの実が見られます。花姿にはそれほどハデさのないツルリンドウですが、赤紫色の実の輝きは、晩秋の林下ではとてもよく目立ちます。

晩秋なので真っ赤に色づいていたガマズミの実が今度はよく熟れてきました。一枝を手折り口にふくんだら、甘酸っぱさが口中にいっぱい。遊び仲間と夢中になって食べ競ったガキの頃を思い出しました。この甘酸っぱさは、食べ始めたらやめられない野の味です。果実酒のお好きな方なら最適の木の実となるはずです。

▼任期満了を間近にひかえた解散で、19日に公示、稀にみる短期決戦となった衆院選が31日の投票で終わりました。

村の投票率は小選挙区で全県トップの75.09㌫。村の投票率の高さはいつの選挙でも同じです。有権者として最も大切な権利を行使するということではごくあたりまえのことですが、これは村として大きな誇りといえます。

ご当選された方々へのお祝いとともに健闘された方々への労いをまず申し上げます。県選出の国会議員のみなさんや各政党をはじめとして、早速今月から町村議長会、豪雪町村議長会などでお願いにあがることがたくさんあります。国会議員の皆様方にはまたいろいろとお世話になることが多くなりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

里山も垂直崖「いずくら」も黄・紅葉真っ盛り

10月の過ぎた週末から11月の始め、里山も、紅葉名勝の「いずくら」も木々の色づきが真っ盛りとなりました。

里山で色づきがひときわ目立つイタヤカエデは黄葉。一方の「いずくら」の崖は紅とヒメマツ(キタゴヨウ)の緑、そして柱状節理の3セットが見せる崖紅葉です。

谷のブナも黄葉がピーク。木々がこういうあざやかな色合いを見せるようになるとあとわずかで落葉が本格化します。

▼29日は県の文化功労者と地方自治功労者の表彰式へ町村議会議長会としてご案内をいただき出席。

町村議会からは五城目町議会のお二人が自治功労で表彰されました。また、湯沢市の柏原議長さんや前大仙市長の栗林さんなど、長年いろいろな活動を共にした各位も自治功労を受賞されました。当日は対面で言葉を交わす機会がありませんでしたので、私からもこの場を通じて心からのお祝いを申し上げさせていただきます。おめでとうございました。