平成最後の年の紅に染まる赤滝

21日に訪れた赤滝です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まわりの多くの林がなくなり、沢の様子が以前の景観とは変わったことや、車道終点からの歩行距離がやや長くなったために、以前よりどうしても足が遠のいてしまう赤滝。

でも、かろうじて滝のすぐまわりだけはもとの景色が保たれているので、伝説の能恵姫様を慕いながら一年に何度もの「通い」を続け、今年は平成年代最後の紅葉詣でとなりました。

この滝で私がいちばん見ほれるのは瀑布そのものよりも、激しい水流が落ち込みつくったクロームグリーンに怪しく輝く神秘的な滝壺と、そこに浮かび回る流木です。

腐食して倒れそうな鳥居をくぐった社の中には、いずこのどなたでしょうか、お酒やお菓子を供え、お賽銭を置いて参詣した跡があります。その方にとっては、ここが何かの大切な心のよりどころなのでしょうか。

谷の紅葉が真っ盛りに

19日に一度ご紹介してすぐ、村の紅葉はわずか3日ばかりで人里近くの谷まで下がってきました。その様子を感じて、赤滝と天正の滝へまた向かいました。今日はきのう天正の滝周囲で切りとった景色をご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

18日に、「色づき盛りは20日過ぎあたりから」と予想していたとおり、合居川渓谷いずくらの柱状節理の断崖は見事な錦に染め上がりつつあります。今日から3日間あたりが最高の見頃かな。

見頃わずか手前のきのうでも、私より先に展望台で立派なカメラを構えていたカメラマンらしい方がおりました。彼は「いいねぇ」と、腕組みをして眼前の崖をじっくり眺めながらつぶやいていました。

仙台から行楽に来ていたこちらの妹一家も「すごいね」と、渓谷の紅葉美に見とれていました。

展望台のそばに倒れた大きなミズナラの枯れ木には、クリタケとヒラタケが顔を出し、里では晩生のハタケシメジが成長を続けています。紅葉とキノコ、いかにも秋らしい季節が今年も人里までやってきました。

▼きのうは村猟友会の総会が開かれました。最近は総会に合わせて村民スポーツ月間のライフル射撃大会も行われ、その表彰もされました。村単独で射程距離200mのライフル射撃場をもつのは全国でもめずらしいようですが、これは狩猟の伝統をまもり、射撃の安全と技術の向上をめざす村と猟友会の熱意のあらわれといえます。射撃場は会員のみなさんの手によって管理されています。

昨年に続き今年も秋田県はクマ猟の自粛要請を止めました。村の会員の一定数はクマ猟とともにシカ猟やカモ猟などで奥羽山脈の岩手側や、遠く沿岸の三陸地方大船渡方面などまで出かけます。

クマは有害駆除としてオリなどで捕獲される数が圧倒的に多いのですが、やはり猟期の季節に猟として捕獲するのが本来の姿といえます。2年続きの自粛なしで、どんな結果が出るか注目されます。

ドングリやヤマグリが豊作で、ブナの実も少し実ったため(一時は並作とされていましたが、結実していない木の実が案外多い)村でのクマの目撃は秋になって減少傾向とみられています。しかし、里山に多いドングリは大がつくほどの豊作ですから、冬眠前のクマたちはこれからも里山に集中しているということを頭に入れておいたほうがよさそうです。

2つの名瀑へ

「紅葉が下りてきた頃かな」ときのう久しぶりに訪れた赤滝です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅葉は予想したより進んでいなくて、お目当てのモミジも本格色づきはこれからです。冷え込みが強くなり霜も降りるようになりましたから、もう5日ほどたったら錦に染まる滝景色が見られるのかな。

昔からあった滝への林道も手前はここ2~3年で面影がすっかりなくなり、道を飾った美しい秋景色の木々も今は切り株だけになりました。滝のそばのシラグヂヅル(サルナシ)にも立ち寄り、太い蔦を見上げました。隣合わせる沢の木々たちも所々で伐り倒され切り株が点在。林の木々は昨年よりだいぶ少なくなり、林の範囲も年々狭まっています。

沢で一番目立つブナの巨木はまだ伐られていませんが、蔦も巨木もその命はあと幾年しかないでしょう。この滝と林と沢に長い間通い慣れただけに、年を重ねる毎に寂しさが増してくるのをおぼえます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滝のそばには、小さなヤマドリモダシ(クリタケ)と、これも小さなコナラヒメジ(シモフリシメジ)が顔を出していました。

 

 

 

 

 

 

 

帰りには天正の滝と「いずくら」にもまわりました。ムラサキシキブの実が目立つ季節入りですが、やはりここも紅葉の盛りはもう少し先。いつの年も、2つの滝周囲の紅葉盛りは20日過ぎ~25日あたりとみておけばよさそうです。

今年最後のたんぼ作業

県内町村の議長さん方は、70㌶を越える農地を管理する法人組織の代表をつとめる方も含め規模の大きな農業を営む議長さんが多しです。先日の議長会理事会の際、話題になったのはやはり「今年、なんとだっけ?」と、お米の収量のこと。北の議長さんも、中央の議長さんも、南の議長さんも、共通していたのは「収量が上がらない」といわれている地域の声でした。

稲作農家は、半額に減らされていた10㌃当たり7,500円だった直接支払い交付金が、今年度からは完全になくなります。それに加えて収量減となれば農業所得は大きく落ち込むことが懸念されます。

収量減が前述の「声」だけにとどまらず全体として「現実」となれば、農家のくらしはもちろん、地域経済にも広く影響が及ぶでしょう。個人、法人を問わず規模の大きな経営体ほどその影響は深刻と考えられます。

さて出荷数量を確保できなかった我が家でもすべて一等米でお米の出荷も終え、降雪前の今、畦草に年に一度の除草剤を散布しました。きのうはその後作業として排水のための溝掘りにも汗を流しました。

刈り取り後の除草剤散布も溝掘りもすべて来春の畦削りや畦塗り、耕起作業を順調に行うための作業で、農家はもう来春のことを頭に入れて段取りをたて始めます。

活躍してもらったコンバインも新しい潤滑油をすべて注し農機具屋さんに点検もしてもらいました。これで今年の田んぼ作業は終了。圃場はもう一月もすれば雪に覆われはじめ、やがて3㍍ほどの雪を積もらせて長い冬休みに入ります。

たんぼで今年最後の作業を妻としていたら、妻が「冬のために、かへで、えるようなもんだな。(冬を過ごすために、はたらいて、いるようなものですね)」とつぶやきました。雪国で生きるとはそういうものなのかもしれません。雪のない季節はほぼ半年しかありませんから、あっという間にもう10月も半ばを過ぎようとしています。
長い冬を越すときに、ありがたいのはあたたかい味噌汁。我が家ではその味噌汁にほとんど毎日つかわれる具がサモダシきのこ(ナラタケ)。そして時々のお吸い物にはハタケシメジ。童たちもサモダシやナメコ、シメジが大好き。納豆汁はとくにです。

晩生のそのナラタケとハタケシメジが、我が家のまわりでシーズン最後の姿を見せています。今年はどちらも作柄がよく、童たちにもたっぷりと食べてもらうことができる冬となります。今回はナメコの老菌(最後の写真)も少し見られました。

井川町の教育、子育て支援策を学ぶ

15日から16日にかけて県町村議長会の理事会があり井川町にむかいました。

県内で初の義務教育学校を設立した町であり、理事会後には早速校舎に向かい、今年度に開校した学校と子どもたちの学ぶ姿を視察しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

町は、平成16年の「井川町学校づくり構想」で、小中一貫教育と小中校舎建設一体化をかかげており、当初は小中一貫校を検討していましたが、国が「義務教育学校」の制度を制定したのに合わせて方針を切りかえたものでした。

1年から6年までの前期課程と、7年から9年までの後期課程の学級担任制と教科担任制が併用となり、副校長をはじめ25人の教員のうち一人を除いてすべて小学校と中学校の教員免許双方を持つ教員で学校運営がされています。

学校要覧の中から町と学校の義務教育学校についての考えの一部をご紹介します。

学校視察後は、隣接する子育て支援多世代交流館「みなくる」も視察。そこは保育園や幼稚園に入園前の子どもをもつ家庭の子育て支援や放課後児童クラブも兼ねる施設で、前段の義務教育学校をふくめ全体として教育、子育て支援にかける町の熱意が私たちにも伝わってきました。

視察のしめくくりには、町が誇る昭和47年に誕生した日本国花苑へ。約40㌶の広大な公園内には200種2000本の桜、300種1200本のバラ、41作品の彫刻があり、ほかにつつじも咲く園内には子どもたちが喜びそうな遊具もいっぱい。よく管理された広大な芝生のまわりには立派なグラウンドゴルフ場やパターゴルフ場、よく利用されるというテニスコートなどスポーツ施設もならんでいました。

施設づくりのみならずソフト面もふくめ、どこの市町村もそれぞれ自分たちのおかれた特徴や条件を活かしたまちむらづくりに励んでいることが、こうして実際足を運んでみればさらによくわかるものです。謙虚に積極的にほかからよく学ぶ、そして、ほかを学んで自分たちのよさをまた知る、こういう姿勢を常に保ちたいものです。

栗の木にマイタケ

今週も記録しておきたいめずらしいキノコだよりがあります。門外の方にとっては食傷ぎみかもしれませんが、おつきあいください。

何が「めずらしい」のかといえば、実は2つのことでめずらしいことだったのです。

めずらしいキノコの役者名はミャゴ(マイタケ)。それもクロフでまだ老菌にならない真っ盛りの株。それが栗の木の根元にあったというのがめずらしさのまず1つ。ミズナラではなくクリの木ということです。普通ミズナラに発生するマイタケですが、稀にクリやウメの木にも出ることがあるとされています。車道脇で人通りのある所なのに、よくこれほど成長するまでどなたの目にも入らなかったもの。

私はミズナラ以外では見たことも採ったこともありませんから、これが初体験。世間は広いですから、クリやウメで毎年マイタケを収穫されている方もおそらくおられるはず。自然界ではごくあたりまえのことでしょうが、実際に出会ってみると「これほんと、信じられない」と一瞬思ってしまうほどに、一人一人にとってはそうは体験できないことです。それで「めずらしい」としました。

めずらしいもう1つは、そのマイタケの出ていた木が自宅そばの栗の木だったことです。それより一週間前の5日には、自宅すぐそばのミズナラでマイタケ3個と出会っていました。それが今度はおなじ自宅そばの栗の木にマイタケです。しかもマイタケとしては最高級の晩生クロフです。重さは約2.5㌔㌘、まだまだ成長する株でした。

アケビの写真を撮ろうと週末の午後散策中のことですから、これもやっぱり「山の女神様が、こちらに授けてくれたのか」と、心の中で「ありがど、ありがど」のお礼をしました。
妻も少々あきれながら「ヤマノガミサマのおがげなべェ」と笑っていました。

茎も傘も充実してきた、やはり家周りで採れる晩生のハタケシメジとともに、王様格のキノコ2つをいっしょにご紹介です。

小、中学校の発表会へ

12日は全県の公民館大会が湯沢市内のホテルで開かれ開会行事に出席。湯沢市では10年ぶりの開催ということですが、こちらは10年前の参加の記憶がありません。最初の写真は、歓迎行事で披露された湯沢市皆瀬板戸地区の板戸番楽です。踊っているのは全員皆瀬小学校児童のみなさんです。伝統を引き継ぐ地域と子どもたちの努力に感心しました。

 

 

 

 

13日は小学校の学習発表会、14日は東中祭と学校の発表会行事が続きました。いずれもこの日は、児童・生徒たちのキラリと輝く個性と春以来さらに成長した姿を目にできる時で、発表を目にし聴いた私たちの心が、子どもたちのおかげでほんのりとあたたかくなる日です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

稲刈り作業もほぼ終わりに近づき、両日ともお天気に恵まれたので(14日は夕方ににわか雨)、親御さんはもちろんのこと、祖父母のみなさんも落ち着いたゆっくり気分で子や孫たちの発表を楽しむことができたでしょう。所用があり東中祭は途中で退席しました。

東中祭では、生徒たちが命名した通学路2つの坂道の名前発表もなされました。名は「希望坂」と「夢見坂」。村の児童生徒たちが作詞したふるさとの歌「悠久の風にのせて」にも夢と希望の詞があります。子どもたちの思いがよく込められた言葉、なんともいい名前をつけたものです。坂道を通った先輩たちも名付けを喜ぶことでしょう。

12日は、湯沢市に暮らす童が村の小学校の発表会を見学しました。自分たちの学校の発表会は終わっていて、村の発表会、とくに自分とおなじ学年の発表や1つ年上の従兄弟(男の子)の発表などを見て、童(女の子)なりに感ずるところがあったようです。

久しぶりに訪れたその童たちを連れて午後のつかの間河川敷の散策へ。川原の赤い石にチョークのような白い石で言葉書きをしたり、石や瀬と戯れたり、公園のブナの実を拾ったりと、暖かな陽射しをいっしょに浴びながら穏やかなひと時を過ごしました。

それにしても、児童・生徒、子たちの成長は早いもの。発表会は保護者やその家族、それに私たちもその成長ぶりに感嘆する日ですが、子たちを育てた先生たちにとっては、なおさら感慨深い一日となったのではと思われます。みなさん、すばらしい発表・演技ありがとうございました。

モッコラモダシがたちまち最盛期に

「サモダシ(ナラタケ)は、粒の小さなものでも3日で大きくなってしまう」と、天然キノコ採りのプロやナラタケを栽培している方々は言います。

ナラタケは希少種ではなくどこにでもごく普通に見られます。、村では最も多く利用されるキノコで、食べられるキノコのなかでは最大のなくてはならないほどにありがたい種ともいえるでしょう。

成長の早いキノコですから、採れる期間は短く、真っ盛りの群生に出会えるのはたとえ希少種ではなくても幸運ということになります。

そのナラタケの仲間で、晩生種として知られるモッコラモダシがおとといあたりから顔を出し始めたようで、我が家周りのナラ林ではそれこそ今がもう最終採取の時となっています。中には腐り始めた株も。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このモッコロモダシは、枯れ始めや枯れきったナラ立木の根元に大きな株をつくって発生するのが特徴で、傘は輝くような黄色で茎が長く、採るときにはボキッボキッと茎の折れる音がします。味と粘りはサモダシと呼ぶナラタケの仲間よりちょっと落ちますが、家近くの里山に発生し、株が美しく、採るのも簡単で一箇所での収穫量が多く人気のあるキノコです。

真っ最中の株が木の根元に出たときなど、林の中でも遠くからその黄色の株姿がよくわかります。写真の一枚は、やや老菌めいた株ですが木の根元が輝いているように見えたそんな時の一場面です。

里山では、アケビもいよいよ終わりの時。晩生のアケビは甘みが濃いのも特徴です。何かにつけ「晩生モノ・者」は中身、質が良いようです。

家周りのキノコと木の実たち

今日も、私の散策コースとなる我が家のお米の乾燥・籾すり作業小屋の裏手周辺などで、きのうみられたキノコたちです。

最初の真っ赤はベニヤマタケの仲間でしょうか、私には名がわかりません。杉林の中に列をつくって顔を出していました。

 

 

 

 

先日、仙台キノコ同好会のみなさんが見えられた時にある女性会員の方が、「私は、キノコで染めをやっているの。フィンランドに行った時に、向こうでキノコを使った染めがあることを知ったの」と、確かそんな旨のお話をされていたのをお聞きしました。この真っ赤など、タマゴタケとおなじで、ずいぶんあざやかな色素がにじみ出てくるのではと、そのときのお話と女性の方を思い出しながらながめたところです。

次は晩生のナラタケたち。まだ採られないほどの小さな粒もたくさん見られます。いよいよナラタケも形が充実した最終盤の役者たちが登場です。

最後のお皿の上のキノコは、ホコリタケの仲間で、生育条件がよければタヌキノチャブクロより数倍大きくなるキノコです。タヌキノチャブクロと同じように枯れた樹上に発生し、所によっては直径10㌢近い大きさの球体にまで食べられる状態で成長します。

表皮をはがせばこのようにまっ白。シコシコしたはんぺんのような歯触りが私は大好きで、ホコリタケの仲間(チャブクロ)なら、タヌキもキツネも、そしてこれは「アナグマ」のチャブクロとでも仮称しておきましょうか、それらすべてをおいしくいただきます。

作業小屋のまわりにはクリやクルミやツノハシバミの実がいっぱいで、それに晩生のアケビの実もまだ見られます。いつの年もよく実の成るサルナシは今年は不作。ヤマブドウはここの蔦は豊作のようで、例年にないほど多くの実を熟しています。

 

 

 

 

 

 

 

ヤマグリやドングリが今年は豊作。それにブナの実も久しぶりに並作のようですから、森のクマさんたちは食べきれないほどの秋の恵みに喜んでいるはずです。リスもネズミもヤマドリもそれはおなじで、この秋は、食物を通して連なるすべてのいのちの輪たちが豊穣を喜べる年となりそうです。里のお米だけはどうもそれほどではないようですが。

王様格キノコたち老いて登場

このブログは、秋になると村の自然、とりわけキノコや木の実を軸にして季節の様子をお伝えしています。それで今日もあきたらずに過ぎた日のきのこ便りを載せてみました。

まず5日早朝のこと。サルナシやアケビなど木の実の写真を撮ろうと家の周囲を散策していたら、なんとミズナラの根元に大きなミャゴ(マイタケ)発見です。

深山ならまだしも、家から2分ほどしか離れていない木にマイタケですから、これにはこちらもびっくり。早速朝餉準備真っ最中の妻を呼んで「マイタケ採り」を体験してもらいました。マイタケは大小あわせて3個。老菌ですがまだ十分に食べられる姿でした。

住宅そばの栗の木などでは採られることがあるマイタケですが、まさかこんな家近くのミズナラに発生するとは思いもよらぬこと。マイタケをどこかから採ってきた時、その土着きを切り落として投げた際の菌とかが風に運ばれてミズナラに取り着いたのでしょうか。とにかくこの日は朝からうれしい出来事のはじまりです。

10月に入ればオオヒメジ(ネズミヒメジともいう、ホンシメジのこと)が採れ時となるので、5日午前の村内周りの所用を果たした後に自前の採り場に向かってみました。

そこは、ここ何十年とおそらくこちらしか向かうことのない場所。つまり、いつ行っても確実に里山のキノコの王様と私だけが出会える場所です。ホンシメジでこういう「採り場」を持つ方は、プロ、アマを問わず案外多くおられるでしょう。

そのホンシメジ、今年は顔を出すのがいつもの年より5日ほど早く、多くがすでに老菌状態で、このキノコ特有の王様らしいすばらしいかたちとはかなりかけ離れた姿をしていました。中には腐ってしまった大きな株も。今年の発生量は中の下クラスという様子です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そばには遅出のクリカラモダシ(クリフウセンタケ)が菌列をつくっていっぱい。これは採るのも食べるのも私は大好きなキノコですので、ゆっくりと楽しみながら一本、また一本と土から抜き出し地面に並べました。地面からきれいに抜き取りやすいキノコなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シシタゲ(コウタケ)も、遅くに出たのがちょうど採り頃だろうとおなじ5日に向かったら、それは予想通り。ありったけ成長した株や個体がこちらの行くのを待っていてくれました。コウタケへのこちらの評価は、ホンシメジ、マイタケに勝るとも劣らぬ王様格の威厳をもつキノコという扱いです。姿とともに、貴重種なのでそういう価値付けになります。

それをリュックいっぱいにしての帰り、クォー、クォーと頭上に聞き慣れた鳥の声が。見上げたらカギをつくり飛ぶ雁の群れです。毎年、須川温泉付近が紅・黄葉真っ最中の頃に彼らは渡ってきますから、今年もちょうどその季節になったのです。雁の初渡りが見られ、初鳴きを聴く頃には、王様格のキノコたちが終わりの頃とおぼえておけばよさそうです。