冬を越す支度の日々

集落からのぞむ焼石連峰の権四郎森(ごんしろうもり・南本内岳)や県境のサンサゲェ(三界山)は数日前から薄く雪化粧をしたままです。そんな薄化粧の頂を目にしながら、10月末から11月にかけての晴れの日の山里では冬を越す支度の日々が続きます。

我が家の冬支度は、家屋や小さな植木の冬囲い、冬に食べる秋野菜の収穫、薪の収納、田んぼの排水作業、用水路の掃除、自家用水道の貯水タンク掃除、除雪用機械の点検整備、雪消し池の泥上げ等々です。雪国のこれからは、根雪の前に済ませておかねばならないあれこれが頭から離れない季節となります。

そんなことで過ぎた休日は、春先を見据えて田んぼの水はけをよくする作業や、貯水タンクの掃除などに動き回りました。

貯水タンクの据えられている里山は今が落葉の盛りです。樹下には落ち葉に隠されるようにしてシモフリシメジが真っ最中で、立ち枯れ木にはムキタケも。湿り気のある沢筋にはサモダシ(ナラタケの仲間)も晩生特有の肉厚のかたちで今も見られます。

沢と田んぼそばの林や草むらではユギノシタキノゴ(雪の下キノコ・エノキタケ)がいっせいに顔を出し始め、トヂナメラコ(ヌメリスギタケの仲間)や晩生のハタケシメジともまだ出会えます。たまには里のナメコとも。

▼ところで、そんな動きの合間の31日には、小6の童が活動している子ども仙人太鼓の演奏に少しの間立ち寄りました。演奏は、成瀬ダム工事事務所と村がとりくんでいる、「ダム上下流交流会」「ダムモニターツアー」の行事のひとつとしておこなわれたものです。

地域交流センター「ゆるるん」での交流会には、湯沢市内の親子連れの方々が参加され、子ども仙人太鼓の鑑賞や少々の太鼓打ち体験、成瀬和紙のブックカバーつくりなどが行われました。

例に漏れず、子ども仙人太鼓も全国的な新型コロナ禍で練習ができず、演奏の機会もまったくなしという状態が長く続いていました。この日のための直前練習がわずか2回ほどということでしたが、童たちの鉢を振る動きと表情には、久しぶりに太鼓を叩けるうれしさ、響きを楽しんでいる様子がよく伝わってきました。参加された湯沢市の親子のみなさん方も、きっとそこから感じとれる何かがあったと思われます。