花の百名山・8月半ばの焼石岳(その3)

横岳登山道で行き会ったこちらと同じ歳ほどの登山者は、「一関から来た。東成瀬コースをはじめて登ったが、案外近いし、楽。これから南本内岳(権四郎森)にも回る」と語られた。健脚な方のようだ。

姥石平の夏を彩ったトウゲブキやタチギボウシは完全にあるいはほとんど花が終わり、いま目につくのはキンコウカ、イワオトギリ、ミヤマアキノキリンソウやキオンかな。黄花たちなのでよけい目立つ。イワショウブやシロバナトウウチソウもいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏油コースから別れて9合目分岐に向かう途中の南本内川源流部のシゲイシ(スゲイシと記す方もいる)には残雪が見られる。ここから9合目までは、まもなく訪れる紅葉の時期には焼石で最も素敵とこちらは思う絶景が広がるところ。

分岐手前の雪田跡には、ここも雪解けが最も遅い所なのでタチギボウシをはじめ夏の花たちが登山道を覆うように咲いている。花盛りのときなら焼石連峰全体が花の道となるのだが、そこは遅くに咲いた花の道だ。道には、ハイマツの実だろうか何ものかの食べ跡も。

 

 

 

 

 

 

 

 

分岐で休んでいたら釣り竿を背に釣り用の長靴を履いた青年が登ってきた。「奥州・前沢から胆沢川(登山道6合目与治兵衛周辺)によく釣りに来る。今日は、せっかくだから頂上まで初めて登ってみようと。いやァ、きついですねェ」と汗を見せながら語ってくれた。

下りになったら、朝早くの登り時とちがい花の数が多いと感じた。とくにタカネナデシコなどは夜露、朝露で登り時は下向き加減が多かったのだが、陽に照らされると花の勢いをいくらか取り戻せるようだ。おかげで、なんとか花の道らしい焼石を歩くことができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タゲのすず(焼石岳の湧水)に浸した桃太郎トマトは見事に冷え切っていた。リュックに入れてきた大小の空ペットボトル3本にその清水を詰め家族へのお土産に。タゲのすずは、帰宅後に仏前へも供えられた。亡き父も、それは生前よく飲んだ清水だ。駐車場到着2:30分。朝露があり川に少し入ったりしたので、登山靴は濡れたままの一日となった。

帰路、車道の脇に赤い実をつけた植物が見える。止まって確かめたら完熟のモヂイチゴ(エビカライチゴ)がいっぱい。野いちごとしては最高級の夏の味を口にしたら、たまった疲れがややとれたような気分になった。

▼全国農業会議所と県農業会議の会長職を長年つとめておられる二田氏がきのう専務理事や職員、県職員とともに村役場を訪れました。農地の有効利用に関する農業委員会の新たな制度についてその趣旨への理解をすすめるために会長自らが市町村を訪問している活動の一環です。首長だけでなく議会にも理解をということでこちらにもご案内があったもの。本題前のよもやま話の中では、県立農業高校・金足のことがやはり話題となりました。
▼畦の草刈りに出て帰った昼、金農の決勝進出が決まっていました。願う、東北勢初優勝。