仙北道のうち、初体験コースを歩く

きのう6月24日、仙北街道のうちのアドレ坂から下嵐江(おろせ・おろへ)間をはじめて歩きました。

この歩きは、村公民館と村仙北道を考える会の主催で行われた歴史の道「仙北道を歩こう」のよびかけで長年行われてきた一連の行事のひとつです。

今回のコースは、奥州市胆沢側の本来の仙北街道(旧仙台藩側)の一部です。アドレ坂から下嵐江までのその約6㌔の間は、仙北道の普段歩く行事メイン区間12㌔のコースでは歩けない行程です。秋田側も、岩手側も、12㌔コースの古道とは分けて、災害時をのぞきほぼ隔年でいわば両端となる古道も歩かれてきたようです。

こちらは、今回のコース周囲の北側山麓、つまり胆沢川の本流側クチナシ沢などからは何十年もの間、古道手前までキノコ採りや写真撮影で入山していますが、その地点区間の古道歩きの体験はなく「今年こそは」と思っていてのきのうの行事参加でした。

きのう歩いてみて、地図上で予想していた箇所に実際の古道がまちがいなく通っていることを、山の全体像からほぼ知ることができました。今度機会があって、今回のような前川筋ではなく胆沢川の本流筋からクチナシ沢などを経て入山したときは、これまでより足を延ばして尾根まで進み古道にたどりつくまで上がってみようと思いました。ただし、それは、野生キノコへの放射能汚染の安全宣言がされ「ここのキノコもだいじょうぶですよ」とされてからのことです。果たしてそれは何年先になるのでしょうか。

今回のコースは、大寒沢林道終点まで車で上がるのであれば、きのうのように散策気分で歩けるまことに軽快な道です。それでいて、古道核心部の広大なブナの原生林ほどではありませんが、ブナをはじめとする素敵な原生林の中をいっぱい歩くこともできて、楽な割には魅力の深いコースでもあります。こちらが数年前までキノコ採りと写真撮影に入った魅力あふれる林と連なりの山でしたから、「なるほど、やっぱり、道はここにあったのか」と一人合点しながらきのうは歩きました。

今回は、遠く気仙沼市からや秋田市もふくめ21人のご参加。奥州市や胆沢地方のみなさんからもご参加やお世話をしていただきました。先立ちとなって「歩こう」会(後の懇親会も)を計画された村教育委員会や会の方々も含め、みなさんご苦労様でした。ご難儀をおかけしました。

時間はすべて「およそ」ですが、6時30に集合場所のゆるるんをバスで出発。歩き開始8時10分。ちょっとした登りの連続から一部残雪も歩いてアドレ坂に8時40分着。時にタケノコを手に楽しまれる方も。ドウダン(サラサドウダン)やオゲッコツツジ(ウラジロヨウラク)などを愛でながら、道に倒れた大木の下をくぐったり、越えたりして小胡桃山着10時3分。

クマがホンノギ(ホウノキ)の皮を剥ぎ生々しい爪跡を見せるそばを通り、造林されたままのカラマツ林が目に入る中を進み、御清水場すぐ手前の見ほれるようなブナたちの根元で休憩が10時50分。記念写真を撮り、軽い食事をし、快適なお天気の下、寝転がる方もおられたりするほどに一同ゆっくりと休み11時45分に出発。そこから4分ほどで御清水場の標碑に着。

 

 

 

 

 

 

 

そこから先、登山道の主に南側には一部造林杉の林も混じります。道はその杉林を東方向にほぼ尾根に沿い8分目ほどの位置でしょうか進みます。その後にもやはり広く続く変化のあるブナの林を楽しみながら尾根の8分目ほどを歩きます。時には尾根に出たり、尾根をはさんで前川方面や胆沢川方面に出たり入ったりしながら西宮大神宮の碑などとならんで立つ野頭の標碑着2時13分。やがて右手に胆沢ダムの湛水がちらほらと視野にはいる中を進み、終着点の下嵐江には2時30分という歩きでした。晴天ながら暑くも寒くもなく、何よりもお天気に恵まれた快適な歩きでした。

植物や昆虫などに詳しい村外の方々が幾人かおられ、新しいことを知ることができて楽しい歩きでもありました。

最後の写真は帰りのバスからながめた猿岩です。ここらダム周囲は、いまから40年ほど前から私も妻も「ヤマボウシがとっても多く美しいところ」とながめてきた山。猿岩に咲くヤマボウシの花々は今が満開、とっても素敵な景色がながめられました。

帰ったら妻から「あらぁ、肌着シャツ、前後ろ逆だ」の声。なんだかおかしいとは思ったものの朝からそのままで通していたのですが、山歩き専用の肌着を反対に着て歩いた一日で、こんなこともめずらしいことです。