雪を寄せながら

農作業場前の除雪作業でロータリー除雪機をきのう動かしました。今冬初めての稼働で、屋根から下ろした雪がやがて高く重なり、そのままにしておいては雪下ろしが出来なくなるための作業です。

近年の村は自然落雪方式の屋根構造が多くなり、2階建ての家でも屋根全体の雪が滑り落ちるとたちまちのうちに軒下に雪が重なります。当然、その雪を除雪しておかないといずれは屋根雪がつかえて落下できなくなるので、屋根からの雪下ろし作業はないものの、落下して堅く締まった雪を除雪する作業はつきもの。その主役は機械です。

水が豊富で条件のよい方は軒下に池(雪消しエド)をつくり自然消雪をはかる方もいます。しかし、そういう豊かな条件、環境をもつ方はごく限られるでしょう。

豪雪の村の家々でロータリー除雪機が購入されるようになり、あるいは個人でも小型のショベルローダーなどを購入される時代になったのにあわせて、落雪方式の屋根構造がいっきに増えたような印象をもちますが、どうでしょうか。それに、世間の多くも、大工さんも、「片屋根の住宅はつくらない」というおかしな昔流儀が以前はあって、それも落雪方式の家屋づくりを遅らせた一要因とも思われます。「型を重視し、現実の難儀を軽視した」ということでしょうか。

いまの村の新築家屋は、落雪構造か、雪下ろしが必要な家屋でも危険のない平たい屋根構造になっています。「雪下ろし」などは少数派になりつつあるのかな。ですから、いずれこれから50年後ほどには、「住宅の雪下ろしで事故」ということは、村内ではほとんどなくなるかもしれません。下ろす作業にも危険防止策が強調、工夫されてきましたからね。

場所が狭くて落雪構造もできない、雪もロータリーなどで寄せ難い家屋密集の市街地は今後もしばらくは「雪下ろし」が続くでしょうが、それももっと簡易で費用も安い「下ろさなくてよい方式」がきっと考えられるはず。

それにしても、ちょうど道路にまかれる融雪剤(塩)で自動車の車体が腐食するのを何十年も克服できない(どうして、車のメーカーは、塩腐食に強い車体をつくらないのでしょう)でいるように、わが国は、「雪からの差障りを克服する手だて」においてもっと頭脳の集積をはかってよいのではないかと、塩でサビついた車をみる度に思います。そういう思案がなぜはたらかないのか、当方にとっては不思議なことのひとつでもあります。

▼サツマイモ、ジャガイモと、冬はお芋のおいしい季節。関東方面の友人、親戚などからおいしいお芋が毎年秋から冬にかけて届きますが、そのうちのひとつが相模野の台地で獲れた芋は芋でもやまと芋。20歳の頃1年間農業先進地研修でお世話になった相模原Sさん宅からのおいしい冬の部の定期便です。とろろにしたり、焼いたり、てんぷらにと、若い頃はたらいた台地や、近くを流れる相模川を思い出しながらごちそうになっています。