ミズナラ、ブナの森の宝

私用や議会関連の所用などで、きのうは役場に立ち寄り後横手へ向かいました。きのうもふくめこのところ3日ばかり晴天が続き、横手盆地もようやくコンバインによる稲刈り風景が各地で見られるようになっています。

山間部だけでなく、今年は平場地帯も「稲が、ながなが、あがるまねぇ(なかなか、稔り色にならない)」といわれていて、刈り取り盛期が幾分遅れているようです。村も、滝ノ沢や田子内地区の法人や認定農家の方々のコンバインがいよいよフル稼働の様子。岩井川などでも、ハサ架けの方々の刈り取りが始まっています。

例年なら、9月末に3日間も晴天が続けば稲刈りに入っていたのですが、今年はこのとおりめずらしく稔りが遅れていてこちらは作業に取りかかれません。コンバイン、乾燥機、籾すりと、機械類はまずは万全のスタートをきれるようにしています。ところが、今度は雨、そして行事がいろいろあり、我が家の稲刈りは来月2日の開始予定。それも、天気がよければということで、秋の天気は気まぐれですからその予定もどうなるかわかりません。

▼所用を果たしての午後、「雨が降る前に、行事と稲刈りがないうちに、それは今日しかない」ということで、ブナとミズナラの深山へ足を向けました。去る14日に訪れ、ミャゴ(マイタケ)はひとかけらも見られなかった渓谷へです。そのとき以来多くの方々が入山したらしく、新しい靴跡もふくめヤブはもう道になっています。

渓谷には、いつもならあちこちに見られるサモダシ(ナラタケ)もほんのわずか目につくだけ。早出のナメコも少々手にしました。

肝心のマイタケは、なじみのミズナラ大木を30数本まわり、お目当てが顔をだしていたのはたったの2本。やはり、豊作とは呼べず、並作よりも少し落ちるかなという程度。

うち1本は、昨年の豊作時もふくめこのところ何年間もキノコの顔を見ていない巨木ですが、どうしたことか今年はちょうど採り頃、食べ頃のクロフ塊がいくつか顔をだしていました。14日にはまだ根元にキノコの姿はまったく見えなかった巨木です。それが山にこれだけ人様の踏み跡があるのに、どうして2週間近くもこの木にどなたも立ち寄らなかったのか不思議なこともあるものです。いつものようにひとり合点で、「山神(女神)さまが、こちらを哀れんで、恵んでくれたのだろう」と深く感謝です。

ゆっくり腰を下ろし、自然がつくった最高級の山の幸、宝をしばらくながめ、まだ成長途上でそれほど大きくないキノコ塊を木の根元から離し並べます。マイタケの茎が根から離れる時には、ゴゴッ、ググッと音がし、あの天然ミャゴ特有の香りが一帯に漂います。危険、難儀の末に出会えるこの喜び。マイタケ採りならではの醍醐味です。成長中なので獲れた量はそれほどでなく約10㌔。生長の頂点だったら倍以上にはなっていたでしょう。ミズナラ、ブナの森の宝を雰囲気だけでもお伝えしようと、写真を少し多くしました。