初雪が消えた後の天正の滝です。
昨年はまれにみる大豊作で敷かれたように落ちていたブナの実も今年はゼロ。ブナの森の生き物たちは、森が育てる食の豊凶、この激変にあわせて幾万年も生き続けてきたのでしょう。
散策道脇には、遅く顔をだした茎のずいぶん太いサモダシ(ナラタケの仲間)がニョキニョキ。清水のそばにはムキタケも。
里も深山も樹下は落ち葉でまるで厚~いふとんかじゅうたんを敷いたよう。こういう時は登山道も所によって人の踏み跡が隠れるほどになり、10月末から11月の登山での遭難原因にもなります。知らない山の歩きでは、濃霧や吹雪で道をまちがえると同じように油断のならないのが落ち葉の積もる初冬です。
毎年こんなに落ち葉が積もるのですから、落葉広葉樹の森は土が肥沃になることがよくわかります。また、里山で大量に落ちているドングリをみれば、生き物たちにとって毎年実をつけるナラの林が最も大切な命の森であることもわかります。
天正の滝へ向かう林道は、今は車両通行止めとなりました。
▼日曜日、りんごの収穫もそろそろ終わりに近づいた平鹿地方を通り横手に向かいました。
身内のりんご農家Yさんによると「今年は台風の影響が一度もなく日照もよし。甘い実が例年になく大きく実った」ということです。
道路沿いにある真っ赤な実をたわわにつけた樹園地のはるか西には、もう完全に根雪となった鳥海山がのぞまれました。雪害、霜害、雹害、台風などなど、収穫まで自然災害だけでもこれほどに気のぬけないりんご栽培。その心労がわかるだけに「りんご農家のみなさん、一年のお働き、ほんとにご苦労様」です。