16日~18日、農業委員会の研修視察で安房のくにに入り、半島先端の館山まで足をのばしました。
館山の花栽培農家Sさん宅へお伺いし、全国の先進を走り続けている経営の現場で「農にかける魂」ともいえる気概に触れてきました。
Sさんご夫妻は、ここでも幾度か紹介していますが、私の妻が45年ほど前に花栽培の先進地研修でお世話になった農家。ご夫妻はわが村、我が家を訪れたこともあります。現在、経営の柱はご子息のHさん夫妻に譲られておりますが、まだお二人とも現役として元気ではたらいておられます。
経営の柱ストックやトルコギキョウなどを栽培するハウスは60棟を超える数ということで、委員一同、立ち並ぶハウスのそばで、多忙ななか両ご夫妻に時間を割いていただきSさんとHさんのお話をうかがいました。
▼日本は何処も瑞穂のくに。比較的平地の少ない半島南部や外房、内房の沿岸部では、市街地そばや海岸沿いの狭い沢筋まで平地を最大限に利用して水田がいまも作付けされている様子がわかります。東北よりも休耕農地率は少ないのでしょうか。ここは関東でありながらも温暖な南国の風情が濃い。常緑樹に囲まれた刈り取り後の水田ではひこばえの成長が早く、その稲穂も実を結んでいました。常緑樹に混じってわずかに見られる落葉広葉樹が紅葉の時期となり、この地方ならではの11月の山景色を目にしてきました。
外房のフラワーセンターに立ち寄った時、土手にある野草の花には蝶と蜂がまださかんに蜜を求める姿が。宿泊施設の窓からは、すてきな夕日と朝日を拝めるという幸運も。同じ外房でも地形の影響なのでしょうか、わずかの間しか離れていないのに片方はべた凪の海、片方は波が絶えずサーファーがいっぱい。伊勢エビやサザエなどの直売も所々にあり。みな、黒潮につき出た半島先端の地だからこそ見られる特有の光景でした。
▼当初は26日の命日に予定していた父の三回忌が、お寺さんの都合で変更、一週早めて19日に。初雪後の里の積雪もすべて消え、墓参も雪がなくて助かりました。
▼20日は、「根雪とならないうちに」と、小雨の中、予定を早めてエドカギ(井戸搔き・池の泥上げ掃除)です。春に放った小さな鯉もだいぶ大きくなりました。新たに鯉を増やして放したおかげで、池の泥は昨年までよりかなり少なめ。「泥を少なくするために鯉を増やす」のねらいは当たったようです。
昔のガキたちにとっては魅力の大きかったエドカギ。魚はこどもの心を躍らせるもの。毎年この日は、こちらもちょっぴり童心にかえります。これで、豪雪の冬を越すための大きな支度はひとまず終えました。