ブナの実は極端な凶作(昨年が大豊作だったので、今年実をつけないのはブナの通常の生態サイクルでしょう)、クルミも不作、ヤマブドウやアケビ、ツノハシバミなど、野の生き物たちとともにむかし人も喜んで食べた木の実が今年は不作でした。
しかし自然はよくできたもの。同じ天候下なのに一方でヤマグリやドングリは豊作で、加えてヤマグリは虫食いが少なくめったにない上品質の実つきの年となりました。
むかしとちがって山に入ってヤマグリの実を拾い集める子供たちはほとんどいませんし、栽培栗は別にして、以前ならよくみられたヤマグリの実を拾い集める大人の方も今は数少ない存在。
ですから、秋の里山はどこにいってもヤマグリが地面にいっぱい。それに今年は品質良しですから、クマ、ねずみ、鳥、リスたちは大喜びのはず。
我が家裏手の広葉樹の里山もヤマグリの木が豊か。樹下にはいれば晩生の栗の実がまだまかれたように落ちていて、わずか10~20分で10㎏ほどの実が楽に拾えるほどです。
落ちてからある程度の日数が経っている実なので甘さが濃くなっていて、これは焼き栗に最適。小粒ですので薪ストーブの熱さで簡単に焼けるのもまたうれし。ヤマグリを焼く、こんなささいなところにも山里ならではの小さな秋を感じているところです。