毎日の居間の掃除程度で家事手伝いを済ませているこちらは、およそ40年以上前に横手市内で半自炊生活をしていた当時以外台所に立つことはまずゼロ。
ですから「今日は、何にしようかな」と悩む多くの主婦たちの献立の大変さが実感としてはわからないでずっと過ごしています。が、それが想像以上に悩ましいことであることは、妻、娘、妹たちが炊事前に時々吐く「あーあ、何にしようかな」という言葉から感じ取ることができます。
そういうことで、味噌汁ひとつをとっても、「さて、具を何にするか」から食の準備ははじまるのでしょう。幸い、山村に暮らしていれば、野菜あり、山菜あり、キノコありで柱となる食材にそんなには困りません。その中でも山菜のミズ(ウワバミソウ)は、我が家ではとってもありがたく利用している妻の炊事助け船的食材です。
時々このことを記しますが、早春から晩秋までこんなに長い期間利用できる山菜はミズとワサビぐらいでしょうか。ただしワサビは香辛食材ですからあくまでも脇役、それにくらべミズは味噌汁に鍋物に、そのほかも様々な料理に量も多寡様々にと利用できます。
採取も下準備も手軽で、しかも完全無農薬、無化学肥料。家の軒下、家周りから生えていて植生が豊富、農産物とちがい肥培管理の生産費代金は一切かからない無料のミズ。
そのミズは晩秋になっても草が堅くなりませんから我が家では今も時々ミズ食材を積極利用しています。山菜大好きの童たちも、キノコといっしょに味噌汁お椀に入ったちょっとトロトロ感のある粘りとシャキシャキ歯ごたえのミズを「おいしい、おいしい」と食べています。こういう山菜、とくに同じミズでも豪雪の土地の品質優れたミズを、都会の方々にもっと利用してもらいたいものですね。