標高1000㍍ラインの秋の花、リンドウ(エゾオヤマリンドウ)とウメバチソウが花盛りの頃と須川高原に上がってみました。
車道近くで一番の群生が見られるのはイワカガミ湿原入り口すぐの遊歩道沿いなのですが、どうしたわけかいつもの群生地にはリンドウがわずかしか見られず、端々にポツンポツンと少しの株があるだけ。
以前にあったあのたくさんのリンドウの株はなぜ消えたのでしょう、不思議です。それに、ここではススキが年を重ねるごとに勢いを増しています。あと何年かたてば、わずかに残るリンドウも、写真におさめたいような景色や姿は見られなくなりそうです。
ここら一帯、所々の湿原には、イワショウブ、紫で背の高いサワギキョウ、黄色のミズギクがまだ花姿です。それに水面には遅咲きのヒツジグサの花がかろうじて残り、葉っぱはもう紅に染まり始めています。モウセンゴケの紅色もひときわあざやかになっていました。
ところで、声を出しながら散策道を歩いていたら、風がないのに急に遠くの道ばたの笹が1箇所だけ大きく揺れました。おそらくクマでしょう、道路に敷かれた木道用の板が所々ひっくり返されています。こんなことができるのはクマだけ。敷板の下にいる蟻の巣か虫を食べようとしたのでしょうか。クマにとって、秋の木の実が食べられるまでのこの季節は、最も野の食べ物に不足する時期。クマは雑食ですから、食べられるものはなんでも手・口当たり次第、これは、そんなうごきの跡と思われます。
帰路、国道脇にキツネが一匹。何かを捕らえ食べていたのでしょう口をもぐもぐさせています。冬毛にまとわれた季節とは違い、夏の体には丸みがありません。少し小さめですから、昨年に生まれた若ギツネかも。