まだ早朝のうちだが早くに歩きを開始したのだろう、岩手側からのにぎやかな女性登山者の方々などと次々とすれ違い、秋田側でも集団や単独、ご夫婦、それにいかにも恋人同士らしい雰囲気の方々とも行き会う。
その際、やや遅れて歩いていた若い女性の方とすれ違い、道をゆずろうとしたら木の根に足をとられ四つん這いになってしまった。「たはー、なんでこんな時に」と、この山行3度目の転倒・つまずきに、つい齢65を自覚する一幕も。足が、若い頃のようではないのである。
秋田側では、盛夏の花の名所8合目~9合目で歩を止める方々が多く、ハクサンフウロの群落に「うわー、すてき、きれい」と中年女性の方々が歓声をあげ、カメラをむけていた。
タカネナデシコもぽつぽつ咲き始めている。
焼石沼ではじめてゆっくりと休む。エゾノクサイチゴの熟し始めた実をごちそうになり、サンカヨウの実も口にし、清水に浸けておいたスモモで疲れ気味の体をピリッとさせ直して下る。
駐車場着11時45分。やはり車はいっぱいで、仙台、八戸、高崎、八王子、岩手など県外ナンバーも多かった。車で下がる途中林内をのぞくとマタタビの花が盛り。花びらを下向きにして日陰に咲く姿は可憐そのもの。歌や句を詠む方々がこんな場面に接したら、いい作がうまれそうな花である。
▼きのうは、美郷町、羽後町、東成瀬村の県南3ヶ町村議会議員連絡協議会の研修会と情報交換会が美郷町でおこなわれた。
研修会には、県の誘致企業として旧千畑町に拠点をおき、今では本社も合併後の美郷町に移転、自身も家族とともに秋田に居を構えている(株)斉藤光学製作所の社長、斉藤伸英氏を講師に招き、「戦略」という演題で社の経営哲学と、会社経営だけにとどまらない氏の考える組織と人間のあるべき姿、生き方で、示唆に富む講話を拝聴した。とりわけ、若い世代への早めの事業承継の大事さは、会社経営の範疇をこえ、政治や諸々の事例にもあてはまる、そんな含みを感ずるお話で、これは議員各位の胸にひびいたのではないか。
春の改選で構成が新しくなった羽後町議会のみなさんとも、一同に集うのははじめてで、研修会、情報交換会とも、新鮮な雰囲気が漂うひとときとなった。新鮮、とりわけ若いというのはいいもの。
研修会でも、テーブルを囲む席でも、多忙なところ時間を割いていただいた斉藤社長さん、松田町長さん、そして準備と運営にご足労をおかけした美郷町議会のみなさんには、ここからもあらためてお礼申し上げます。